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好きな食べ物、嫌いな食べ物

好きな食べ物は?と聞かれたら、わたしは迷わず「牛タン」「すき焼き」「牡蠣」と答える。ちなみにこの3つは同率1位。
なぜこの3つかというと美味しいからというのは勿論だが、少食なわたしが永遠に食べられる!と思う数少ない食べ物だから。

小学校1年生の頃、自分のプロフィールを書く時間があった。
先生に撮ってもらった写真と一緒に誕生日、好きな食べ物、好きな教科などを書いて授業参観に向けて教室の後ろに飾られた。
完成したみんなのプロフィールをみて、わたしは自分が大きなミスをおかしていたことに気づいた。

「好きな食べ物」の欄には、多くのクラスメイトが「カレー」「ハンバーグ」「ラーメン」など子どもらしい定番メニューを並べている。
ところがわたしはというと、何を思ったのか『たまねぎ』と書いたのだ。
クラスメイトのプロフィールをみて、咄嗟にしまった!と思った。素材じゃなくて、料理を書くのが正解だったのか!!
慌ててわたしはどうにか修正できないか考えた。

「ねぎの部分を消して、たまごやきになら書き換えられるかも…」

幸い小学生が書く掲示物なので鉛筆で書いてある。頑張れば消しゴムで消して書き加えることができるかもしれない。でも、すでに提出して掲示してあるものを書き直すなんてしてもいいのだろうかと、小学1年生ながらものすごく葛藤をした。

結局、わたしはそれを書き換えることはなかった。
ちょっぴり恥ずかしいなと思いながらも特段誰にも突っ込まれなかったので、わたしの好きな食べ物は『たまねぎ』のまま教室の後ろに掲示され続けた。


ところが、思いもよらぬところで波紋?を呼んでいたことが数年後明らかになる。

母と話している最中、ふとこのエピソードを思い出したわたしは母にあのときのことを話した。
「小学生の頃、掲示物の好きな食べ物に『たまねぎ』って書いたんだけど、ハンバーグとか書けばよかったよね。確かにたまねぎ好きだけど、なんでたまねぎって書いたんだろう。」

すると母は「それ!」と身を乗り出した。
「お母さん、授業参観に行ってそれをみたとき、びっくりしちゃった。『え?たまねぎ?』ってショックだったのよ。」

わたしの母はとても料理が上手だ。
料理好きでいろんなものを作ってくれたし、外食もあまりしない家だったので毎日母の手料理を食べていた。母の作る料理はどれも美味しく、わたしは毎日家で食べるご飯が大好きだった。
それなのに、わたしが書いた好きな食べ物は『たまねぎ』だったのだ。母はさぞショックだったろう。

「あなたの好きな食べ物、たくさん作ってたのに、たまねぎに負けるとは思わなかったわ。」
違うんです、お母さん。とわたしは母に謝り倒した。
もちろん母は恨み節で言っているわけではない。あなた、そんなにたまねぎが好きだったのねと笑っていた。


なぜあのとき『たまねぎ』と書いたのか理由はわからない。
当時の好きな食べ物といえばハンバーグだったと思う。まだ牛タンにも牡蠣にも出会っていないし、すき焼きの美味しさにも気づいていなかったから。
もちろんたまねぎが好きだったのは事実で今でも好きな野菜ナンバーワンなのだが、王道のハンバーグを差し置いてまでたまねぎだったのか。
でも、たまねぎ、本当に好きなんですよね。




好きな食べ物の対となる「嫌いな食べ物」。嫌いな食べ物を聞かれてみなさんはスッと答えられるのだろうか。わたしはいつも考えてしまう。

嫌いな食べ物を『食べられないほど嫌いな食べ物』という解釈でいると当てはまる食べ物がない。
友だちとご飯に行く時、知人の自宅にお呼ばれしたとき「嫌いな食べ物ある?」という質問はそれを出さない・選ばないようにするよ!という意図のうえで聞いているはず。そうすると、ありがたいことに口に入れるのも嫌だ!というような食べ物がほとんどないのだ。
なので、嫌いというほどではないけれどあまり好んで選ばないという食べ物を嫌いな食べ物として呼ぶことにしている。
あとは、調理をすれば食べられるというものもあるので(例えば固形のチーズは苦手だけどピザやチーズケーキのチーズは大丈夫のような)そこを嫌いと言っていいのか?といつも勝手に悩んでいる。

ちなみに一度お土産でもらったドリアンのドライフルーツはとんでもなく不味かったが、あれが日本で日常的に出てくることはないので嫌いな食べ物にカウントしていない。でも本当にあれはダメだった。口に入れた瞬間身体が拒否した。(ドリアン好きな方いたらごめんなさい)



好きな食べ物、嫌いな食べ物ってその人を知る一番手軽な質問事項だと思う。
それを聞いて人となりが完全にわかるなんてことは決してないけれど、会話の最初にはもってこいだし、ご飯に誘ったりしやすくなるのでは。

そう考えると、わたしの3大好きな食べ物、わりと高級品だなぁ。笑
決して高い食べ物を強請っているわけではありませんので、ご容赦ください。笑

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