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春恒例のビッグイベント「アジアの未来」を考える 分断は望まないという声を傾聴する

恒例の日本経済新聞社の春の大型イベントである「アジアの未来」が開催中です。ご意見番の代表格の一人が、シンガポールのリー・シェンロン首相ですね。

詳細については、くれぐれも同新聞社の報道をご確認ください。
シンガポール首相官邸から、リー・シェンロン首相のスピーチが紹介されていますのでここではさわりだけ。


リー・シェンロン首相は、ご承知の通り、建国の父であるリー・クアンユー元首相の長男。お二人は、あまりに似ていないなあ・・・と思っていましたが、今回、いや、かなり似てきたなあ・・・と思ってしまいました。年を重ねると、自分の親、はたまた祖父母にどこか似てくる気がしますが、DNAなんでしょうかね。

さてスピーチの内容は、さすが、ASEANきっての国際派の国(以下参照)。バランスに配慮した素晴らしい内容でした。

ほんの少しだけ、内容をご紹介すると、直前にバイデン大統領が訪日して、インド太平洋経済枠組み「IPEF」への関心が高まる中ですが、ASEANにとっては、米国も中国も重要との主張はこれまで通り一貫しており、他方で、米国離脱後のTPPを存続させた日本を評価。今のウクライナ危機で欧州の連帯が強まっているのを引き合いに、アジアの連帯を求めました。

さらに、Q&Aでは、相互理解のためには、教育の重要性にも言及していました。

ポイントは、米中による分断を求めず、双方とも大事だという点でしょう。米国主導の「IPEF」にも中国主導の「一帯一路」にも賛同しており、周到に全面的に配慮しながらも、あくまで中道を貫く、それしか選択肢はない・・・そのように私は理解しました。

私の知人のシンガポール人の大学教員も、「No Choice」という言葉をよく使っています。米中は選べない。どちらも向き合うしかないのだ。そういうことです。中国系住民が7割を占め、英語が公用語。そういうお国柄です。

アジアの未来は、超大国の力を借りなければならないことは論を待ちませんが、それでも当たり前ですが、アジア自身が決めていくべきでしょう。
アジアの声を傾聴することが、その一助になるのではないでしょうか。

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