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お寺の掲示板

普段何気なく通り過ぎてしまう、お寺の門前にあったりする掲示板ですが、「お寺の掲示板大賞」が話題になって以降は注目する人が増えたんじゃないかと思います。
私自身は、それ以前から「ああ、いいこと言ってるなぁ」と感じたものは写真に撮る習慣があり。それこそ二昔いや三昔前、まだスマホも写メも、デジカメすらメジャーじゃなくてカメラといえばフィルムという時代から撮っていました(爆)。ただ、その辺はあまりに昔なので…すぐには出てこない(困)
とりあえず、ちょっと探して出てきたのが、北陸新幹線開業よりずっと前、飛行機で北陸を訪ねたときのもの。

那谷寺(石川県小松市)、おそらく2001年撮影。

写真は出てこないですが、忘れられないのは、きっと三昔ほど前に奈良・京都を一人旅したときに訪ねた、何処かのお寺の掲示板で(何寺だか思い出せない…)
「転んだら立ち上がればよい
立ち上がれば歩けばよい
歩けばそこに道が開ける」
若いうちに出会えてよかった人生訓であり、以降長年の心の柱となりました。。

近年は巨樹巨木を訪ねて寺社も結構詣でているため、おのずとお寺の掲示板を見る機会も増えて…結構撮りためてました(汗)
その辺を、遡れるところまで遡って、まとめてみようかと思います。
お寺の掲示板って、前面がガラスってことが多いから…正面から撮ろうとするとカメラを向けてる自分がバッチリ写ってしまう(困)。そんなわけで斜めから撮影してるものが大半です。
厳密に言うと「掲示板」じゃないものも幾つか入れ込んでますが……。

化野念仏寺(京都府京都市)、2010年7月

2010年、当時書いていた京都を主舞台とする現代ファンタジー小説の取材旅行をしまして(爆)、その時に訪ねました。
一般的に化野あだしの念仏寺といわれますが、正式には華西山東漸院念仏寺。化野はかつて生者が死者との別れをした葬送の地だともいわれます。
その際、鷹峯の寺院も訪ねまして、こちら源光庵の掲示板。

鷹峯山源光庵(京都府京都市)、2010年7月

そして、東の横綱名松・影向ようごうの松に会いたくて訪ねた善養寺。川一つ越えた先は千葉という場所にあり、別名を小岩不動尊。
昭和の時代に全国的かつ大規模に松枯れがあったといい、各地の名松が枯死したそうですが、こちらの影向の松は被害に遭うことなく、樹齢600年以上。

星住山地蔵院善養寺(東京都江戸川区)、2019年9月
同じく、星住山地蔵院善養寺(東京都江戸川区)、2019年9月

茨城県南・県西には3つの弘経寺ぐぎょうじがあり、一番有名なのは多分、江戸幕府初代将軍・家康の孫、二代将軍・秀忠の娘である千姫ゆかりの常総市の寿亀山弘経寺でしょうが、自分が何度か訪れているのはJR取手駅から歩いて行ける大鹿山弘経寺で。

大鹿山弘経寺(茨城県取手市)、2020年10月
大鹿山弘経寺(茨城県取手市)、2023年3月
大鹿山弘経寺(茨城県取手市)、2023年3月

日本で巡礼というと四国八十八ケ所が特に有名ですが、各地に色々ありまして、居住地周辺だと、坂東三十三観音や北関東三十六不動尊霊場など。
その北関東三十六不動尊霊場の32番札所が、開運出世筑波不動尊こと一乗院です。この一乗院には、落雷で二又に裂けてもなお枯れることなく生き続けていると伝わる「不動かや」が立っています。
ちなみにですけど、同県内、那珂なか市にも北関東三十六不動尊霊場の一乗院があり、そちらは25番札所で山号は法満山。佐竹氏ゆかりの寺院であり、巨大な毘沙門天像が立っております。

筑波山一乗院真福寺(茨城県つくば市)、2021年10月

平将門公ゆかりの、大鹿山長禅寺。過去記事で、江戸時代に建てられた「さざえ堂」の一つが現存する寺院としても紹介していますが、その長禅寺の掲示板。

大鹿山長禅寺(茨城県取手市)、2022年4月
大鹿山長禅寺(茨城県取手市)、2023年3月

JR結城ゆうき駅から結城蔵美館への途中で見付けた、常光寺。この記事のヘッダー画像が常光寺で撮影したもので、歩道のすぐ傍に仏像がドーンと……。

金明山常光寺(茨城県結城市)、2022年8月。

とりで利根川七福神の一つで弁財天を祀る東谷寺には掲示板が複数あり、どれもいいことが書いてあり。近所に住んでたらマメに通いたいくらいです(爆)

