一次創作、古代中国風歴史ＦＴ小説『群雄列伝　下天の章・三　群雄割拠譚』。
もう何年も前になりますが、その登場人物を中心にタロットの大アルカナを作成しました。
今回記事では、一連の「群雄下天・三」記事ヘッダーとして使用のまとめ画像から、１枚ずつ拡大しつつ紹介していこうと。

タロット表紙は、中庸界ちゅうようかいの見習い美少女方姑ほうこ・景瑛ケイエイ。
ちなみに、このタロットデッキの名称に使った「VISIONARY CONTINENT」とは、学生時代に『群雄列伝』の天界の半神たちの物語を漫画で描いてコピー本にしてた頃のタイトル『空想大陸』の英訳＝サブタイトルです（爆）。

タロットにおいて「愚者」のカードは単なる愚か者ではなく、何ものにも囚われない底知れぬ力をもった存在と目されることもあり。
そんなわけで、天界の貴子・毀棄キキ。
ちなみに、こちらの背景は海外旅行中毒者な父がかつて中国を旅行した際の写真を借り、スキャナ取込から加工して使っております。以下に続くカードにも同様のもの複数あり。

「魔術師」のカードには、中庸界の方士うちでも能力値が高い（しかし性格や言動的には大問題な；）鄒頌スウショウ。
中華風だから、風・地・火・水の四大元素ではなく木・火・土・金・水の五行に置き換えて。
こちらの背景は父から借りた写真ではなく、自分が東武ワールドスクウェア（栃木県日光市）に行って自分で撮影してきた写真を加工して使ってます。これは万里の長城（の縮小版）。

「女教皇」には、北胡ほっこのシャマン（これは所謂シャーマン…巫女・祈祷者のイメージ）・ボルテ。
背景のカーテンが、まるっと手描きなので、写真加工が多い中で浮いてしまったなぁと今更ながら反省。。

「女帝」には、河西かせいの女当主・玉鈴ギョクレイ。
多産・豊穣を意味することもあるカードなので、母親キャラを持ってきたかったというのもある。

「皇帝」は、３・女帝と対になるものといい。
夫妻を持ってくるのが自然なので、玉鈴の夫である柳發リュウハツ。
３と４は色々と対になるようなデザインになっていて。手に持っているものも玉鈴が曲尺、柳發が円規〈コンパス〉なのだけど、中国の陰陽思想では男性＜陽＞が丸で女性＜陰＞が四角とするのだそうで（天円地方説、というらしい。天―陽―円―男性、地―陰―方〈四角〉―女性、と繋がるらしい）、画く道具はそれぞれ自身のものですが背景の鳳凰と麒麟の枠が丸と四角、つまり逆転しており。ほんとは背景のほうは合わせて道具を交換して持たせ、男女の道具の交換持ち＝二人が夫婦であることを暗に示す、というのを狙いたかったのだけど…なんか間違ってしまっていた（大困）。実際、夫婦神とも目される女媧と伏羲が、尾を絡ませた姿で女媧はコンパスを・伏羲は定規を持った図像があるという（大学時代の中国文学講義プリントをいまだに持ってる：爆）・・・あ～、やっちまったなぁ…（墓穴）

「法王」には、高僧・覚道カクドウとその弟子・暁悟ギョウゴ。
本編に覚道が出てくるのは、だいぶ後・・・そして、弟子・暁悟とは篇ノ四・前半部までで既に登場済の某人物の出家後の姿という・・・。。

「恋人」のカードには、伝渥テンアクと桓娃カンアイ。
繋げそうで、すれ違う二つの手・・・終章への展開の暗示とも（意味深）。

「戦車」は、そのまま古代中国の馬が引く式の戦車。
これ多分『武器と防具　中国編』（新紀元社）の説明図だいぶまんまで、オリジナリティ少なめ…←自分で言った；
ちなみに戦車に乗って馬たちを御しているのは、分かりづらいが西方解放軍を率いた将・営論エイリンのつもりで描いて塗ってます。

「力」のカードには、ライオンを手なずける女性が描かれているもので。
これを中国風に置き換えて、ライオンは虎にし、女性は半竜の幼女・委順イジュンに。竜と虎は龍虎図などからも想像出来るように、犬と猿の「犬猿の仲」のように対立関係にあるイメージだけど…だからこそ、この組み合わせに至ったのかもしれない。
虎って、前脚にも縞あったよなぁ・・・と、印刷が済んだだいぶ後になって思ったんですよね（おおいに墓穴）。
印刷所のトレカ印刷メニューを使って、リアルに占いに使えるカードとして刷ったんですけどね・・・何年もかけて在庫捌けまして一安心です。。

