4-お勧めの本

【本】渡部昌平(編著)『実践家のためのナラティブ/社会構成主義キャリア・カウンセリング 』:具体的な事例とツールが紹介されている。

木曜日はお勧めの本を紹介しています。今回はこの本を取り上げます。

渡部昌平(編著)『実践家のためのナラティブ/社会構成主義キャリア・カウンセリング 』(福村出版, 2017)

■要約

ナラティブ/社会構成主義キャリア・カウンセリングの考え方と方法を具体的な事例によって紹介する。関係構築から入り、クライエントのドミナント・ストーリーを脱構築し、カウンセラーとともに共構築していく手順とその時に使えるツールについて知ることができる。

■ポイント

相談者と関係構築をしたあとに、そのドミナント・ストーリーを脱構築していく。ドミナント・ストーリーを詳細に語ってもらうことは、語られないストーリーとしてのオルタナティブ・ストーリーを見つけ出すための前提条件となる。

「私は何者か」という問いからスタートして、過去をさかのぼると「誰々に叱られた」や「よく泣いていた」などのネガティブな記憶が掘り起こされて「ダメな自分」というラベルづけに至る。そこからは「どうせ自分の未来は大したことはない」という認知になってしまう。実際、叱られたり、泣いたりした経験は誰にでもあることで、そこからは何も掘り出すことはできない。

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