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Grab珍道中

今日マレーシアから、帰国の途につく、忙しすぎて、たいしたトピックもなかったので、noteの下書きに1年弱塩漬けにされていたテキストを掘り起こす。

では。

タクシー配車サービスGrabをご存知だろうか?
ご存知の方も多いと思うが、スマートフォンのGPSを利用して、簡単にタクシーを呼び目的地まで送迎してくれるサービスだ。クレジットカードの登録をしておけば、決済の必要すらない。
とにかく東南アジアでイヤになるほど、これが便利。
同じようなサービスでいうと、日本ではGrabよりUberの方が有名だろう。

Uberといえば、都内でよくUber eatsと書いてある立方体のバッグを担ぎチャリで疾走しているお兄さんの姿をよく見かける。
いわゆる料理の配達サービスだ。

浅黒い肌、ハリのある短髪、
ノースリーブのTシャツから見える
筋肉のついた腕、汗だくで笑顔。

こんな人たち(かなりのバイアス)が美味しい料理をあなたの場所へ持ってくる。
おぉ、少し震えてくる。

そんなことはどうでもいいのだ(1000のバイオリン風)。
今日のお話のメインはGrabだ。
東南アジアではGrabがめっぽう強い、もうほんと最強なわけです。
UberとGrabはこの市場でずっとライバル争いを続けてきた。

一時期、本塁打王を争っていた松井秀喜とペタジーニくらい熾烈に。

だが、Uberは昨年東南アジア事業から手を引き、事業ごとGrabが買収した。

松井秀喜とペタジーニで言えば、ペナントレース半ばでペタジーニは自分のホームラン数を松井に全て預けてベネズエラに帰ってしまう、といったところだ。

そうなってしまったら、Grabと松井秀喜は一強なのだ。その他のライバルに付け入る隙はない。

そして僕はなかなかのGrabユーザーである。
ここでは昨年Grabを利用した時のことを話す。

クアラルンプール国際空港に着き、早速Grabを呼ぶ。あ、もう見つかった、とにかく早い。
中年が残尿を振り絞っている時間より、明らかに早い(残尿ってそもそも何なんだよ、その仕組み)。
ドライバーの名前はナンチャラナンチャラ・モハメッド。
はいはい、モハメッドさんね。マレーシアはイスラム系が多い国でもあるので、だいたいこの手の名前は多い。

街を歩けばモハメッドさんにぶつかる状態だ。

4、5分待っていると、モハメッドさん爽やかに登場。顔は濃いが、いかにも好青年がそのまま40歳くらいになった感じ、これはアタリかも。
ちなみにGrabではドライバーは選べないため、たまに道に詳しくない人にあたったり、チンタラしているヤツとまれにあたる。

僕らのスーツケースを軽々とトランクに収め、親指を立て白い歯を見せ、グッ。
おおお、良いやつかも〜。
さぁ、行こう、さぁ、行こう、我々のホテルへ。

そんなこんなで、幸先のいいスタートであった。

こうゆう場合だいたい車中では、お前らはどこから来たんだい?話がまず繰り広げられる。

モハメッドさん(以下、モ):君らはどこから来たんだい?
僕:日本から来たよ。
モ:そうか、そうか、いやどうも見分けられないんだ。
僕:中国人と、か?
モ:いや、えーと、、
僕:韓国人か?
モ:ああ、そうだ!コリアンだ!僕らの国に中華系はいっぱいいるから、わかるんだけどどうも日本と韓国は見分けられないんだ。
僕:へぇ〜。

お気づきかもしれないが、僕の塩対応。
この手の話題には心底飽きている。

ここまで聞いて、えっ、Grabも結局運転手さんが話しかけてくるの?と思われたそこのあなた。
心配ご無用でございます、僕の経験上最近のGrab運転手は話しかけてくる方が稀です。
つまり、モハメッドがおかしいのです!

もちろん、お話好きな方は相手の言語で会話することだってできます。

さて、ちょくちょく垣間見える、モハメッドのお調子者感。

しっぶい顔をして、グーグルマップを眺めるモハメッド。なんだか、行きつけの店すぎて、頼むものが見つからないときくらいの表情。

たしかに、モハメッドの眼下に広がっていたのは、グーグルマップ上に果てしなく張り巡らされた赤線だった。
渋滞で車が動かない。

チッチッチッチッチッチ、
何かモハメッドが考えている。

パッ、
何かを思いついた様子。

あまりのブレイクスルー感に、彼の頭の上に電球がピカッと光るのが、僕からでも見えた。

モハメッドは意気揚々と口火を切った。
回り道をするね、これで渋滞は回避できる(キラッ)。

相変わらずの白い歯、お前はクリアクリーンかなんかの広告塔か。

よーし、じゃあ回り道お願いしまーす、任せたよ。

渋滞を切り裂いて、勢いよく走り出したモハメッド号。


時間にして、30秒後、どん詰まりである。

こんなことある?笑
渋滞回避して、渋滞って。

あり得ない、と言わんばかりに、厳しい視線をグーグルマップに向け、無言の圧力をかけるモハメッド。
肩が震えている。。

松井秀喜も、ペタジーニも、びっくりの大空振りであった。

何がどうなって、彼が会心のひらめきをしたのか、誰も知る由がない。

これもまた、Grabの醍醐味だ、と言えるような心の大きな人間になろう。

Let’s enjoy grab.

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