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初日から飛ばしすぎた福井。

 僕は上毛町でのトライアルワーキングステイを前に、地元の名古屋を皮切りに様々な土地を巡りながら、目的地の上毛町へ向けて「オギーソニック2015秋」を敢行することにした。(全行程のgoogleマップはコチラ

 今回はじめての試みとして、1人の同行者、大桃理絵さんと一緒に。

 彼女は2015年夏まで長野県は下諏訪市にある「マスヤゲストハウス」という簡易宿泊施設でスタッフをしていた。16年中に自分自身のゲストハウスを開業することを心に決めて、地元である新潟へ帰郷したばかりだった。(11月にオープン予定)これまで訪れたことの無かった土地やゲストハウスを巡ったり、様々なお店や色々な人々と会うことは、きっと彼女にとって、これからの糧になると思い声をかけた。

 午後1時ごろ、名古屋で彼女と落ち合った。

 新潟から東京を旅して名古屋までやってきた彼女は、大きくて重そうなスーツケースを引きずって現れた。「実は、朝から何も食べてないんだよね。」という彼女を、名古屋駅にほど近い「喫茶ツヅキ」に案内した。

 何でも、カフェオレの提供の仕方が独特なことで有名で、エンターテイメント性に長けているらしい。息子さんに代替わりしてからというもの、エンターテイメント性が増したとか増してないとか。僕自身も初めてで、胸を高ぶらせながらそのときを待っていたのだが、実際に目の前にすると想像以上である。脚立の上から弧を描いて注がれるコーヒーとミルクで出来上がるカフェオレは圧巻の一言だった。

 「オギーソニック2015秋」の最初の目的地福井県へは、名古屋から車で3時間程度。途中、福井の次に向かう予定である京都への分かれ道を通り過ぎたことには目をつぶろう。

 福井県での宿「ゲストハウスSAMMIE’S」に着いたのは夕刻を過ぎた6時頃。オーナーの森岡咲子さんに「オギーソニックの人ですよね!」と会って早々に言われ、なんだか嬉しくも恥ずかしい気持ちに。

 きっとべろべろに酔っぱらって帰ることになると踏んで、まずは荷物を整理し布団にシーツをかけて寝床を準備した。今晩は、福井の女性起業家たちが集まって鍋を囲むらしく、去年の夏にオープンしたばかりの宿はすでにコミュニティの場として利用されていた。

 これは、オーナー咲子さんの人柄や、オープン前からの努力によるものなのだろう。

 福井県で会いたかった人の1人は、「HUGEinc.」代表のデザイナー内田裕規さん。去年の夏に僕が「オギーソニックワールドツアー」と称してアメリカ西海岸を旅したときに、ポートランドのACE HOTELで偶然知り合った。

 同じタイミングで西海岸に来ていた「メヂカラデザイン」の2人とACE HOTELの前を歩いていると、長野県長野市の「シンカイ」で出会った前田浩貴くんに声をかけられた。なんでも福井県福井市にあるコミュニティ「FLAT」の運営メンバーでポートランドに視察に来ており、僕らと同様ACE HOTELに宿泊するというのだ。

 そのときに知り合った人達の1人が内田さんである。

 待ち合わせ場所は、内田さんの事務所。

 ポートランドでの話や同行していた大桃さんの話、内田さんの仕事の話などを聞き、「白い雲不動産」代表・不動産屋の高村俊輝さんと合流した後は、福井のソウルフード「秋吉」のやきとりを食べに。すべての串を10本単位で頼むという豪快な注文スタイルで、どんな風に出てくるのか不安だったが、運ばれてきた串を見て納得。全て一口で食べれるくらいの串なのだ。タレは自分で付けるようで、ソースやからしなどをお好みで。ホームパーティなどでは、皆で100本くらい食べるというから驚きである。

 そこで飲んだお酒は、生ビール1杯、焼酎のお湯割1杯、瓶ビールを半分。

 2件目に訪れたお店は、リノベーションスクール@福井でセミナーの際にいらした「メゾン青木」の青木純さんに「福井の宝だ!」とまで言わしめた「かっぱ」という居酒屋。

 美味しいと噂には聞いていたけれど、本当に日本酒が美味しい。まず1杯目に飲んだのは、口にした瞬間「ラムネみたい」と思わず言葉にしてしまうくらい、フルーティで華やかな「白岳仙」というお酒。イカの沖漬けと一緒に出てきた肝だれが美味しくて日本酒が進み、2杯目に選んだのはスッキリとした清涼感のある飲みやすい「黒竜」というお酒。福井の郷土料理「へしこ」という鯖を塩で締め1年ぬか漬けにしたものが、最高に美味しくてさらに日本酒が進み、3杯目は「梵」というお酒を。

 このへしこの味が忘れられなくて、福井が実家の友達にお願いして送ってもらったほどだ。

ここまで飲むと、悔しいが最早お酒の味は覚えていない。

 この時点では気も確かで、酔っているとはいえ意識もあり「明日は朝風呂に行って、お昼はまたみんなでおろし蕎麦でも食べましょう!」なんて話しながら、平気な顔をして宿まで歩いて帰ったのだが、

 次の日の朝は、久々の二日酔いで温泉に行けるはずもなく、まして蕎麦も食べに行けるわけもない。

 ポートランドぶりに会う予定だった前田くんが宿まで来てくれたのだが、布団からトイレへ行き来する僕を見守るだけで、そのまま程無くして帰宅。もちろん、蕎麦を食べに行く約束をしていた内田さんにも挨拶はできず、異例中の異例で午後4時半までサミーズにお世話になり、お昼過ぎに向かう予定だった京都へは夜に向かうことにした。

 それでも、二日酔いで棒に振った1日の伏線を回収しようと、朝風呂に行く予定だった「森林温泉みらくる亭」には夕方に、お昼ご飯で食べる予定だった「きょうや」のおろし蕎麦は夜ご飯として。

 こうして最初の目的地であり、初めての福井市は、忘れられない思い出となったのだ。そして、次の目的地の京都へと場所へと車を走らせた。

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