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NASUオフィスガイドブックができるまで(アートディレクター体験記)

小島senseiです。記事をお読みいただきありがとうございます!
今年の1〜4月の期間であるガイドブック制作を行っていました。

株式会社NASUさん(以下敬称略 NASU)のオフィスを紹介するガイドブックです。
このガイドブックはNASUが行ったクラウドファンディングでオフィスガイドブックを支援した方へ送られたもので、そしてガイドブックを制作するメンバーも同クラウドファンディングで支援したメンバーで形成されています。私はガイドブック制作を支援に選びました。

ガイドブック制作は本当に貴重な体験でした。
一緒に制作したメンバーとのコミュニケーションや数え切れないくらい実施したMTG、そしてNASUの皆さんからいただくフィードバックや交流はこれまでにない気づきや刺激をいただきました。

せっかくなので時系列で追いながら私が学んだことも含めてこの経験を紹介できたらなと思います!長くなりますが最後まで読んでいただけると幸いです。(もし良ければ総括だけでも読んでいただけると嬉しいです!)

追記:嬉しいことにこのプロジェクトをNASUメディアへ掲載していただけました!


NASUオフィスガイドブック制作を支援した経緯

まえがきとして、私がNASUオフィスガイドブック制作を支援した経緯を書かせてください!

NASUのことは以前から知っていました。新しいオフィスに移転したこともなんとなく情報を得ていましたが、クラウドファンディングの存在に気づいたのは支援募集締め切りの約1週間前でした。

オフィス完成への支援をしたいという気持ちはもちろん、それに加えてNASUが運営している前田デザイン室のこれまでのクラウドファンディングに支援したことがなく後悔していたので、今回は何か支援したいな〜という気持ちでリターンを眺めました。

どれも遊び心があるリターンで面白いな〜と見てたら

◉あなたが前田高志とデザイン制作体験 (5名)
購入者様が前田と共にデザイン制作をする体験ができます。前田は、クリエイティブディレクターとして制作に入ります。制作は、このクラウドファンディングのお返しの中にある「NASUオフィスガイドブック」です。前田とガチの仕事体験がしたいデザイナーさんにおすすめです。
「良いデザインが生まれる、デザインのパワースポット」であるNASUオフィスを徹底解剖した「NASUオフィスガイドブック」も1冊お届けします。

https://ubgoe.com/projects/254

おおおお!なにこれ凄い、やりたい!!と見つけた瞬間に思いました。

以前NASUのイベントに参加した時に、前田さんにデザインを見てもらったことがあります。
デザインを全体的に褒めてくださったのはとても嬉しくて「勝てるデザインにも書いてあるけどデザインはフォントが9割で、そこはできている」と言っていただけました。
「じゃあ残りの1割は何が足りないですか?」と質問したら「企画とコンセプト」と言われました。
その時勤めていた会社の中では、割とコンセプト立てたデザインは得意な方と自分で位置付けていたので、この時の自分にとっては衝撃的なコメントでした。でも会社以外のデザイナーさんにデザインを見てもらうのが初めてだったので、これはかなり貴重なフィードバックがもらえたと思っています。

それ以降「企画とコンセプト」どうやって知っていけば良いんだろうか、、という思いを抱えていたので、このリターンを見つけた瞬間に支援を決めました。5名の定員でもうすでに4名申し込まれてたのでギリギリ間に合って良かったです!


制作メンバー紹介

クラウドファンディングで集まったメンバー
NASUの皆さん

私は今回アートディレクターとして参加しています。この制作のアートディレクターの役割はこんな感じです。
・全体進行の取りまとめ
・MTGの進行
・クリエイティブディレクター前田さんが指し示した世界観や方向性を制作で統一させていく
・デザインのフィードバック
・デザイナーとしても参加してます


コンセプトが決まるまでの長い道のり【前半】

初めてのMTGと企画プレゼンに向けて

私たちは他にどんな支援者さんがいるのか全く知りません。これからどんな方々と一緒にガイドブックを制作していくのだろう、と緊張から始まった最初のMTGでした。(懐かしい)

この頃はガイドブックのイメージはまっさらです。どんなものが出来上がるんだろう〜とワクワクしていました。
チームの雰囲気は、まだまだガッチガチで、頑張って喋らないと沈黙が続いちゃうような感じでした。

まずはガイドブックのコンセプト決めやイメージ集めをすることになりました。最初みんなで集めていたイメージはこんな感じです

お気づきかと思いますが、ガイドブックの完成形と全く違うイメージを最初は集めていました。コンセプト決めの長い道のりのスタートです!

