詩|蜜
愛憎っていうけど
憎しみは愛の一形態ね
それはそうと
今日のお医者さまは
わざと重々しい表情をつくって
「ここが折れてしまっています」と云ったの
見るとあたしの骨のレントゲンは
尻尾のあたりが欠けていて
だからあたしも驚いた、ふりをした
これは悪魔だったころの名残り
口角だけをあげて笑う
この詩のタイトル、
罰にしようかと思ってたけどやっぱ変えるわ
あなたの周りにいる女の子たちって
みつばちみたいでかわいいわね
花の香りを嗅ぎつけて
特殊なダンスで伝え合う
顔も知らない女の子たちの
たくさんの嫉妬が あたしの尻尾を折った
あんまり痛くはないの
むしろ
あぁこれは言わないほうがいいかしら
はちみつはゴルゴンゾーラにかけるのが好きよ
分け合うなんて性に合わない
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