明滅する光
ただ真っ直ぐに
遠くから地球の表層をなぞって
入り込む隙間をみつけだし
拡散して降り注ぐ

色とりどりのその光は
時にばらけてはまた混ざり
溶けて透き通ったかと思えば
自らの熱で少しずつまた焦げてゆく

僕を呼ぶ声がする
それずっと遠くからあったようだけれども
多くまぶしすぎる光がそれを追い越して
僕の視力を奪ってしまったものだから
それに気を取られて大騒ぎしていて
その声に気づかなかった

目を閉じれば驚くほど明瞭に声が聞こえて
あぁ何だこんなに近くにいたんだね
その温度も今は感じていられる
その吐息が鼻の頭にあたるのさえわかる
口づけをした時のその味が
僕の感覚を一つにまとめて
反芻するその感覚の一つ一つが
僕の全てが正しかったとそう告げる

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