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旅27-Tree of Life

1ヶ月ぶりにイスタンブールに帰ってくる。帰るのは日本へだけではない。
空港で夜明けを待って日本人宿Tree of lifeへ。管理人さんと再会する。昨年12月も滞在した宿へ戻る。勝手に第2に我が家と感じ、戻る場所と迎えてくれる人がいること、それが異国であり組織でも利害関係でもない場所であることが幸せだ。

noteの題名が宿名になったイスタンブールではあるけれど、イスタンブールは見所が多いファンタスティックな町である。おそらく、世界一と言っても過言ではないだろう。ブルーモスクやアヤソフィアだけでなく、モスクは多数&巨大だ。

イスタンブール以外にあったら、町の一大名所になりそうな物ばかり。グランバザール、スパイスバザール、ヴァレンス水道、地下宮殿。湾岸のイェニ・ジャーミー、ガラタ塔。塔からの眺めは素晴らしい。オッドアイの猫もいる。

トルコフットボールリーグは熱い。立ったまま、凄まじい音の嵐。
ボスボラスクルーズ。終点では黒海が見渡せる。

結構まわったなあ、と。けれど、トータル8日間でこれくらい。毎日を驚きと興奮で満たしてくれるのがイスタンブールの幅であり深さである。

街から宿へ戻りゆっくりしている時間も、何より夜が楽しい。昨年末も、戻ってきてからも、メンバーが違えど楽しい時間。何が楽しいか。例えば、旅の情報交換。意気投合したり行き先が同じなら、共に行動したりもする。先にその街に入った人は後から来た人に情報を伝え、時には情報ノートに有益だと思うものを記す。そんなものばかりではない。例えば、超個人的な趣味について。誰かのちょっとした一言がどんどん話を斜めに展開し、いつの間にかただのバカ話になっていたりする。観光や旅の準備に疲れたら一日中漫画を読んでいても良い、好きなだけ。昼夜逆転している人も多いけど、昼間寝たいのに騒がしかろうが眠りに落ちることができるのがシニア・バックパッカーの能力である。
夜ふと起きてリビングに戻ると何人か起きている人がいて話をしている。漫画の次の巻を開き読み耽っていると酒の入った旅仲間たちがどことなく含みのある会話をしている。この雰囲気。この後、告白タイムが始まった。後押しする者、心を見透かされ促される者、まあ聞いてあげようかとゆっくり待つ者、そして漫画と現実を半々でいる僕。

トゥリーは管理人さんも一定期間滞在する旅人だったりする。ふんわりゆるい。でも、立派に成り立っている。束縛もない。だからといって、何をしてもいいわけでもない。日本社会が持っている過剰なサービスやつまらない風習がない。だから心地いい。
ここに来る旅人は、そんな日本の一端が合わない人ではないか。当然と言われること。でも、実は必要のないこと。そんなことから離れられる生活な場所が海外の日本人宿であり、“トゥリー”なのではないか。

いやいや、そんなひとつの定義みたいなもので表現できない場所、それが魅力なのではないか。こうやって考えていること、まとめようとしていることがどんどん無意味なことに思えてしまう。理屈や因果でなく、そこにその時あるものをそのまま感じること、そんな日々がなんともいえず、イイ、のである。

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