見出し画像

子どもの手続代理人を考える

日弁連の家事法制委員会による2009年のシンポジウムは、

家事事件における子どもの地位-『子ども代理人』を考えるがテーマでした

その記録はこちらに収録されていました。

2013年1月1日より子どもの手続代理人という制度が導入される家事事件手続法が施行される。

しかし、しばらく、子どもの手続代理人の制度は、費用負担の問題で実際には使われにくい状態であったが、同制度を導入に向けての取り組みを同書から学ぶと、夢膨らませて期待していたことがよくわかる。

上記シンポジウムは、子ども代理人の必要性とその役割について、率直に意見を出し合うパネルディスカッションによるものだった。

元裁判官として、家事事件を多く担当してきた経歴から、子ども代理人が必要だという立場、子どもの権利委員会の立場から、子ども代理人導入に賛成する立場、家事法制委員会の立場で、子ども代理人制度の導入に積極意見を述べる立場、そして、両性の平等委員会の立場で、同制度の導入に消極とする立場のそれぞれの意見が記録されている。

より詳細に研究したいところ、ざっと読みこんで感じるのは、子ども代理人の登場による和解的解決への期待だ。

同書のはしがきの記載も印象深い。

離婚にまきこまれる子どもたちが、被害者であることは紛れもない事実です。両親は別れるとしても、離婚後にも自然な親子の関係を続けられるようにすることが大事ではないでしょうか。
人生に重大な影響を及ぼす父母の離婚、それに伴う親権や面会交流などが父母間の争いになっている場面で、実質的な当事者である子どもの意見を手続に反映するしくみが極めて不十分なことに改めて気づきました。


子どもの権利条約も意識していることがうかがわれる。


2009年以後の10年経ったが、まだ、課題が克服されたとは到底思えない。

なぜ、足踏みしているのだろうか。




親子に優しい世界に向かって,日々発信しています☆ サポートいただけると励みになります!!いただいたサポートは,恩送りとして,さらに強化した知恵と工夫のお届けに役立たせていただきます!