福岡 浩二

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福岡 浩二

宇宙・生命・知能に関わる話題が大好き。 <運営コミュニティ> https://enjoyscience.doorkeeper.jp/ https://sustainableq.doorkeeper.jp/ https://after-chatgpt.doorkeeper.jp/

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最近の記事

太陽の力で宇宙空間を進むユニークなヨットが離陸

宇宙空間を飛行するロケットや宇宙船が飛行機と大きく異なる点は「大気がないところを飛行する」ことです。ようは、飛行機は、大気中の酸素を取り込めますが、ロケットや宇宙船は自らで作らねばならない、ということです。 例えば、6/30に3度目の打ち上げを目指す日本の基幹ロケット「H3」では、液体酸素と液体水素を内蔵しています。 このような常識を打ち崩そうとする先進的な宇宙船が、4/24に打ち上げられました。ACS3と呼ばれます。 この宇宙船は、ヨットが帆の風によって動力を得るのと同

    • 遂に日本人の大量ゲノム解析でルーツの解像度が高まる

      以前に、日本人のルーツや古墳時代のミッシングリンクの話をしました。 ようは、 ・縄文時代は閉鎖空間で独自の文化を形成したが、日本人が持つDNAの多くが古墳時代に東アジアから流入した人たちかもしれない、 という話です。 このときの現代日本人のサンプルはまだ多くはありませんでした。 別のプロジェクトで3千名以上の日本人サンプルから詳細な系統分析が行われ、発表されました。こちらで公開されています。 要約しておきます。 もう少し砕いて書くと、大きくは3つのパターンがあるよう

      • ”More Agent”はLLMの見えない壁を超えるか?

        今の生成AI、もっと言えばLLM(大規模言語モデル)は、言語など時系列データに強いTransformerという技法から花が咲いたといっても過言ではないです。 その中でも、従来切り捨てていた過去情報をうまくつなげる”Attention”という仕組みが中核にあります。今でも元論文は誰でも見ることはできます。 GPTをはじめとして、今のメジャーな生成AIサービスは多かれ少なかれこのAttention機構を応用しています。 結果、従来の機械学習の常識を破る「スケーリング則」が発見

        • Axiom Space社の宇宙「衣食住」

          以前に、若田光一氏の卒業の話を取り上げました。 民間企業で引き続き宇宙開発に携わるとのことでしたが、その後公開されました。Axiom Spaceでアジア太平洋地域のCTO(最高技術責任者)として活動されるようです。 宇宙開発では有名な企業で、特に民間として「宇宙ステーション」を開発することで知られています。こちらがそのイメージです。 なかなか近未来な風貌です。ちなみに、日本でもDigital Blastという民間企業が同じように宇宙ステーションを目指しています。 宇宙

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          将来の若き探査車・人が火星を目指す

          以前に、火星におりたったヘリコプター型探査機がアクティブな活動を終えた話をしました。(あとは静止状態で定点観測) これで、動く探査機としては、Curiocity(2012年到着)とPerceivarance(2021年到着)の2台だけとなりました。両車は数千km離れているので実質独りぼっちです。 そんな中、未来の種を咲かせるためにNASAが運営している、有人探査車コンテスト(HERC)結果発表が行われました。 30周年という歴史あるコンテストです。タイトル画像だけで何と

          将来の若き探査車・人が火星を目指す

          SF作品「三体」は現代科学ミステリーの玉手箱

          前回、UFOについて書きました。 UFOだけでなく地球外生物は今でもSFの鉄板ネタです。最近では、Netflixが有名なSF作品「三体」の配信を開始して話題になっています。 三体という用語は、元々「三体問題」として何世紀も前から数学者を悩ましてきた難問です。過去にも触れました。 三体の作品についてですが、Netflix版を見ましたが登場人物と構成は大幅に変えています。要は、おいしいところを簡単に賞味いただけます。 科学ミステリーが好きな方は、濃厚な小説版をお勧めします

          SF作品「三体」は現代科学ミステリーの玉手箱

          NASAのUFO独立調査報告書を紐解く

          以前に、恒星間天体の話をしました。 ようは、 太陽系の外から飛来した天体を調べることで異星人がみつかるかも、 という話です。 2021年から、何故かUAP(旧UFOが空だけを指すのに対し、陸・海含めた不可思議な現象を総称)の本格的な審議が米国で盛り上がります。 こちらの日本ニュースでもこの騒動について深堀しています。 UAPについて、過去に紹介した記事を載せておきます。 最後に「調査報告書を待ちましょう」と締めていますが、無事に(?)公開されたので紹介してみたいと思

          NASAのUFO独立調査報告書を紐解く

          昆虫・動物の内なる生命はあるのか?

          「意識」を含めた精神世界は自然科学の最後の砦かもしれません。過去にも何度か触れてきました。 「人工意識」という言葉が含むように、「意識」は人類の高度な精神現象を意識しています。(分かりにくい。。。) ただ、人類特有かどうかは全く分かりません。むしろ、それこそが人類の思い込みかもしれません。 Nature誌に興味深い記事が投稿されています。 ようは、 昆虫・動物も意識をもっているのではないか? という話です。 4/19に「動物の意識についてのニューヨーク宣言」が発表さ

          昆虫・動物の内なる生命はあるのか?

