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「小春のイロイロ」第一話

第一話「中途半端なぐれー」

私の中にいる少女はぐれー色をしている。

白色でも
黒色でもない。

中途半端な色で、

地味な色なのかもしれない。



ぐれーを身に纏うと心もなんだか"ぐれー"
になる。

私は「子供」だ。と思って景色を見渡すと、
「あの頃よりは汚れているだろう」「いろんな色と出会ってきただろう」と、
頭の中の誰かが教えてくれる。

逆に「大人」だと思っていると、
「まだまだあの方のような、深くて美しい色をしていないだろう」「まだまだ子供だろう」と、
また、
誰かが気づかせてくれる。





公園でブランコに乗っている、真っ白な子供を見ると寂びしい気持ちになる。

深くて黒い瞳をした大人を見ると憧れの気持ちを抱く。

私は中途半端。
大人でも子供でもない。
黒色でも白色でもない。
この見えている世界でもっとも中途半端な存在だ。





白黒はっきりつけることも苦手だ。
どっちが好きで、どっちが嫌いかなんてない。
だって寂しいから。

 だから私は「どっちも好き」って言ってしまう。

だけど、本当は、そんな決断力のある人が羨ましい。
悩まずに直感のまま突き進むあなたの姿が輝いてみえる。





誰かが、グレーのことを、「灰色」という。

燃えてカスとなった、灰の色ではない。

あの子はぐれーだ。

この中途半端な気持ちを表してくれる、私に寄り添ってくれる色だ。

白黒はっきりつけない、だから、両方のいいところを混ぜて、優しくて味わい深い色になる。

私は、きっと、これから、色んな色と出会って、私の中に混ざっていけば、あの、深くて美しい黒色に移り変わることができる。

私はこれからどんな色と出会って
どんなふうに私の中で溶け合っていくのだろうか。

私はぐれー。な少女、

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