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長女誕生

(・・・痛い・・・)
新たな年が明けた1月。
正月の慌ただしさも落ち着き、世の中は来るバレンタインでチョコとハートがあふれてきた頃、ズキズキとした痛みで目を覚ました。
妊娠の症状の1つ、頻尿で早朝に目を覚ますのは割といつもどおりなので、早朝に目を覚ますのは珍しくない。
腹の痛みも、出産予定日も近くなってくると前駆陣痛も珍しくない。
(また前駆陣痛かー)
私は吞気に思い、トイレにいき再び布団に包まった。
とはいえ、出産予定日はすぐ目の前。
いつ生まれてもおかしくない状態には変わりないので、いちおうアプリで陣痛間隔を図り始める。
前駆陣痛と本陣痛の違いとは、痛みと時間間隔の2つらしい。
今回初産の私からすると、痛みでの判断は難しいと考えていた。
漫画のように、いきなり「うっ!!」とうめき声とともに倒れこむような痛みが走るとは、陣痛の違いで検索して出てくる事例からはないとは思ったのだ。
まぁ、痛みが走ったら走ったで即座に病院にいくことには変わりないので気にしていない、とも言える。
(お、10分以内)
痛みの感覚が10分以内が30分くらい続く。
だが、これくらいなら数日前にもあり、そのときはその30分すぎると痛みはなくなった。
(あれ、1時間?)
10分以内での痛みの感覚が1時間続いて、ようやく病院に電話する。
「痛みの波が10分以内になったので電話しました」
『では、もう1時間様子をみましょう』
(※注意 実際にはこんなシンプルなやり取りではないので安心してください!)
とのことで、1時間様子見。
その後も痛みの感覚が短くなっていくばかりで引く様子はない。
旦那さんを起こし準備をして、再度病院へ電話して、陣痛タクシーで病院へ。
今思えば、非常に鈍感なのだが、このときの痛みは動けるけど、座ると楽だから動きたくない程度だった。
そんな感じだったので、旦那も私も「もしかしたら、家にいったん戻って様子見なんてあるかもー」と吞気に話していた。
ところが、いざ診察してもらうと
「子宮口が5㎝開いてますね、すぐに入院です!」
と分娩室へ移動。
現金なもので、陣痛と聞くと不思議と痛みが増した。
私は事前に無痛分娩で、とお願いしていたので、病院着に着替えたあと、脊髄から麻酔を注入。
麻酔を入れると、思わず声を出したくなるような痛みが和らぎ、それほどではない痛みはなくなった。
完全に痛みがなくなったわけではないが、これだけでも格段に楽になった。

さて、初産の出産時間は平均約14時間。
人によるが、長いと2~3日もかかることがあるという。
麻酔が入り、心に余裕が生まれた私は旦那に
「急いできたから足りないものとか、仕事道具を置いてきたら?」
と帰宅を促す。
ここから2,3時間はこのまま痛みとの闘いだろうと思ったのだ。
立ち会う旦那からしても、大事なシーンに向けて体力を温存してほしいとも思ったのだ。
そうして、旦那は一時帰宅。
ところが・・・
「生まれそうですね!旦那さんは?!」
「あ、いったん帰宅…」
「すぐに呼び戻せますか?!」
1時間もたたず、旦那を呼び戻し。
自宅の最寄り駅にいたそうなので、とって帰ってきても1時間ぐらいかかる。
「では、頑張って旦那さんが来るのを待ちましょう」
とお医者さんは病室を後にした。
麻酔が入っているのはいえ、痛みは感じる。
そして、どんどん強くなる。
ところで、よく出産の痛みは”「鼻からスイカが出る」ような痛み”と言われる。
正直、どんな痛みだよ、と思うが、痛みの表現は人それぞれである。
で、私はどんな痛みだったか、というと
「すごいお腹痛いときに猛烈に中身を出したい、と思うじゃん。
あんな感じ」
病室についた旦那にどんな痛みと聞かれたときに答えた。
なので、痛みのピークを迎えると
「出したい!!」
であった。
いや、例え!その例えでいいのか⁈と私自身で思うが、こんな感じだったのだ。

その後、平均の半分の7時間で無事に出産。
身長、体重ともに正常範囲の女の子。
その時はすぐに呼吸不全で保育器に入れられてしまった我が子だが、その後の経過は順調で元気に退院した。


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