見出し画像

《第10回SCCしずおかコピー大賞 独りごと反省会。》 vol.60

課題6:令和の静岡県につけるキャッチコピー
・何でもある! が 悩みの静岡県

ついに最後の作品になりました! そして、今週末の土曜日に第11回SCCしずおかコピー大賞も〆切が訪れます。たくさんのご応募お待ちしています。

毎年、しずおかコピー大賞の応援事業として、大学や専門学校に出向いての授業「コピーの学校」出張教室を行っていましたが、コロナ禍の影響や広告関連の学科の縮小などもあり、私が担当している学校での開催が流れてしまいました。(溜息)

しかし、です! この状況を裏返してしまえば、例年よりも学生の参加が減るということで、一般の方のファイナル進出率や入選率も上がるのではないかという期待もふくらむわけで・・・。(ニヤリ)

このチャンスを生かすも殺すも応募者次第。チャンスを生かすべく、一つでも多くのご応募を期待しています!

それでは、最後の批評に入ります。

画像1

この作品には全角アキが入っています。改行を伝えたかったのだと察しますので、改めて書き出してみます。

何でもある! が
悩みの静岡県

作者は何を書くべきか悩んだ結果、その悩みを源泉にコピーを書いたのでしょう。「多すぎて絞れない」というデメリットをメリットに変換する、「コピーの学校」ではおなじみの基本メソッドを使っています。

読後、このままだと平成止まりかな、という感想を持ちました。

平成までの静岡県は、まさにこの状況。日本一を誇る数々の産業や農水産物があるにもかかわらず、常に富士山とお茶だのみ。強気にならない煮え切らないところもまた、静岡県らしいと言えそうです。(苦笑)

そこで、改元です。新しい時代に、新しい静岡県像をいかに描くか?! という課題に対して、時間軸に照らしてコピーを読んだとき、一秒も未来を語っていないことに気づきます。どちらかと言えば過去形のニュアンスすら感じられる。この意味からも、入賞の域に及ばなかったのだと思います。

作者へのアドバイスとしては「課題意図を読むこと」。これに尽きます。

書くことは、読むことから。
課題意図には、

令和という元号にもすっかり慣れてきましたが、やはり時代の節目は新しいことを発信するチャンス。令和元年の今だからこそ、新しい静岡県を考えていただきたいと思います。これからの時代にふさわしい、静岡県のキャッチコピーを募集します。
出典:SCCしずおかコピー大賞HPより

と、書いてありました。
「新しい静岡県を考えていただきたい」と書いてあるのですから、意図を読み込んで、応募前に推敲し、意図を満たす内容であるのか? ないのか? 検討してくれていれば。ファイナリストに入っていただけに、ちょっと残念です。

意図には、コピーを書く前に留意しておくべき内容が書かれています。

タイトルだけでは絞り切れない課題であっても、クリアすべき方向が示されていますから、タイトルだけで書くときよりも解決策を拾い上げ易くなり、より容易にコピーを書くことができます。そうなれば課題ごとの負担も減り、複数の課題をクリアし易くなり、さらにファイナル進出率も上がるはず! ケアレスミスを減らすためにも、外れないコピーを書くためにも、意図の読み込みを忘れずに行って欲しいと思います。

本日を入れて、〆切まで残り6日。審査員が唸るコピーをお待ちしています。
(あとがきは、後日。ということにしておきます。)

※コピーの版権・著作権等の使用に関する権利は、静岡コピーライターズクラブに帰属します。
https://shizuokacc.com/award/

この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?