ビジネスのディフェンスラインの上げ下げ

最近社員に取り組むべきタスクを洗い出した上で、どれから手をつけるかを考える時に使ってもらいたいフレームワークというか、なんというかそういうものを考えている。

サッカーのピッチをモチーフにしたもので、この上でディフェンスラインの上げ下げを行なうイメージで捉えてほしい。

              |     自ゴール       | 

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For survival

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For staff

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For customer

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For society    

              |     敵ゴール       | 

ディフェンスラインは自ゴールに近い位置から

1)For survival
生き残るために必要なプロジェクトに注力するライン

2)For staff
働く人の生産性や快適さを向上させるためのプロジェクトに注力するライン

3)For customer
顧客のサービス体験のクオリティーを向上させるためのプロジェクトに注力するライン

4)For society
社会全体に対してポジティブなインパクトを及ぼすためのプロジェクトに注力するライン。

基本僕らは弱いチームであるという事が前提。

そして相手はビッグクラブだ。

目指せジャイアントキリング!

となれば、当然ディフェンスラインはそうそう上げたくても上げさせてもらえない。ディフェンスラインだけじゃなく引いて守って、チャンスがあればカウンター攻撃というのが基本戦術になる。

基本は点を取られないための防戦(For survival)を戦いつつ、一息ついたらすかさず、ディフェンスラインを上げて働く人の生産性を高めるためのプロジェクト(For staff)に取り組む、とりあえず直近の脅威がなく、働く人の生産性も相当程度高められているなら、いままで顧客に提供していたサービス体験をさらに高めるイノベーションに取り組む(For customer)チャンスが来た事になる。そして、当面実現し得る最高の顧客体験が提供できているなら、さらにラインを上げ、培った力をつかって社会全体に小さくてもいいからポジティブなインパクトを与えるためのプロジェクトに取組む(For society)チャンスが来た事になる。「ゴール」=「理念の具現化」をしなければ勝利する(存在意義が証明される)事はない。

弱いチームだから1−0で競り勝てれば良い。シュートを打つタイミングはなかなか来ないし、何回も来ない事が前提。

まず生き残るための基盤をつくり(For survival)、次に組織の生産性を追求(For staff)する。ここまでは攻め込まれている状況をどう守るかだ。

そして正しいディフェンスが出来れば、かならず攻めるチャンスがやってくる。攻めの最初はやはり直接企業を支えてくれている顧客のサービス体験にイノベーションを起こす(For customer)こと。顧客に取っての存在意義を高める事だ。ただ僕らはやはり社会に対して某か自分たちの理念の実現を通して存在意義を証明したいわけなので、それまですこしづつ上げてきたディフェンスラインを背景になんとかFor societyの位置までディフェンスラインを上げて事業活動を通じて稼ぎ出した収益をつぎ込んで「ゴール」=「理念の具現化」を狙いたい。

そしてシュートが盛大に外れたり、途中でミスや想定外の事態が発生したらまたラインを一気に引き下げてディフェンスに注力する。そうやって90分を適切にディフェンスラインをコントロールしながら戦いきってなんとか競り勝ちたいわけだ。

このフレームワークを通じて理解してほしいのは

1)ものには順序というものがある
最初からこの図で言う(For society)から取り組みたがる人が多いように思うし、顧客体験を向上させる事を、働く人の生産性の向上より優先する傾向がある気がするが、それは道理にかなっていないと思う。

2)ディフェンス!ディフェンス!ディフェンス!
リソースの少ないチームがジャイアントキリングを実現するにはディフェンス力が最大のテーマだ。実際ディフェンスに注力する(ディフェンスラインがぐっと引いている)時間帯が最も多くなる。そこで飽きず、集中力を切らさずに攻撃のチャンスを待てるか、それが勝敗を分ける。

という事で守って、守ってチャンスを伺いましょう!

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