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ビジネスパーソンがGWに読むべき本〜メルカリCEO山田進太郎さんに薦められた7冊〜

拙著「THE TEAM 〜5つの法則〜」が発売2週間で5万部を超え、Amazonビジネス書ランキングでは3週連続1位になりました。

「THE TEAM」の帯にはメルカリCEO山田進太郎さんから素敵な推薦文を頂きました。

この本を読めば、私たちがいかにチームを知らないかが分かる。『チームの法則』を知れば、それだけで突き抜けた場所に行ける。

実は、「THE TEAM」を書き始めた頃から帯は進太郎さんにお願いしたいと勝手に思っていました。

それは僕自身が進太郎さんに薦められた本に影響を受けてきたからです。

進太郎さんは、極度の人見知りかつ出不精な僕が(汗)、二人で食事に行く数少ない先輩です。

あれだけの成功を収めた起業家であるにも関わらず、1ミリも偉ぶることなく、いつもビジネスに関する色々なことを教えてくれます。

そして、僕は進太郎さんと食事に行った時には必ず「オススメの一冊」を聞いてきました。

進太郎さんは読書家で、読書ブログに載せる本は骨太なものだけ。

そんな進太郎さんがどんな本を読んでいるのか、気になって聞いていたのですが、薦めて頂いた本は、僕のビジネスを、そして僕の運命を変えてくれたと言っても過言ではありません。

ゴールデンウィークにじっくり本を読む、という方もいらっしゃると思いますので、紹介してみたいと思います。

①ブラック・スワン / ナシーム・ニコラス・タレブ

実はこの本は、私が「モチベーションクラウド」を立ち上げたきっかけとなりました。

ブラック・スワンは非常に重厚な本で一言で言い表すのが難しいのですが、副題にもある「不確実性」がテーマになっています。

私たちは世界を「正規分布」として捉えがちだが、実際には「ありえない事象=ブラック・スワン」が発生することを説いています。

フリマアプリ メルカリをヒットさせた進太郎さんがこれを薦めてくるということは、きっとブラック・スワンを見つけるための方法があるに違いないと思い、読み耽りました。

一番印象に残ったのは、ペニシリンが抗生物質を見つけた当初はほとんど注目されなかったが、その15年後に突然 爆発的に世界中に広がった、というエピソードでした。

非連続な成長を実現できる新規事業を探していた私が、15年以上前にリリースしていたモチベーションサーベイをクラウド化し、モチベーションクラウドとしてリリースするきっかけとなったのはまさにこのエピソードからでした。

不確実性というものをマネジメントする意識は、新規事業にも投資にもとても役立っています。

②ゼロ・トゥ・ワン / ピーター・ティール

新規事業は再現性を持ってマネジメントできることを教えてくれたのがこの本でした。

印象に残っているのは「ライト兄弟は人類史に残る発明をしたが、大金持ちになれなかった」という箇所です。

ビジネスでは競争することを避け、いかに独占するかを考えるべきだと説いています。

そして独占のために必要な要素として、①技術的特権②規模の経済③外部ネットワーク性④ブランディングを挙げています。

モチベーションクラウドも立ち上げ以降はこの4つをかなり意識して取り組んでいました。

新規事業は決してセンスや才能ではなく、確固たる方法論を用いれば成功確率が上げられることを知りました。

③ブロックバスター戦略 / アニータ・エルバース

インターネットの出現と共にロングテール戦略(多種多様な商品を提供することであらゆる顧客を獲得していく戦略)がもてはやされました。

しかし、本書では圧倒的勝者はブロックバスター戦略(特定の商品だけに突き抜けた投資をする戦略)を実践していると説きます。

映画では上位2割の作品が8割の売上を立てていることなどが事例として取り上げられています。

恐らく、人間は自由に商品を選んでよいと言われると逆に困ってしまい、どこかで聞いたことのある商品を選ぶ傾向があるからかなと思っています。

メルカリの勝負どころの投資の仕方は半端じゃなかったですが、まさにブロックバスター戦略だったように感じます。

リンクアンドモチベーションも、研修プログラムや人事制度コンサルティングなど、様々な商品がありますが、ほぼすべてのプロモーション予算をモチベーションクラウドに突っ込んだのはブロックバスター戦略の影響も受けています。

