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法制審家族法制部会第19回会議議事録6~落合委員・井上委員・柿本委員

出張から帰ってきて、燃え尽きてた・・・


親子法制関係で、民法改正が実現したということで、新聞を買いにいったり、してはいたのだけど=社説が親権論!

会いたい人に会い、夢を語り、充実した分、体はつかれたよーって悲鳴かも

来週共同親権裁判ウィークなのに!!

議事録を読んでいこう~~

○落合委員


 ありがとうございます。京都大学の落合です。私も法制審の部会に関わらせていただくのが初めてなものですから、今回のことを受けて、取りまとめができないのではないかという御連絡を頂いたときに、法制審はこういうことが時々起きる審議会なのかと少し思ったのです。でも、今日、皆さんのお話を伺っていると、そうではないようなのですね。これは例外的なことなのですね。それで少し安心しましたけれども、であれば、見送るかどうかという結論が今日の会の前に流されているということ、それが報道されているということは、やはりゆゆしき事態だと思います。池田委員の御説明で、民主主義の機能の仕方と、それへの専門家とか審議会に選ばれた人たちの関わり方、それが違う性質を持つということ、それが組み合わさって法律が実現していくのだというようなことも、それは御説明いただいて、よく分かりました。記録を見た方にも分かりやすくて、よいなと思うのです。
 そうしますと、専門的な知識がある方などがこの審議会には入っていると、そちらが試案を出す前に政治的な介入があったというのは、学術会議の任命問題で起きたのと同じようなことが起きているということなのでしょうか。そうであれば非常に問題で、これが悪い前例になってはいけないと思うのです。これが例外的なのであれば、これを悪い前例にしないための今日の収め方というのをきちんと工夫しなければいけないと非常に思います。時事通信の書き方は非常にけしからんと思っていまして、自民党のその部会の了承が得られなかったから先送りになるのだというのは、まるで組織的な上下関係があるように読めてしまいます。ですから、そうではなくて、もし今日、取りまとめないのであれば、更に整理する必要があるというようなことですね、内的な理由で今日はまとめないということを公にしておかなければいけないと非常に思います。
 それはそれなのですけれども、その内容についてですが、分かりにくいというのは実は私もそう思わないではないのです。でも、このような介入がありますと、だからといってこれから文言を大幅に変えていくということがかえってしにくくなってしまったようにも思うのですけれども、少し分かりにくいかなという感じは正直言って、持っておりました。その分かりにくさは、やはり両論併記ということですね。両論併記にしても、例えば、それがセットになって大きいA案、B案というような形で示されていればまた、どのようにそれが法律として機能していくかというようなことが見えやすいのではないかと思うのですけれども、今は選択肢がたくさん並ぶというような形で、それのこれとこれを選んだら、その組合せはよくないことになるのではないか、みたいなこともあると思うのですが、そこが簡単に見えないような形になっていると思います。両論併記的な中間試案を取りまとめるというふうな方向になりましたときに少し驚いていたのですけれども、それも拙速といいますか、急がなければいけないという圧力がありましたので、それでやむを得ないことなのかなと思っておりました。
 しかし、このようなこと、今の段階で急いでいたはずが先送りになったりするのでしたら、本当でしたら議論したかったことというようなことで、今のようなことを申し上げたいと思います。両論併記でいいのか、両論併記にするにしても、もっとすっきりした出し方があるのではないか、これは全く私の個人の意見ですけれども、やはり一つの方向をしっかり出すべきではないかと、それをしたときにいろいろなマイナスのことが起きてくるわけですよね、それを防ぐためにこういう手当てをするというようなことを何重にもしっかり書いていく、それが、どちらの案を選択した場合も、そのような構成になっていれば議論がしやすいのではないかと思うのです。今からそのような形にするということが適当なのかどうかは、このような介入があった後では、かえってその自由度がなくなったように思いますけれども、そのような意見を持っておりますということをお伝えしておきます。
○大村部会長 ありがとうございます。落合委員からもこの状況についての御懸念が表明され、もし見送りということにするのであれば、内在的な理由に基づくということになるのではないかという御意見を頂きました。先ほどから出ている、分かりにくいということについて、両論併記が分かりにくいのではないかという御意見がありましたけれども、両論併記を動かすということについての御懸念も同時に示されていたかと思います。そこは難しいところがございますけれども、選択肢相互の関係が分かりにくいといったことは前から言われていて、大分直してもらったとは思っていますが、更にもう少し筋道が見えるような工夫はできないかなどと思って伺っておりました。また、今日のところはどうするのかということにつきましては、残りの皆様の意見を伺った上で一定の判断をしなければいけないと思っております。落合委員の御発言は差し当たり今のように受け止めさせていただいて、残りの方々、井上委員、柿本委員、そして大山委員の御意見を伺いたいと思います。

悩ましい状況が伝わってくる

○井上委員

 連合の井上です。ありがとうございます。私も報道でびっくりしたところですけれども、私たち委員よりも、やはり事務当局の皆さんの方が残念な思いが強いのだと思っております。結論としては、私は今日の取りまとめは見送るべきではないと思っております。理由としては、議論が拙速だ、あるいは分かりにくい、これはこの部会の中でもたくさん出ましたが、それも踏まえてこの8月30日に中間試案を取りまとめるということで、皆さんがいろいろな思いものみ込みながら、こういう結論に至ってきたという経過があると思います。そのことに対して、一部の政党からの圧力によってそれを変えるということがあれば、やはり先ほどからたくさん意見が出ているように、審議会という公式なものに関して一部の政党の圧力で結論が変わってしまうという前例を残すことになり、将来的にも、あるいはほかの審議会にも禍根を残すことになると思います。
 仮に意見を聴くのであれば、この後、パブリック・コメントを行いながらヒアリングをするというお話もありました。例えば、そこで一部の政党だけではなく、全ての政党からヒアリングを受けるといったことも可能ではないかと思います。一部の政党の圧力によって今日のこの取りまとめが変わるということに関しては、私はいろいろな意味で危惧を持っているところであります。
 では、今日先送りしたら今度は何をしていくのですか、というところがあります。棚村委員や、ほかの委員からもありましたけれども、ここまでまとめたものを、両論併記から一つの方向性に持って行くのか、そういうことはあり得ないと思いますので、そういう意味から言っても、やはり今回、筋を通すところは筋を通すということをしっかりやっておかなければ、この家族法制部会は何だったのだろうか、私たちは何のためにこの間、1年以上も掛けて議論をしてきたのかというところに至ると思います。
 冒頭、事務当局から、この方向性は部会、委員、幹事の意見で決まるというお話がありました。見送るということになれば、私はそれに従いますが、私としては今回この取りまとめを見送ることに関しては、すべきではないと考えています。
○大村部会長 ありがとうございます。井上委員からは、本日の取りまとめを見送るべきではないという御意見を頂きました。取りまとめを見送ってそのあと何をするのか、内容を変えるのかというと、内容を変えるべきではないという御意見も出ているところでございます。それから、意見を聴くことはこの後にも機会はある、これはほかの皆さまからも御指摘があったところですが、そうした対応を考えるべきだという御意見として承りました。

見送るべきではないという意見をきっぱり!






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