「隠者」には、中庸界の方士から柳擶リュウセン。

「運命の輪」は「THE CHINESE TAROT」をまるっと参考にし（爆）、車輪ではなく太極・八卦を四神が取り巻くという図式に。
一応弁解しておくと、「THE CHINESE TAROT」では上が朱雀（南）・下が玄武（北）となり、それに従い青竜（東）・白虎（白）もこの絵とは左右逆。
地図は北を上にする北半球のスタンダードに倣って、こういう配置に変更しております。八卦の配置も対応する八方位に合わせて揃え直しているはず…多分；

８・力と１１・正義は、タロットの種類によって逆になる場合もありますが（つまり、８・正義、１１・力になっているデッキもある）、こちらではこういう順序にしました。
「正義」には、悩み多き武人・薊軻ケイカ。
一般的なタロットと同様に、剣と天秤も描き込んでいます。

「吊るされた男」は一般的に足首を縛られて逆さに吊るされた男性が描かれているものですが。
こちらでは首枷・手枷をされた呉燎ゴリョウと、その姿を見て涙する伝家の姫・浹媛ショウエン。
呉燎のみならず浹媛も鎧姿である点といい、以降の展開のネタバレ的空気感がする画（墓穴）。

「死神」は”生と死の狭間に立つ番人”とも評される鬼籍宮きせききゅうの方士・泰衡タイコウと四つ目の犬狼・冢狛チョウハク。魂がのぼっていくのは鬼宿の積尸気（かに座散開星団プレセペ）。自分と同年代のヲタには多分積尸気冥界波と「あじゃぱー」が通じるんじゃないかと思ってる…いやでも自分が「あじゃぱー」を知ったのは蟹座の黄金聖闘士デスマスクによってだった（爆）。

水瓶からもう一つの水瓶へと水を注ぐ天使が描かれる「節制」。
こちらでは河伯の後継者・汀蘭テイラン…かつて洪洵コウシュンと名乗っていたコソ泥少年は、麗しい水の守護者へと姿を変えたのであった。
篇ノ四＜前＞では兄貴分・毀棄との別れまでしか書けなかったけれども、後日この二人は再会することに…ただし汀蘭（洪洵）は少年時代の記憶を失っているし、美人が苦手な毀棄も照れて彼女を直視できず気付かないという…嗚呼。

「悪魔」のカードには、一般に巨大な悪魔に囚われた人間の男女のなれの果ての姿、「THE CHINESE TAROT」においては獄卒・牛頭と馬頭が描かれていますが。
こちらでは人間の男女の影が人外・畜生になっている絵。人間の心の中に悪があり魔が宿る、というのを絵にしてみた感じです（いきなり独自路線＆マジ意見が出る：苦笑）。

「塔」は天から落とされた雷で破壊された塔から落ちる人々が描かれていますが。
東洋風の塔に激しい落雷、という比較的シンプルな画に落ち着きました。。

一般的な「星」カードからだいぶ離れたのですが、群雄ワールド的にはこうなるかなと。
星辰宮せいしんきゅうの方士・寿考ジュコウと、彗孛スイハイ、辰鹿シンロク。
辰鹿といえば、篇ノ一末尾以降、呉燎は中庸界で過ごすこととなっていたので、主従再会の機会はもしかしたらあったのかもとも思ったり…しかしたとえ再会したとしても、もう二度と行動を共にすることは無く…辰鹿もまた主の前途を思い、悩み嘆きながら見送ったことだろうと（意味深）。

「月」は大方の予想通りの太陰君タイインクン。「THE CHINESE TAROT」では兎を抱いた嫦娥じょうがが描かれていた。わかりみが深い。。

太陽の下に双子が描かれるのが「太陽」のカードですが。
こちらでは、玉鈴（３・女帝）と柳發（４・皇帝）の息子である集箑シュウソウ。色々考えると、まだ幼い少年は仔馬に乗ってるんでしょうね…それとしてもバランスが悪い気はするのだけど（墓穴）。
あと、別にSUN（太陽）とSON（息子）をかけたわけじゃないけど（苦笑）

「審判」には鳥王・金翅コンジ。
絵的にはスタンダードに近いところが無くも無い。

「世界」は、こちら独自の世界観を反映し、雲の上の天界に在る天父・遍照ヘンジョウの手の内に映し出される下界、というイメージです。

・・・というような構成となっております。