1-アドラー用ヘッダ

怒り感情は「今目の前で起きていることについて何か問題がある」ということを知らせるために自分が起動するのです。(感情論#07)

月曜日はアドラー心理学のトピックで書いています。ここしばらくは「感情」についての連載をしています。

前回は、過去の出来事に対して起動する「後悔」という感情を取り上げました。

後悔感情は、アクティブ(能動的)傾向の人であれば、「あのときこうしておけば良かった」と考えて、自分がその行動を取らなかったことを悔やみます。これが強くなると、自分の思う通りにしてくれなかった他者を怨んだり、行動できなかった自分を「怨む」という感情に変わります。

一方、パッシブ(受動的)傾向の人であれば、「あのときそうしなければ良かった」と考えて、自分がその行動をしてしまったことを悔やむのです。この感情が強くなると、「罪悪感」という感情に変わります。

いずれにしても、後悔感情は過去の出来事に問題があったということを知らせるために起動します。それは、私たちが過去の情報から何かを学ぶためです。ですから後悔感情が起動されたということは、過去の情報を参照せよということを自ら指示しているのです。過去の出来事を思い出し、そこから得られることを現在に活かせばよいわけです。それで後悔感情の役割は終わりです。

未来については不安感情が起動され、過去については後悔感情が起動されることがわかりました。そして、現在のことについては「怒り」というネガティブな感情が起動されます。怒りもまた「今目の前で起きていることについて何か問題がある」ということを知らせるために自分が使っていると考えます。

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