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メトロポリタン美術館から学べる空間演出はなにか?

マンハッタンの中心に位置するセントラルパーク。その中にあるのがメトロポリタン美術館。


 
美術館は長い歴史を持つので、つぶれずに長く続く理由がたくさんあると思っている。気づけないような無意識に訴えかけてきているものには気づけないけど、入って回ってみて面白いし・真似できるという仕掛けがいくつもあった。
 
 


エントランスは特別豪華で大きいとかではないが、料金設定が少し独特だった。観光客は年齢によって一律だが、ニューヨークに住んでいる人の料金は自分で決められる。一応大体これくらいという基準は書いてあるけど、前に並んでる女の人は1ドルをずっと握りしめて並んでいた。
 
この値段設定だと、ニューヨークに住む人はたくさん芸術に触れることが出来て、芸術リテラシーが上がり、それは次の世代にも受け継がれる。20年単位で見たら損しているような気もするけど、200年単位で見たら美術館を続けていくのには必要なシステムなのかなと。芸術に興味のある人が多くい続ける限り美術館はなくならないし、富裕層は多くのお金を払って入場することも出来る。
 
日本には根付いていない文化だけど、富裕層が多めのお金を払うという文化は確かにあって、チップ制度がまさにそう。お金のある人からお金をもらうという意識は今後確実に必要だし、それにはその文化を作ることが必要になると思う!
 


この中は書斎みたいな空間で、そこの入り口が天井高低めで奥行きが1.5メートルくらいの結構狭めな入り口になっている。
この入り口があることで中に入った時に開放感が生まれ、大きな空間に感じさせることが出来る。これは簡単に応用できて、ホテルのエントランスでも部屋でもうまいこと組み込むことが出来ると思う。
 
階段は上の段と下の段が少し被る形式。これは日本でもところどころあるが、この形だと一気に高級感が出る。普段見慣れているものと少し変えるだけでそのポイントが非日常になり、そのこだわりに高級感を感じるのだと思う。


 
 
美術館の鑑賞エリアは基本的に薄暗いのだが、急にこの明るい空間が現れる。空気感が一気に変わり一段落する気持ちにさせられる。ここにカフェがあるのは見事で、何か鑑賞とは違うことをした方がいい切り替えポイントになっていた。


廊下の高さが左右非対称になっているのも面白くて、ここを通過してからお土産屋へGO!!


【入口】
ここでもまた狭い入り口から中はお土産屋とは思えない広さのショッピングゾーン!この右奥にもまだまだ広がっています。


【お土産の中】
 
 
メトロポリタン美術館はかなり広くて展示品も多いので、到底回り切ってすべてを堪能した気持ちにはなれません。それぞれの説明文を読んでたりしたらなおさら。
 
ここで人は、この不完全燃焼感をお土産で満たそうとします。美術館で完全に満足しきれているのか不安なので、記憶に残すために無理やりにでもお土産を買うという訳。このお土産購入までのルートのデザインはかなり大切で、不完全燃焼感が購買意欲を上げるというのは面白い検証結果でした。もっと精査していく必要はあるけど。
 
ここで面白いのが、入場料が高ければ高いほど満足感を埋めるために購買意欲が上がるだろうということ。これは推測ですが、1万円で30点の満足感を得た人は追加で5000円のお土産を買ってそれを50店に上げたくなる。1万5千円で50点の方が割合的にはよいので。
 
でも一番重要なのは、満足感を感じられていないのが自分のせいであるということ。舞台で満足感が低くてもお土産は買わないので、自分の知識と時間がなくて美術館を理解しきれなかったと感じていることが絶対条件。ここはホテルに落とし込むのは簡単ではなさそうですが、応用させてみる価値はありそうです!
 
いやぁ、やっぱり長く続くものには理由があるんですね。
 
#メトロポリタン美術館 #開放感 #ポイント  #購買意欲

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