IDEO CEO ティム・ブラウンの採用基準をまとめた記事が、ちょっとしたウィットがあって面白く感じたので抄訳して紹介したい。

IDEOの成功の秘訣は、賢く才能に富んでいるのみならずエモーショナル・インテリジェンスに秀でた人材を採用していることにある。私たちは、飽くことなき好奇心、抑えきれないほど強い楽観、深い共感能力を備え、仲間たちとうまくっていけるような人物を求めている。孤独主義者の天才はご応募無用なのだ。私たちが求める人物に共通する、特に重要な資質を5つ挙げたい。

第1に、彼らは自分の業績、達成を説明する際に、一人称を単数（わたしは）ではなく複数（わたしたちは）で語る。同僚への賛辞を惜しまない人物は、チーム・プレイヤーであり、またフィードバックを受け止める能力を持っている。

第2に、彼らは自分の失敗を語ることができる。何か新しいアイデアを具現化しようとするとき失敗はつきものだ。失敗からどう立ち直り学ぶのかで、その人の真の資質が試される。「成功を早めるために失敗を重ねろ」ということだ。

第3に、彼らは学ぶのと同じように教えることに時間をかけている。MBAなどの学位を納めていることは勤勉さや専門的技能の高さを示す。教育活動への従事は、他者の成功にコミットする姿勢のあることを意味している。

第4に、彼らは受付担当への対応がナイスだ。面接が終わったら、受付で対応した人に、候補者が来社時にどんな風に振舞っていたか聞いてみよう。彼らは受付担当に対して丁寧で友好的だったか、あるいはぞんざいな扱いをしたか？エンパシーの有無や程度を確認することができる。

最後に、彼らは職務経歴書を送る以上のことをしてくる。自分の能力や情熱をしめすために、創意工夫し、一歩進んだことをやってみせる。ビデオ・ポートフォリオを作ってきたもの、カスタム・アプリケーションをデザインしてきたもの、中には、即席のDJセットよろしく、ダンシング・ロボットをつなげたターンテーブルを持ちこんできたものもいた。