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究極のマーケティング、N=1分析とは?

さて、前回投稿したこちらの記事に続いて、またまた読書感想文記事です。
今回はこちら「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」。

今回もマーケターなら絶対読みたい本。私はオツムがよろしくないため、一回読んだだけでは理解することができずでして、何回か読み直して(そしてすぐ忘れ)を繰り返してます。今回も重要なところだけ抜き出して要約します。
著者はP&G、ロート製薬、ロクシタンジャポン、スマートニュースにて一貫してマーケティング畑を歩でおられる「西口一希」氏。大手企業のマーケターとしてゴリゴリに結果を出してこられたすごい人です。

N=1分析とは?

著者が本書で提唱している考え方の1つは「N1分析」です。N1とは、たった1人の顧客を深堀し、そこで得られたアイデアから他の多くの人にも響く商品開発や訴求方法の立案を行う方法です。マーケティングの世界では、N1000(1000人)のような複数サンプルを使った顧客調査を行って新しい商品の開発や広告訴求の方法を考案することが多いです。しかし、多くの顧客を対象とした調査を行った際に得られる結果はあくまで平均値であり、最大公約数でしかなく、顧客の平均値から見えてくるアイデアは妥協的なものであり、利益の出ない商品を作り出すことになると本書では説いてます。平均値の顧客像で考えるよりも、目の前にいる具体的なN1の顧客を考える方が独自性の強いアイデアが生まれるものなのだと。

顧客ピラミッド

さて、N1を導き方はということですが、まずは「顧客ピラミッド」というフレームワークを使って、ビジネスの対象とする顧客を5つに分解してみましょうと。そうすると、①ロイヤル顧客、②一般顧客、③離反顧客、④認知・未購買顧客、⑤未認知顧客に分類することができます。この辺りは説明せずともイメージつきますよね。図のように上のファネルから下のファネルにかけてロイヤル〜潜在顧客になります。
ちなみに「パレートの法則」といって上位20%(ロイヤル顧客層)の顧客が売上の80%を生み出していると言われています。


9セグマップ

そして、先ほどの顧客ピラミッド分析を応用したものが「9セグマップ」です。「顧客ピラミッド」から認知の有無、購買経験の有無、購買意向の有無を深堀したイメージです。
顧客ピラミッドや9セグマップを通して得られるのは、顧客の全体像と各セグメントの構成比です。それに加えて、各セグメントにおいて、顧客が自社にどのような心理を持ち、どのような行動をしているのか、といった仮説も得ることができます。

ここでn1分析

しかし、これらの分析では具体的な打ち手につながるアイデアを得られるわけではありません。アイデアを得るためには、各セグメントにおいて特定の顧客に話を聞くN1分析が必要になります。
例えばロイヤル顧客であれば、1人に絞った実在する顧客に対し、ブランド認知・使用意向・購買意向を持ったきっかけを時系列で聞き、掘り下げます。その時に先程の9セグマップとN1分析を組み合わせることで、マーケティングアイデアの発見と施策効果の検証をより効果的に行うことができます。


N1としてサンプリングするセグメント例

積極ロイヤル顧客:「自社の商品を頻繁に購入してくれていて(売上貢献が大きい)、次に買うときも自社の商品を選ぶと思ってくれている人」

消極ロイヤル顧客:「自社の商品を頻繁に購入してくれている(売上貢献が大きい)にも関わらず、次に買うときは他社の商品を選ぶ/カテゴリー自体の購入を止めようと思っている人」

などなど…

この2人から得られる顧客理解が全く異なるでしょうし、そこから産まれるアイデアも全く異なります。そして、N1の顧客がロイヤル化した経路を一般化し、同じような体験を促す施策を実施していきます。


いかがでしたでしょうか?
顧客の全体像だけを見てもなかなか良い打ち手が見つからないがちです。また社内での施策の目的を明確化&認識統一したいと日頃から思っているマーケターも多いかと思います。そんな時は今回紹介したフレームワークで改めて顧客分析をしてみると、何が必要で、何をすべきか。というのが洗いだすことができます。日頃からの顧客理解やインサイト発掘からのメディア戦略として活用できるので、私もスマレジのユーザー分析にさっそく活用していこうかと思います!


最後にいつものインフォメーション

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