④インテル:世界で最も重要な会社の産業史 / マイケル・マローン

半導体メーカーのインテルが、創業から時価総額世界一になるまでの道のりを重厚に描いた大作。

モチベーションクラウドは、そのデータベースをデファクトスタンダードにするために、インテルの「インテルインサイド」キャンペーンを参考にしようとしていたので、進太郎さんから薦められて頑張って読みました。

ビジネスは、技術と営業と広報、そしてタイミングが噛み合って初めて成功するんだということを思い知りました。

ロバート・ノイス、ゴードン・ムーア、アンディ・グローブの3人の経営者がトリニティ(三位一体)でインテルを成長させていく人間模様も非常に面白かったです。

④HIGH OUTPUT MANAGEMENT / アンドリュー・S・グローブ

インテルCEOのアンディ・グローブが自身のマネジメントについてまとめた一冊。

1on1やOKRといったシリコンバレー発で世界に広がりつつあるマネジメントの潮流が、アンディ・グローブから生まれていると感じさせる一冊。

インテルほどの企業のトップであったとしても、人材開発や組織開発について微に入り細に入り取り組んでいることが知れて、自分もしっかりやらねばと背筋が伸びる本。

どんなに忙しくても自分の時間の20%は組織開発や人材開発に投資するようにしています。

⑤ソニー財務戦略史 / 伊庭保

日本で初めてのCFOと言われた伊庭保さんが振り返るソニーの財務戦略の歴史。

進太郎さんはGAFAも勿論研究されていますが、それよりもソニーやホンダの歴史をよく勉強してメルカリの経営の参考にされているな、と感じます。

ホンダやソニーは創業者である本田宗一郎さんや井深大さん、盛田昭夫さんの書籍も面白いのですが、ホンダのNo.2だった藤沢武夫さんやソニー伊庭さんの書籍も合わせて読むとより立体的に理解できて面白いです。

企業が一定のステージを超えてくると、現場のプロダクトやセールスを支える裏側のファイナンスやコーポレートガバナンスによって大きく差がつくことを実感する本。

リンクアンドモチベーションでも僕が同世代で最高のCFOだと思っているラクスル永見さんを社外取締役に迎えましたが、こういった書籍に僕自身が影響を受けている部分はあるかもしれません。

⑥セガvs任天堂 / ブレイク・J・ハリス

1990年前後の任天堂が覇権を握っているアメリカで、セガ・アメリカがどのように巻き返しを図ったかの物語。

セガは任天堂は「子供だまし」でセガこそが「クール」であるというイメージをユーザーに浸透させ、攻撃的なマーケティング施策でシェアを奪っていきました。

寡占市場であったとしても、必ずポジションは存在し、リスクを背負って勝負をすればチャンスが見出せることを改めて感じました。そして、敵の存在は自分たちのポジショニングを際立たせることを学びました。

現在、7月にモチベーションクラウドに続く新たなクラウドシリーズのリリースに向けて準備をしていますが、自分たちは何と戦おうとしているのかを明確にしようと考えています。

⑦ローマ人の物語 / 塩野七生

これは進太郎さんに薦めてもらって、まだ読めていません。

しかし、進太郎さんと話していてつくづく感じるのは「愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ」ということ。

話していても、色々な歴史の話が出てきます。確かローマの話についても、「ローマのこういうところを見習っていきたいんだよね。」みたいなことを仰っていて、そんなところからも学んでいるんだ、と感心した記憶があります。(肝心の内容は失念しました(笑))

以上がメルカリCEO山田進太郎さんから薦められた書籍7選でした。

「THE TEAM」の帯を進太郎さんにお願いした時に、「僕はまだ成功者ではないから、帯なんておこがましいよ」と仰ったのですが、僕から「成功者としてでなく、挑戦者としての進太郎さんを尊敬しているんです」とお伝えし、書いて頂きました。(無理言ってごめんなさい…)

僕が何よりも進太郎さんを尊敬しているのは、本を読んで博識であることではなく、いつも挑戦者として貪欲に学び、活かし、挑む姿勢です。

僕もいつまでも挑戦者として、沢山の本から学び続けたいと思います。

「THE TEAM 〜5つの法則〜」はこちらから



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