          クマムシ最強の理由が徐々に明らかに!

          以前に、クマムシの最強説を話しました。 なぜ不老不死なのか?遺伝子に原因がある、としか触れませんでしたが、より詳細な記事が出ています。 あらためて、クマムシがなぜ最強なのかを箇条書きにします。 ・体長わずか0.5ミリで、深海・ヒマラヤ山脈など極限環境でも生息 ・150度の高温、-270度の低温でも生存可能 ・食料/水がなくても数十年生存可能(代謝が遅い) ・通常の致死量レベルの放射線の1千倍でも耐えられる 改めて書いても凄すぎます・・・。 さて、その最強なのは遺伝子に

          クマムシ最強の理由が徐々に明らかに!

          太陽系で最も孤独なヘリコプターとの束の間の別れ

          人類移住の有力候補「火星」について、先日SpaceXが1日10回を目指す発表をしました。 その火星ですが、NASAが送った2台のローバー(探査車)が今でも観測結果を送信しています。(中国のローバーは休眠した模様) 特に、2021年に到着したPerseverance(パーシヴィアランス)は、2023年に生命の可能性を示す有機物(芳香族)を発見しました。過去記事を。 実は、このローバーともう一台空を飛ぶ探査機も同時に到着していました。 Ingenuity(和訳すると創意工夫

          太陽系で最も孤独なヘリコプターとの束の間の別れ

          日本の量子と世界のAIの出会い

          前回、量子世界の日(4/14)について触れました。 ようは、量子は基礎科学から応用にシフトしている、というはなしです。 今回は、世界でなく、日本が量子技術をどのように推進しているのかについて、4/9に公開されたレポートを元に紹介します。 そのレポートはこちらでアクセスできます。 AIに要約をお願いしてみます。 生成AIに要約を書かせるのはもはや日常化してきましたが、実は量子とのコラボが進んでいます。 生成AIに不可欠なGPU(並列型演算処理)で量子コンピューティン

          日本の量子と世界のAIの出会い

          量子2.0の時代へ

          3/14と聞かれると、多くの方が「ホワイトデー」と答えると思います。 科学がある程度好きな方は「πの日」。 さらに好きな方は、「アインシュタインの誕生日」または「ホーキングの命日」と答えるかもしれません。SpaceXファンなら、今年Starshipが初めて宇宙空間に到達した日でもあります☺ πの由来はいわずもがな、3.14…と永遠に続く小数点2桁の数字からです。 同じように、4/14は「量子世界の日(Quantum World Day)」と制定されています。 2021年

          量子2.0の時代へ

          ついにAIが鳥の鳴き声を解読して異性を惹きつけることに成功

          以前に、言語の起源について書きました。 この中で、鳴き声をあげる(脊椎)動物共通に、音声コミュニケーションをとる先祖がいた、 という話をしています。 となれば、人間以外でも言語を操っている動物はいるのではないか?単に我々が気づいてないだけなのでは? と想像するのは自然です。 人間世界(?)では、我々の言語を学習したLLM(大規模言語モデル)が人間並みの対話力を実現しています。 このLLMに、人類でなく鳥の鳴き声を学習させることでついにその意味を解釈した、という論文が

          ついにAIが鳥の鳴き声を解読して異性を惹きつけることに成功

          宇宙から見た皆既日食

          先日、米国で皆既日食が観測され、各地で盛り上がったようです。 皆既日食については、古代史に影響を与えていたのでは?という話をしました。 ようは、九州のほうが皆既日食に気づきやすかったのでは?という話です。 ただ、一応補足しておくと、その理論的根拠となる「自転の速度」は現代でも微妙に変化しており、つい最近も見直しの動きがあります。 気候変動が自転速度にすら影響を与えているかもしれない、と聞くとなかなか・・・ですね。 話を強引に明るい話題に戻します。 今回の皆既日食に

          宇宙から見た皆既日食

          「神の粒子」予言者ヒッグス氏をしのぶ

          ヒッグス粒子を予言したヒッグス氏が亡くなりました。日本の主要メディアにも掲載されています。 予言したのはちょうどいまから60年前で、そこから半世紀がたってついに実験でその存在が正式に認められました。 全ての物質に質量を付与、とありますが、もう少し細かく書くと 「弱い力に質量を与える」 というものです。「弱い力」というのは「強い力、電磁気力、重力」と並ぶ4つの力の1つです。2023年に誕生50周年の記事を書いたので、詳細はそちらにゆだねます。 そしてヒッグス粒子が見つかっ

          「神の粒子」予言者ヒッグス氏をしのぶ

          1日に10回火星へ!SpaceXの最新計画とStarshipの止まらない進化

          以前に、SpaceXの次世代宇宙船Starshipの3回目のテストについて紹介しました。 4/7(米国現地時間4/6)に、CEOのイーロン・マスクが従業員向けに多惑星を目指した最新の計画発表を行い、Xで公開されています。 以下は、その冒頭部の要約です。 冒頭に、エイリアンの話から始まります。(アイスブレイク?) 「フェルミのパラドックス」という言葉を引用しており、これは科学者フェルミが1950年ごろにつぶやいた有名な言葉です。 ようは、「(こんなに探しているのに)どこに

          1日に10回火星へ!SpaceXの最新計画とStarshipの止まらない進化