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アルゼンチンについて思う事、WCが経済面でもプラスに作用することを願う

アルゼンチンWC優勝おめでとうござます!
大激闘、前半でもう勝ったと思いましたが、後半、まさかのフランスの追撃
延長後半、もうダメ押しのメッシ選手の1点と思ったら、まさかのエムバペ選手の同点PK、最後、PK戦までもつれてのほんとうに大激闘・・・
最後の最後はフランスの追撃を振り切って、見事な優勝!
メッシ選手は、名実ともに伝説のスーパースターに!
36年ぶりなのですね。あのマラドーナ氏が存命だったら、本当に身体全体で喜びを爆発させていたんだろうなあ・・・と想像します。

これだけの偉業、しばらくはお祭り騒ぎが続くのは当然ですし、これから南半球は夏の季節。素晴らしい夏になりますね!

そういうアルゼンチン、18年も前なのですが、政府機関勤務時代に1度だけ出張したことがあるのです。え?、アジアリサーチの人なんじゃないの?その通り、私の専門はアジアリサーチなのですが、日本と南米の関係強化にアジア専門家として呼ばれて、その一環でアルゼンチンにも行く機会があり、ブラジル、ウルグアイも訪問しました。

あちらの商工会に記録が残っていました。

2 de diciembre de 2004

Reunión con directivos de la Japan External Trade Organization (JETRO)

Experiencia de JETRO en promoción de comercio exterior e Inversión y mensaje a los países latinoamericanos

Teiji SakuraiDirector Presidente de JETRO Sao Paulo

La economía china vista desde Japón y el know-how de negocios con las empresas chinas

Koji SakoDirector Alterno de la División de China y Asia del Norte, Departamento de Estudios de Mercados Extranjeros de JETRO Tokio

Significado y previsión del Acuerdo de Asociación Económica Mexicano-Japonés

Masayuki KawashimaDirector General de JETRO México

El área de negocios del Este de Asia y el esfuerzo de Japón para la asociación económica

Kimihiko InabaDirector General de JETRO Buenos Aires


フライトは、ランチリ航空がディレーして、成田から着いたロサンゼルスで16時間ほど足止めされたこともあって、航路はかなり調整されたようで、ロサンゼルスから最初に着陸したのがペルーのリマ。そこで、シニアの方々は、ナスカの地上絵などを見学されるのでしょう、かなり降りて行かれました。

次に、着陸したのはチリのサンチャゴで、アンデス山脈が空港の真横にドーンと横たわり、イメージは、ずっと、富士山が連続して並んでいるような想像を超えた山々でした。

もうくたくたで、空港でシャワーを浴びて、そこでさらに乗り換えて、51時間かけてようやくブエノスアイレスへ。そこは、どこをどう見回しても、ヨーロッパの街でした。実際、今でも、南米のパリと言われています。

しかも、街の人はほぼ全員白人系。ところが、スペイン系という訳ではなく、イタリア系が半分近いということで、実際は欧州の様々な国から来てはいるのですが、ざっくりぱっと見ですが、スペイン人×イタリア人÷2=アルゼンチン人であることを初めて知りました。お世話になったのも、マリア―ノさんとイタリア系でしたし、訪問した地場の電炉メーカーもイタリア資本との関連が深かったのでした。

人もいいし、ステーキの食肉文化で、水も飲みも物もよく、豊かな国・・・、私はスペイン語は皆目わかりませんが・・・そんな印象でしたが、経済界・学術界の方は英語は堪能で、少なからず日系移民の方もおられました。

ですが、当時からアルゼンチンは、経済面ではちょっと、いやかなりの問題児でした。その一因は、1990年代後半のアジア通貨危機とも前後して、通貨危機に見舞われ、その結果、ドルペッグだった通貨が、変動相場になって暴落、対外債務を払えなくなったことにありました。

アジア諸国は、アジア通貨危以降、弱くなった通貨を活かした輸出振興やIMF管理下の財政引き締めで、なんとか、危機を乗り越えたのですが、アルゼンチンは、農業大国ということもあって工業化が進まず、かといって、ブラジルのように鉄鉱石や海底油田などの突出した天然資源には恵まれず、結局、対外債務を返せず、国際金融界から、信任を失った状態が続いています。

国民もまた、自国通貨を信用しなくなり、何かある度に自国通貨を米ドルに換金してしまうようになります。そのため、輸入インフレが起こりやすく、他方で、政府は為替管理のために、表面的には外貨への両替を厳しく規制、それを回避すべく、富裕層やインテリ層が、スペイン、イタリア、さらには、南米の近隣国に離脱することが起こっています。

最近の、同国の経済詳細については、在アルゼンチン大使館に勤務されている、こちらの園田氏のリポートに詳しいです。

https://www.mof.go.jp/public_relations/finance/202202/202202m.pdf

足元で世界的な食料高、さらに、いずれは奪い合いになりそうな水資源も豊富で、ブラジルと並ぶ南米の雄ですが、工業化ではブラジルに軍配、どうも経済は低空飛行が続いており、国民生活は厳しいままのようです。

結局、アルゼンチンは、対外債務問題の解決ができないまま、民主国家との折り合いは良好とはいえず、権威国家のほうに近づいている感もあります。

今回のWCでは、アルゼンチンからカタールに6万人が応援に詰めかけたそうですが、経済不振で、年間100%ものインフレの中、サッカーだけが唯一の希望で、私財を投げうったり、帰りの飛行機代が出せないかもしれなくても、最後まで応援した方もいらしゃったのだとか。

日本からは一番遠い国の一つ。
200万人以上とされる日系人を抱えるブラジルに比べると、アルゼンチンはサッカー以外では注目されることは多くありません。

国際金融界では、借りたものは返さないと、前進しないのは事実です。

ただ、今回のWC優勝で、アルゼンチンの評価が上がったことは間違いありません!そしてなにより、やれば俺たち、私たちはできる、世界一、しかも、最後の最後にあれだけの激闘を世界に見せた意味は、かなり大きいように思えます。

そもそも、豊かな大農業国であり、SDGsの時代、もっと注目されてもよい国なのです。

繰り返しになりますが、借りたものは返さなければなりません。今返せなければ、将来返せるように、力をつけていかねばなりません。それでも、WCを機に、同国への世界の関心が高まる気がします。
まずは、私自身が同国への関心を高めていきたいと思います。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/cs_america/ar/ar_2107.pdf

おめでとう!アルゼンチン!世界一!





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