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祝!ついにアルテミス初号機打上げ成功

ついに、アルテミス計画の初号機が無事打ち上げられました。(タイトル画像はNASA TVより)

アルテミス計画については、2022年8月末から過去3度リスケとなり、「4度目の正直」となります。待ちに待っただけ、喜びもひとしおです☺

過去何度もこの計画については触れましたが、改めて全体の計画全貌について説明した投稿を引用しておきます。

地球に帰還するまでは余談は許さないですが、しばらくはこの進捗に世界中が注目するかもしれません。

そして、日本にとっては、「初の月面着陸計画」も忘れてはいけません。

何を言っているかというと、今回搭載された超小型衛星「OMOTENASHI」のことです。
こちらも基礎情報については過去投稿を引用しておきます。

上記投稿では「OMOTENASHI」を中心に触れたので、もう1つのEQUULEUSについて補足しておこうと思います。これは月に到着せずに、周辺のプラズマ(電気を帯びた粒子状態)や微小隕石・塵環境の観測を行う予定です。

小惑星探査機「はやぶさ」(2号含む)の大活躍は、皆覚えていると思います。日本独自技術が多く搭載されており、なかでも核となるのが推進力に「イオンエンジン」を採用したことです。

実は今回のEQUULEUSには、世界初の「水エンジン」が搭載されています。下記の参考サイトを紹介しておきます。

えっ水?と思う方もいると思いますが、原理はシンプルです。水から水蒸気となる(気化)力を推進力とします。
常温蒸発方式なので100度(これは蒸発でなく沸騰に必要な温度でしかも地球での外気圧での目安)まで温める必要はありません。

もう少し科学的に言うと、水分子がつながりあう力と気圧、それに対して熱エネルギーのほうが強くなると水分子同士を引きちぎる蒸発という現象が起こります。ですので、見えないだけで、外圧にさらされる水面では常に蒸発は起こっています。

水を採用するメリットは、分子量が相対的に小さいので軽量化・小型化にむいていることと、爆発リスクが小さいので安全です。そしてちょっと細かいですが、他の機器の熱をお借りできるので熱効率がめちゃくちゃいいです。

さらに、将来的な拡張で見ると、もし月の水を効率的に採取できる技術が整うと(存在自体は確定)、月でロケット推進剤を調達できることが出来ます。

個人的には最後のメリットが持続可能性の観点で大きいと感じます。さすがに何もかも地球で作ったものを運ぶのは効率性が悪すぎます。

このように、でっかいSLSロケットで目立ちにくいかもしれませんが、日本の技術は今後の宇宙開発に貢献する巨大な力を秘めています。

ただ、EQUULEUSが観測地点(ラグランジュポイント)に到着するのはまだ半年以上かかります。
まずは、SLSからのORION宇宙船分離と、OMOTENASHIの月着陸、そして無事地球に帰還するまでをかたずをのんで見守っていきましょう。

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