【日本心理学会大会特集】対人援助職の専門性としての感情労働。
日本心理学会第81回大会が、9月20〜22日に久留米市で開かれました。そこでのシンポジウムを聞いて仕入れた話題について私の考えを交えて、特集でお届けします。次のような話題を順番に取り上げていきます。
(1) 職場のストレスをどうするか
(2) ポジティブ感情の働き【省略】
(3) 生涯学 脳は老化しない
(4) 感情労働と感情制御研究
(5) 心の訓練としてのマインドフルネス瞑想
(6) 個性記述的パーソナリティ研究法としてのKellyのレプテスト(RCRT)
今回は「(4) 感情労働と感情制御研究」という話題を取り上げます。
接客や苦情受付など、自分の感情を押し殺して仕事をすることを「感情労働」と呼びます。肉体労働や頭脳労働と区別される感情労働は、対人場面を中心とする現代の職種の多くを含みます。
客室乗務員や借金の集金人から研究を始めたホックシールド(A. R. Hochschild)の『管理される心―感情が商品になるとき』では、「感情的不協和」という概念を提案しています。これは、経験された感情と表出すべき感情のズレがあるときに感情的な不協和が起こり、それへの対処が必要になるということです。
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