そこに、確かにあった

同僚が、残業仕事をしながら口ずさんでいた曲、頭の中で一瞬ぐるぐる回ったのだが、すぐに分かった。この曲だった。

この曲が発売されたときは全く興味がなかったのですが、大人になり、恋をしたり、クズなことをしたりして様々な人と出会い、別れを繰り返した。

そんなとき、ある人からこの曲の歌詞の意味を語られて興味をもった。


「存在はこれから見えなくなっても、私は存在するんだ」

「雪になって溶けるのではない、降り積もるんだ」

というコトバを残して。


私の前からその人はいなくなってしまった。楽しい時間をたくさん作ってくれた人だった。

歌というのは、性でしょうか、その言葉や音を聞くとその時のことを瞬間的に思い出す。数分間、仕事が手につかなかった。

帰りの道、口ずさんで、風を切って自宅までの道、走った。


確かに、そこにあった。私。