日記 2023年1月20日

 最近、何かを書くことから遠ざかりすぎていたため、日記を書くことにする。

 夜、妻がアルバイトから帰って来たタイミングで仕事も終わりに。夕食は生姜焼き。美味しい。お互いに今日の出来事を話す。妻は今日、酒屋に買い物に来た高齢のおばあさんから「たくさん買って重いから、家まで届けてくれないか」と頼まれ、一緒に歩いて自宅まで荷物を持っていってあげた、とのこと。おばあさんの家の向かう道中、夕焼けが綺麗だったので、「ほら、夕焼けが綺麗ですよ」と言ったが、おばあさんはあさっての方向を見て夕焼けを探していた、という。初対面のおばあさんと歩きながら夕焼けを見る、という体験がなんだか羨ましい。僕は一日中PCと向かいあって仕事をして、外を見るといつの間にか真っ暗。たまには空の色が変わっていく様子を見なくてはいけないな、と思う。時間をかけてゆっくりと変化していく何かをじっと見つめる、ということがしたい。

 夜は大林宣彦監督の『姉妹坂』を観る。傑作と珍作の振り幅が大きな大林監督だが、この作品は珍作よりの平凡な作品という印象。意味わからん展開にツッコミを入れながら見ていたが、背景には監督の重要なテーマがあることに気がつく。
 大林監督がずーっと言っているのは、映画は虚構である。ということ。そんな嘘から真実が出るのが映画なのだ、と。血のつながっていない四姉妹という、嘘の家族によって真実の愛を描こうとしたのだろう。また、孤児院から引き取ったというエピソードから、戦争の影もちらついて見える。物語の後半から、死や別れという重々しいテーマに移行していくのも監督らしい。

 『姉妹坂』鑑賞後、You Tubeで以前大林宣彦監督が出ていたとある番組を観る。2003年頃の番組で、9.11のことや戦争のことを話していた。あれから世界が変わった。映画も変わった、と。僕たちは映画の持つ力を信じなければいけない、と。3.11後もこのような発言をしていたが、この人は徹頭徹尾、言っていることが一貫している。凄いことだと思う。

 一週間疲れたのか、布団に入るとものすごい眠気の波が襲ってくる。『百年の孤独』の続きを読もうと思ったが、断念。


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