400字前後エッセイ/2/おすもうさん

おすもうさんって面白い言葉だなと思ったんですよ。選手が競技名+さんで呼ばれるパターン、意外と他になくないですか。サッカーさんとか水泳さん、マラソンさんとか言わない。呼ぶならサッカー選手とか、あとは英語でスイマーとかランナーとかはありますけど、日本語で競技名呼びなのは相撲位なのでは。しかも丁寧におまで付いてる。やっぱり古くから親しまれてきた国技だから選手の呼び方にも親しみがにじむんでしょうか。あと一目で即何の競技者か分かるインパクトも、競技そのものを体現する者として「競技さん」呼びを自然なものとしているのかもしれない。
そして別の呼び方、力士もすごい気がしてきた。力士。策を講じる人が策士、弁護する人が弁護士、紳(おおおび)を締められるほど立派な人が紳士、そして力のある人が力士。力士だけなんか違う。もしかすると相撲が生まれた頃はフィジカル力の発揮しどころが相撲くらいしか無かったからそうなったのか。待てよ相撲取りは英語でパワワーになる可能性もあったのか。まだスモウレスラーで良かった。
と言うことを台所で蛇口から出る水がお湯に変わるのを待ちながら考え、無事にお湯になったのであとは無心で皿を洗った。