MTGの少し後のタイミングで前田さんが出したイメージが下記です。

ふむふむ、なるほど。
その後またMTGを挟み、上↑の前田さんのイメージ+MTGで話し合った内容をもとに、次は1人1案ずつ企画プレゼンをすることになりました。
ちなみに企画プレゼン前にみんなで話してた方向性はこちら

2023/1/20 議事録一部抜粋

・レトロな方が楽しい感じがする?
・デザインのテーマパーク
・パロディものはおお!てなってシェアしたくなる
・初期のディズニーランドみたいにパークを説明するとより伝わりやすいんじゃないか

■どんなガイドブックが良いか
・もらって嬉しい、届いておお!となるもの
・3000円支援して、これ??みたいにはなりたくない(3000円のリターンどんなもんかの画像集めてみる?)
・分厚い冊子でなくても、情報量とか紙とかケースでクオリティは上げれる

>どんなものをもらったら嬉しいか
・攻略本みたいに情報がモリモリだと嬉しいかも
・裏設定とかそういうのあると「買ってよかった〜」となるかも
・好きなアーティストの本とか
・任天堂の会社案内は心が動く
・部屋飾って置けるようなものが良いかな
・新聞記事みたいなもの
・レコードジャケット型の本とか
・飾れる雑誌にするとか(関西ウォーカーみたいな)

本当にまだほんわかとしたイメージで話し合っている状態です。
どんなガイドブックをもらったら嬉しいか、読みたくなる&飾っておきたくなるか、そんな話をしていた記憶です。ガイドブックに特別さを吹き込んでいくにはどうすれば良いか、この時は色んなアイデアを自由に出し合っていました。

企画プレゼン

企画プレゼンに向けてみんなそれぞれガイドブックのコンセプトを考えました。プレゼン資料をちらっとお見せします!それぞれ個性のある案が集まって面白かったです!

ガイドブック+パーク地図案
スゴロク案
新聞案
地図、カード案
卓上カレンダー案

ちなみに私は2番目のスゴロク案を出して、前田さんからのコメントは「スゴロクはやるまでがなぁ」でした。確かにやらないと体験できないガイドブックは受けて側としてはハードル高いですよね。

この中で前田さんがピンと来た様子だったのは1つ目の「ガイドブック+パーク地図案」で、その時私は「色んな面白案が出てるけど、形はやっぱりまわりまわってベーシックなものに落ち着くもんなんかな〜」と考えていました。

パーク地図のデザインイメージを考えてみる

様々な企画案の中から、形は「ガイドブック+パーク地図案」で進めていくことになり、まずは地図に入れるパーツ作りから!
NASUロゴと同じように三角と四角のパーツでNASUパークの各スポットのブロックを作ってみることになりました。

一人1個ずつブロックを作ったのと、それを組み合わせて作ったパーク地図のラフ

そしてこれを見た前田さんのフィードバックがこちら↓

全員投稿してくれたデザインを見ていて、これで地図を作成したときにどういうものになるのか想像がつかないね。 NASUのマークに世界観を合わせるとするのであれば、ブロック数も少なく感じるし、シャワーくらい細かく作成しても世界観がキープできるのかも検証の余地があります。

それを受けてゆったんさんからイメージ集めはどうかとアドバイスいただきました。

ということで、みんなで協力してピンタレストでイメージ集めをして、その中でも全員が「ええやん!」と思ったイメージがこの2つ

三角と四角で出来ていて、モノクロ+差し色カラーが特徴的なイメージ

そして前田さんからの感想がこちら!おおお、やっぱり右良いですよね〜

この前田さんの「飾ってたい感じ」というコメントから、地図の大きさや折り方をどうするかはかなり模索していましたが、リサーチすべきことがあればサブリーダーのキノコさんがいつもすぐにリサーチを共有してくださってました!リサーチ力素晴らしい。


ガイドブックのデザインイメージを考えてみる

地図と並行して、ガイドブックのタイトルもみんなで考えていました。
(うーん、なんかイマイチしっくりこない)

まるごとNASUパーク
夢を叶えるパーク
ココが好き
良いデザインを生むNASUパーク
デザインを楽しむNASUパーク
オープンキャンNASU
解剖!NASUパーク
NASUパークの魅力
NASUパーク図鑑
オフィスにこだわる
オフィス2.0 NASUパーク
次世代オフィス NASUパーク
突撃!NASUパーク
NASUパークデザイン裏攻略本
NASUパークのひそひそBOOK
This is it. This is ナスパッ!
NASUぶ(るるぶ的な使い方)

