歓声満つ


歓声満つ
話し声がかき消される中で
確かに伝わり
また確かめ合うこのつながりに

かつてしがみついていたものが
今は少し離れ、宙に浮き
この酔いが覚める頃には
この時を懐かしむより先に
日常の繁忙に飲み込まれていくのであるが

それでも飲み、また飲み込まれ
夜の渦に足を踏み入れ
まだ長い、夜明けまでの電灯がわりに
また新たな杯を空けてゆく

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