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最強と最弱のブラックホールが見つかる

ブラックホール。
かつては神秘的な存在でしたが、今年には我々の天の川銀河内の画像化にも成功し、ぐっと皆の関心を引き寄せています。

実は今でもいろんなタイプが見つかっています。

つい最近も、こんなニュースが流れていました。

ようは、
天の川銀河全体より7000倍の明るさを持つブラックホールを発見した
という話です。

ブラックホールと聞くと、最速の光すら飲み込むので名前の通り漆黒のイメージが強く、矛盾を感じる方が多いと思います。

念のため記事内を紐解くと、ブラックホールの中心に周囲の天体や物質が引き寄せられますが、結構吸い込み口は小さいです。
つまり、中心に飲み込まれるまでに鳴門の渦巻きのごとくぐるぐる周囲を回ります。そしてその集まった物質同士が摩擦の影響もありすさまじい明るさになっている、というわけです。

しかも、「過去90億年間でもっとも明るく、かつ最も急速に成長しているブラックホール」だそうです。

BBCがこのブラックホールについて報道したニュースを公開しているので紹介しておきます。(一部視覚表現もあるので理解の補助になります)

肝心の形成された原因はまだ未解明とのことですが、仮説として複数のブラックホールが合体したのではないか?と言われています。

簡単にブラックホールの大きさについて補足しておきます。
一般的には下図のように、小・中・大に分類されます。あまりにも質量が大きいので、太陽のX倍という表現をします。

筆者作

例えば、2022年画像化に成功した天の川銀河中心にあるブラックホールは約400万倍で「大」にあたります。これは驚くことではなく、ある程度大きい(&近い)からこそ画像化の対象に上がったということです。

そして、今回見つけたものは、なんと約30億倍。RPGならラスボス級です。
ある程度の望遠鏡(数十cm級)でも見えるそうですよ。上記記事内の図を念のため引用しておきます。

Credit : Christopher Onken/Australian National University

今回の発見で興味深いのは、実は今まで見ようとしなかった方角を覗いてみたら見つかったというエピソードです。

どういうことかというと、天体の発見に邪魔なのは他の天体(恒星)やガスが出す光です。これはお昼に星が見えないことから直感的に分かりますね。

今まで天の川銀河を構成する円盤を成す平面(盤面)方向は、天体やガスが密集しているため(つまり明るいため)避けられてきたのですが、今回はその方角に敢えてチャレンジしたそうです。

そこに何か新しい観測技法があったのかわかりませんが、結果として今回の大発見に繋がりました。
記事内では、天の川銀河周辺のガスを「ヘッドライト」に例えているのがなかなか巧みな比喩でした。

下記の記事によると、2020年に新しい形態のブラックホールが発見されました。(記事自体は2022年に再編集して掲載)

この仮説としては、今回の真逆で、太陽の数倍に過ぎない「非常に軽いブラックホール」があるのかもしれないそうです。

今回の最強クラスも含めて、まだまだブラックホールの神秘のベールは幾層にも覆われているようです。

だからこそ、好奇心が湧いて引き寄せられてしまうのは私だけでしょうか?

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