「生き残ること以外に価値がひとつもない社会」で、

"死者──われわれの死者──は、もはや埋葬の権利すらない。

大切な人の身に何が起こったのかさえはっきりしない。

近隣の人間関係は消去された。

教会がこの件について沈黙しているのは興味深いことだ。

どれほどの期間つづくのかも分からぬまま、こんなしかたで生きることに慣れてしまった国において、人間関係にいったい何が起こるだろう。

生き残ること以外に価値がひとつもない社会とはいったい何だろう」。"

- アガンベン

"思想としての〈新型コロナウイルス禍〉"(河出書房新社編集部 著)より

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