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河野宏子 過去の作品

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詩集を作るにあたって、過去の作品をこちらにまとめていきます。 古いものだと、もう15年ぐらい前の作品もあり少し恥ずかしいですが 今は(照れ臭くて)書けないものもあります。若かった… もっと読む
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記事一覧

詩集:お父さんのバスタオル

目次 フルーツゼリー お父さんのバスタオル おみやげ 軽トラ 雨にも負けズ ロード 父と娘 トロ…

りぼん

夫と息子が寝静まった午前三時 これを書いている 息子へ どうしてもきみに伝えておきたいこと…

この子に呪いをかけないで

25歳のわたしを毒りんごで眠らせたのは 40歳のわたしでした 憎かったからではなく 憐れみか…

綿毛

最初の一行、が書けなくてためらう。何度も書いて消して、やっぱりこんな書き出しになる。 今…

国道

夏休みになると 自転車で旅に出る男の子たちがうらやましかった 大きな国道沿いの集合住宅から…

ニシヤマ ガンパウダー ショップ

ねずみをくわえたわかりやすい猫が路地へと 走ってゆく。天満の商店街は雨で湿気たりしない。 …

ヒア・ゼア・アンド・エブリウェア

くたびれた頭を枕にあずけて 今日をほどいていく 僕の一日の終わりに ながれはじめるイメージはいつも同じ 恋しいひとの部屋までの家路 急な坂の上、五階の角の窓、 高みに近づいて行く僕の足 坂道の引力 眠気が手伝って また帰れないね 始まってしまった旅はまだ ずっと長く続くから きみの窓辺の青い花がまだ うなだれないよう祈りながら眠るんだ 昨日の街で出会った老人は言った、 「花は早く枯れたがるものだ」 だとしたら僕はきみの窓辺の花ほども 時間の重さを知らないのかもしれない (こ