見出し画像

宇宙最大の天体は規格外のサイズ

地球から月までの距離は大体37万kmで、次に有人で目指そうとしている火星で5000万km超。これでも太陽系で見れば相当近い距離です。

その月よりも小惑星が接近するということで今話題になっています。

ようは、
直径50m-100mサイズの小惑星が月の半分近くの距離まで最接近する、
という話です。

近さもですが、サイズが結構大きいです。

例えば、2013年にロシア上空で爆発したチャリビンスク隕石は、直径が20m程度なので、その倍以上もあります。

音速(マッハ)を超える超高速度で落下したため、ソニックブーム(ゲームでもおなじみ)まで発生し、建物のガラスを破壊して負傷者が1400名以上も出ました。

今回はサイズがその倍以上で、万が一同じようなことになったら地上で3倍の被害となるようですが、幸い衝突する可能性は低いようです。

しかも大きいとはいえ、あくまで衝突可能性のある小惑星比較です。地球と比較するとほんの粒のようなものです。

では、観測範囲内で最大の天体はどれくらいのサイズでしょうか?

太陽系の主な惑星だけで言えば、ダントツで太陽です。視覚的に表現した図を引用します。

出所:上記記事内の図

しかも、太陽はエネルギーを使い果たすとフグのように膨張して地球の軌道にまで達すると予測されています。あくまで数十億年後の話です。

となかなかヘビー級な気もしますが、宇宙全体ではどうなのか?

Wikipediaのリストを参考にしてみます。

あくまで現時点ですが、最大の天体は「Stephenson 2-18」(スティーブンソン)と呼ばれ、地球と太陽までの距離(1.5億km)と比較して、その直径は2150倍(!)です。そしてその体積は太陽比較で100億倍です。

余りにもデカすぎてピンとこないと思いますが、この天体を太陽の中心に置くと、土星の軌道付近まで飲み込んでしまいます。

Stephenson 2-18を太陽中心に歌舞したときのサイズイメージ(出所元は画像クリック)

改めて宇宙のスケールに驚きます。この天体は大体2万光年離れた場所にあります。

ただ、あくまで現時点であり、2つの理由で今後順位が変動する可能性があります。

1つは、今の状態は一生でいえば、死ぬ間際の状態です。上記の太陽で触れたプクーと膨らんだ状態です。
エネルギー枯渇すると他の恒星同様に自身の重力が勝って収縮し、その究極では超新星爆発を起こし、最終的には中性子星またはブラックホールになります。

2つ目は観測の精度技術向上です。

実はStephenson2-18は近年1位になったばかりで、それまでは「たて座UY星」が君臨していました。

一時期は直径が太陽の1750倍と計測されてましたが、その根拠は距離と光度からの理論値でした。

その距離が2018年の最新調査で、従来の9500光年から5100光年と半分近くであることが分かり、直径も700-1000倍と訂正されました。

ですので、現在1位のStephenson2-18も上記2つの理由でいつまで王者の座を維持し続けるかは分かりません。

ただ、宇宙のスケールの大きさだけはいつまでもしぼまないと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?