デザインイメージから考えれば何か見えてくるかも…!と思い、表紙や中ページも色んなパターンを作ってみてました。
(うーん全然しっくりこない、ゲームの攻略本イメージは面白そうだけどなんかこう確信的なアイデアやイメージじゃないというか…)

地図のラフが出来上がってきたので表紙に当てはめたりして(おお!なんかオシャレ)
ガイドブックのサイズは読み物としてメジャーなA4が良いかもね〜とこの時は話していました。

そしてここで一旦作ったイメージを前田さんに提出してみました。
前田さんの返答はこちら。

今思い返すと、表紙や中ページのイメージを作りながらもしっくりこないし迷いがあったのは、定義(コンセプト)がなかったからだったんだな〜と気づきました。。


コンセプトが決まるまでの長い道のり【後半】

初めてのコンセプトワーク

前田さんから「この本が何か、一度文章で定義してみたいね」からこのガイドブックのコンセプトを一言でまとめることになりました。

一言でまとめるにはどういう方法で進めれば良いかを考えました。
そんな中、出てきた1冊の参考本。

この本は付箋でコンセプトワークをして、任天堂Wiiのコンセプトができるまでを紹介している本です。
なかなか良さそうだったので、みんなで付箋を使ったコンセプトワークにチャレンジしました!(誰もやったことない不安なワークだった笑)

コンセプトワークの進め方は、
・読みたくなるガイドブックとは
・SNSでシェアしたくなるようなガイドブックとは
・届いた時に「おお!」と思ってもらえるガイドブックとは
・NASUパークに行きたくなるようなガイドブックとは
・NASUパークに行った気分になれるようなガイドブックとは
などを意識して色んな角度から会話を広げて、キーワードになりそうな単語が出たらすぐ付箋にメモりました。
付箋がある程度たまってきたら、近い意味の付箋を四角で囲ってグループにし、さらに意味合いが近いグループを近くに配置して情報を整理していきました。

ZOOM上で行なった実際のコンセプトワーク

そしてガイドブックを一言でまとめた案がいくつか出てきました。

1.良いデザインを生む秘訣が満載!デザイン力が身に付くガイドブック
2.これを読めばNASU PARKが丸わかり!情報量がっつりガイトブック
3.NASU PARK解明ガイドブック ~そのスポットは本当に童心に帰れるのか?~
4.NASU PARKを体験したくなるワクワクガイトブック
5.自慢したい!ついつい周りに教えたくなるお役立ちガイドブック
6.良いデザインが生まれるスポット作りをマネしたくなるガイドブック

おお!ちょっと良い感じになってきたのでは!?
この6案で前田さんにどや!と提出してみました。

そして前田さんからの返答。
なるほど!さすが凄いな、前田さんのアドバイスを見るだけでコンセプトにかなり深みが出せそう。。
前田さんのフィードバックから、あともうひと掘り下げ必要だということを実感しました。

再びコンセプトを練り直す

コンセプトワークで思考を掘り下げることができたので、あとは、みんなで案をもう一度、数多く出し合っていきました。

・スーパーNASUパーク ダンジョン攻略ガイドブック
→ ゲームの世界観に振り切って作る

・デザイン力がアップするNASUパークのパワースポット紹介ガイドブック
→ ご利益:客観視アップ、遊び心アップ、検証力アップetc NASUのデザインの神様を登場させる
NASUパークで使える「デザインご朱印帳」をおまけにつける

・2023年ユネスコユナスコ登録 デザイン遺産NASUパークガイドブック
→ 「NASUパークはデザインの象徴的な建造物であり、 多くの人にデザインの力が届いたことが評価され、 デザイン遺産に登録された。」というストーリーで作る

・NASU PARKファンクラブ発足!NASUファンクラブ会報誌(初盤)的なガイドブック
→そこでしか読めないNASUPARK情報を届ける 初盤限定会員証をつけたりして、限定感を出す (ディズ○ーパークのオフィシャルファンクラブをもじっています)