明香山観音院東谷寺(茨城県取手市)、2022年9月
明香山観音院東谷寺(茨城県取手市)、2022年9月

親鸞聖人が三年間住まい、浄土真宗を広めたことから、聖人ゆかりの寺といわれる無量寿寺。
聖人に関わる伝承をもつ巨木が複数立つお寺でもあります。

光明山無碍光院無量寿寺(茨城県鉾田市)、2022年10月

坐禅会なども行っている、曹洞宗の鳳林院。

萬松山鳳林院(茨城県小美玉市)、2022年11月

市指定天然記念物のサルスベリがある、神宮寺。
サルスベリの花期である夏に一度訪ね、再訪は翌年の春。
台風で上部が倒れて切られた門前の枝垂桜が、小さくなっても花を咲かせており、まるで「だって私は桜なのですもの、春が来れば花を咲かせるに決まっているでしょう?」と胸を張っているかのようでした。

小神野山惣持院神宮寺(茨城県土浦市)、2023年3月

夏に新潟を訪ねたとき、月潟の類産ナシに会ったあと旧月潟駅へ向かいながら見付けた、勝念寺。お盆前だからなぁ…という内容でしたね…。

勝念寺(新潟県新潟市南区)、2023年7月

茨城県指定史跡・五角堂のすぐ傍、明超寺の掲示板。
五角堂とは、当地(現・つくば市谷田部)に生まれ、名主をつとめる傍ら、優れた数理の知識で和時計や自動脱穀機などを作ったという飯塚伊賀七(「からくり伊賀七」)が設計した五角形の平面をもつ建物。伊賀七は布施弁天(正式名称・紅龍山布施弁天東海寺/千葉県柏市)の鐘楼の設計もしています。

高光山明超寺(茨城県つくば市)、2023年9月

塩原温泉郷の、妙雲寺。那須塩原市指定天然記念物・妙雲尼塔の大杉に会うべく参詣しました。

甘露山妙雲寺(栃木県那須塩原市)、2023年10月
甘露山妙雲寺(栃木県那須塩原市)、2023年10月

親鸞聖人二十四輩第七番の旧跡地で、親鸞聖人御手植えの松や平将門公の陣鐘がある西念寺。

西念寺(茨城県坂東市)、2023年10月
西念寺(茨城県坂東市)、2023年10月

いかがでしたでしょうか。
撮影した自分自身、振り返ってみて「ああ、あったなぁ…」と感慨深かったです(爆)。
掲載情報は基本的に現地案内板や各寺院の公式ホームページによっていますが、他には寺院の正式名称を調べるのにGoogle Mapsやホトカミも参照しています。

掲示板とはちょっと違うんですけど、二昔ほど前に永平寺(福井県吉田郡永平寺町/改めて説明するまでもなく、曹洞宗の大本山)を詣でた際に境内に掲示されていた「道元禅師からのメッセージ」がすごく心に響いたので、ポストカード版(ポストカードブックというか…蛇腹折りみたいになってる)を購入し、今も大事に持っています。

『高祖道元禅師 七百五十回大遠忌記念  道元禅師からのメッセージ』

そして、牛久大仏(茨城県牛久市)の胎内で飾られている書画がまた良かったので、「全部写真に撮って帰ろう」じゃなくて、書籍化された『百佛百花抄』二冊を潔く購入しました。

『百佛百花抄 壱』 本多 良之 著

ここまで書いても、私自身は特定の宗教宗派の信者ではなく、あくまで無宗教徒なのですが……(強いて言うなら「オレ教」:自爆)

で、忘れてはならないのは、お寺の掲示板は撮影しSNSにアップした人ではなく、それを書いたお寺の方、誰かの発言や作品中の文言を引いているならばその発信者が生みの親であって、言い換えればそちらが権利者であり偉い人です。ただ当世の場合、そこが薄くなりがちというか…「いや、本来『いいね』を貰うべきはアンタちゃうやろ」とSNSの投稿見て思うことしきり(辛辣)。なので、書いて出しといて何ですが、この記事にも「いいね」とか付けずに、紹介した寺院についてより深く調べたり、実際に訪ねたりしてみていただきたく思います。

それにしても、今回「今までに撮影したお寺の掲示板をまとめてみよう」と思い立ち、HDDやら記録メディアを引っ張り出しては写真データを探しまくる中で、それこそ二昔ほど前に凝ってたMIDI自動作曲ソフトによる産物な音楽ファイルとか出てきて…「ああぁ、これ、ここにあったんだぁ!探してたんだよねぇ」と。60ファイルくらいあるので、全部通して聴くと結構なボリュームのBGMになります。「そういえば個人ホームページでこれも公開してた頃、気に入ってくれた人が居て『個人的なBGMに使いたいんですけど良いですか?』ってメッセージが届いてたのに読まずに放置してて返信が遅れて、悪いことしちゃったなぁ…」なんてノスタルジーも。
ご利益があったのかもしれません(苦笑)

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