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ストップ・ザ・パイナポークライシス

ご無沙汰しております、T太郎でございます。久しぶりに書く理由みたいなものができ、体が赴くままにPCの前に。
書く理由というのは、2月26日に中国政府が発表した、台湾からのパイナップル輸入の停止(3月1日~)に起因する、いわば台湾パイナップルの危機だ。
ここでは、気が滅入らないようポップに、パイナポークライシスとでも名付けておこう。
小生も未熟ながら、5年以上貿易まわりの仕事をしているが、こうゆうことは起こる。とりわけ中国では。社会主義国家ならではの、判断・実施の早さ、残酷さはキレている。
ちなみに、あまり知られていないが、中国は日本に対しても一部地域の食品の輸入停止を課していて、東京電力福島第1原発事故を発端として放射性物質の影響を懸念し、福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野の10都県からの輸入を全面的に停止している。原発事故から10年の歳月が経とうとしているが、未だ大幅な緩和には至っておらず、今なお日本の貿易に影響を与えている。該当地域の生産者・メーカーにとって、規制緩和は悲願で、界隈では毎年のように「今年は習近平さんが日本に来て、中国が輸入規制の緩和をするらしい」と、根拠のない都市伝説が流れる(根拠がないのが、都市伝説か。)。小生はそれを聞いて「また新たな年が来たのか」と時の流れを感じるのである。
以上、貿易豆知識である。
こんなことはどうでもいい、こんなことは水曜日のダウンタウンのCM中に、ふと思い出したかのように家族のみんなに話してあげるくらいでいい、そのくらいの説だ。

僕が記したいのは台湾のパイナポークライシスである。話は戻るが、起こりうるとはいえ、僕もびっくりした。台湾総統の蔡英文姉さんもさぞ、びっくりしたことだろう。寝耳に水ならぬ、寝耳にパイナポーである。水よりびっくりするうえに、痛い、これは冗談ではなく実際に痛いのだ。

というのも、台湾の果物は中国への輸出依存度が非常に高い。2019年の「果物・種実類とその製品」の対中輸出額は2億811万米ドルで、仕向け地別の比率は64.6%に上る、さらにパイナップルに限って言えば2019年の対中輸出額は6,500万米ドルで、仕向け地別の比率は96.9%と、これまで台湾から海外へ輸出されるパイナップルはほぼ中国に向かっていたことになる。初めて、この事実を知った方も、どれだけ台湾にとってパイナップル中国輸入停止が痛いか、わかっていただけただろう。この話は是非、有吉の壁を見ながら夕食を食べていたとしても、TVを止めて家族のみんなに話してあげよう。

中国はこの輸入停止の理由を「昨年以降、検疫で有害生物を何度も検出したため」と説明したが、台湾は「農産品を利用した政治的威嚇」と批判している。
ここで誤解を生まぬよう説明しておくが、僕自身は中国の対応を批判しているわけではない。実際に、検疫で問題が頻発していたとしたら、何らかの対応はせざるをえないだろう、ただ、そこらへんの事実関係は誰も知り得ないので、あまり興味はない。ただ、事実として輸入停止措置が取られてしまったところで、僕が伝えたいのは、どげんかせんといかん!(13年ぶりに使った)ということ、僕を含めた日本消費者の方々がどう向き合うかということである。

輸入停止を受け、台湾ではさっそく日本への輸出拡大に期待が高まっている。蘇貞昌行政院長(首相)は「日本向けを(昨年の)約2,100トンから5,000トンに引き上げを目指す」表明した。
台湾"アネゴ"総統 蔡英文姉さん(@iingwen)は台湾南部の高雄のパイナップル農家を訪れたり、twitterで積極的に情報を発信し、購入を呼び掛けている。その甲斐あってか、国内外で「爆買い」が起こり、中国の禁輸発表から4日間で昨年1年間の対中輸出量に迫る約4万トン余りの注文が殺到しているという。恐るべし、台湾スピリット。。。このままいけば、いつの日か「台湾の主食はパイナップルです。昼夜問わず、パイナップルを口に含んでいます。」と地球の歩き方台湾版に紹介される日が来るかもしれない。。

日本側の大使館?にあたる台北駐日経済文化代表処(@Taiwan_in_Japan)も援護ツイートを続けている。ちなみにここは僕も仕事で何度もお世話になっているが、生半可な気持ちで行くと、書類をリジェクトされる(書類に不備があったのだから当然だ)厳しい愛に溢れた台湾のために一生懸命な代表処だ。

こんな風に、#台湾産パイナップルを食べよう 運動は広がりを見せている。個人的にはこういった一国の輸入停止措置ひとつで生産者の死活問題になりかねないため、とても心苦しい。また、台湾の業務もあり身近な存在かついつもお世話になっている。だから消費することで応援したい。
スーパーに行ったら、果物コーナーを見てみよう。そして、台湾産パイナップルがあったら買ってみよう、食べてみよう。
不遇な出来事ではあるが、その結果台湾産パイナップルの認知が日本で広まってくれたらいいなと思う、そして恒常的な日本への輸出が始まればいい。
日本は東日本大震災時、台湾から総額約253億円もの莫大な義援金を受けたから、その恩を返す時だ、と考える方もいる。台湾が好きだから、という方もいる。全部いい。

隣の人が困っていて、自分たちに期待している。

少しでも、この動きの一助となれば。

最後のおまけに、パイナップルレシピを共有しておきます。共感いただき、買ってみたものの、オーマイガー、ドウヤッテ、タベルンダヨーと慌てふためくことがあるかもしれません。

ちなみに、ドールのパイナップルは主にフィリピンのミンダナオ島で生産されているらしく、台湾産ではない。でも、ドールもきっとおいしいから、オススメだ。
くだらないことばっか言って、すみません。

引用:NNAアジア『果物王国に迫るコロナの影 中国依存高く、廃業続出の恐れも』『台湾パイナップル輸入停止、中国=検疫理由に』『台湾パイン、日本に期待=中国の禁輸受け多角化』
朝日新聞『パイン禁輸、台湾が「爆買い」で中国に対抗 注文が殺到』

#台湾 #台湾加油 #台湾産パイナップルを食べよう #台湾産パイナップル #台湾パイナップル #パイナポークライシス #鳳梨 #爆買い #Dole #最近の学び

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