うたを読む/reiさん
評の練習のため、うたの日やXで気になる歌を自分なりに読み解いてみたくて、noteを始めました。
毎週とかは多分息切れするので、ぼちぼちで。
第一回は、「いつか評をする機会があれば一番に選びたい」と思っていたこの歌。
セーラーの背中にぎゅっと押し込めたいろとりどりの翼のことを/rei
https://x.com/cocoronpoporon3/status/1698187649138516040?t=QEr2kkdaoQe468SuX_p51A&s=09
この歌を初めて読んだ時、どこにも書いていないのに「夏休み直前の、カトリック系の女子校の教室」を思い描きました。違ってたらすみません💦
「ぎゅっと押し込めた」
この表現からは、彼女たちは自分に翼があることに薄々気づいていて、それでも集団の中で浮かないように、敢えて個性を押し殺すように隠しているんだろうと読みました。
薄い夏服の背中には、羽化する直前のように各々の自我が色づいている。思春期特有の弾けそうな、でもまだ子供でいたいような。「わたし」を見つけて欲しくないような。そんなアンバランスな美しさを感じます。
では、主体はどこからこの光景を見ているのでしょうか。
結句に「ことを」とあるので、過ぎてしまった日を今目の前の光景に重ねているのだと思いました。
reiさんも「子供の参観日でーーー」と書いておられたので、かつてセーラー服に翼を押し込めていた自分とオーバーラップさせ、懐かしさとともに、子の成長を喜ぶ気持ちを抱きながら、その背中を見ているのでしょう。
そして、押し込めた翼が広がれば自分の手からいよいよ羽ばたいていく。背中を押してやりたいような、でも少しだけ寂しいような。そんな親心も感じます。
この歌が好き過ぎて勝手に返歌を詠んでしまいました。
それぞれの構図で今日を切り取ってあの夏として持ちよる未来/湖春
それぞれの翼で羽ばたいた数年後、みんなでもう一度思い出を共有すると、視点が微妙に違っていて楽しいです。
やっぱりみんな「いろとりどり」なんだなぁと、また思ってみたり。
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