・CD、LPジャケット風ガイドブック
→飾れるガイドブックこれは今回はできないですが、NASUPARKの映像を焼いて実際に円盤が入ってるのも面白いと思います

・ゲーム性のあるガイドブック
→童心に帰るという意味で。 案としてでていたすごろくなど、ゲームとして成立する何かがあるガイドブック

・ナスパンフレット(ナスパ×パンフレット)
イメージは映画のパンフレットです。 世界観は「デザインナス×プロフェッショナル」 ナスパークを作り上げる際、前田さんの経営者視点はもちろんデザイナー達も良いデザインを作り出す環境として、なぜオフィスに「童心」を感じるデザインをデザインナスは基調としたのか。 というのを語ったノンフィクションのプロフェッショナルのような映画があって、その映画のパンフレット。 映画では語りきれなかったナススタッフみんなのスポットへの熱い想いが語られる。

・ナスパ漬けの作り方
料理本のテイストで、ナスパークの作り方を解説。 ナスパークを作る時、デザインナスのメンバーでもこんなふうに苦しみながらもデザインしたんだよと。悩んだポイントを伝える。しょっぱいことは私たちにだってあると、憧れのデザインナスの人たちならではのこだわり方をつたえてお漬物のような酸っぱさだよね、デザイン漬けだよねということでナスパ漬けと称して伝える。

凄い!突然面白くなってきた…!平凡な案から、深みのある案に変わってきました。
これらの案から厳選したり過去の案と掛け合わせたりして6案にまとめて前田さんへ提出!

1.WDC開催!NASUチームの戦力をマニア目線で解説
→各スポットをチーム選手とみたて、コンディションや打率のように、各スポットの特徴を解説。
※WBCをもじった案

2.NASU PARKオープン日の朝刊を限定復刻!
世界観: まるっとジャックした貴重な朝刊、そこにはNASU PARKすべてのヒミツが詰まっていました。今回リニューアルオープンを記念し、限定復刻!

3.ナスパンフレット(ナスパ×映画パンフレット)世界観は「デザインナス×プロフェッショナル」
ナスパークを作り上げる際、前田さんの経営者視点はもちろんデザイナー達も良いデザインを作り出す環境として、なぜオフィスに「童心」を感じるデザインをデザインナスは基調としたのか。 というのを語ったノンフィクションのプロフェッショナルのような映画があって、その映画のパンフレット。 映画では語りきれなかったナススタッフみんなのスポットへの熱い想いが語られる。

4.NASUパークご参拝ガイド!御朱印帳付き
各スポットにいる神様を参拝する

5.ナスパ漬けの作り方
料理本のテイストで、ナスパークの作り方を解説。
なんで漬物なのか→熟されておいしさが詰まっているけど酸っぱい(辛い思い出もあるよ)

6.2023年ユネスコユナスコ登録 デザイン遺産NASUパークガイドブック
→「NASUパークはデザインの象徴的な建造物であり、 多くの人にデザインの力が届いたことが評価され、 デザイン遺産に登録された。」というストーリーで作る

そして前田さんからの返答。

おおおお!良い感触!!
どれがNASUにとっていいのか。これも相当みんなで悩んでMTGも2回くらいして最終的には↓下記のコンセプトに決定しました!

やっっっっとガイドブックのコンセプトが決まりました。
初回MTGが1/11だったので2ヶ月弱の期間…
でもとても良いコンセプトに辿り着けたという喜びが大きかったです!

ちなみにこの「NASUパークご参拝ガイド!御朱印帳付き」の元案を考えてくださったのは、最強企画立案者のわぐさんです。素晴らしい!


台割デキバエ20%までの道のり

さあ、コンセプトがしっかり決まったので、構成やデザインを早急に進めていかねばなりません。

これからのガイドブック完成までの流れ

大きなヒントを得たMTG

まずはデキバエ20%を目指すために、NASUパークのご参拝ガイドブックとして何を掲載するべきかみんなで案を出しました。
それと同時にラフデザインも少し作って前田さんとのMTGを行いました!

ちなみにこのMTGで使った資料はこちら

掲載する案を表にまとめて、MTGで採用案となったものに○をつけていきました
ラフ案

↑この時点になってもポップな印象が頭から離れていない自分が恥ずかしい(泣)中ページは内容をシンプルにしたかった…というのを伝えたかったけど、ラフ案出しの段階でももう少しビジュアルも考えねばと反省デス。。

でもこのMTGで前田さんから明確な道しるべをもらいました。
これらの資料を見ながらMTGが進んでいく中で前田さんから出てくる言葉に
・雑誌っぽいは違う
・これから制作で迷ったら「効きそうかどうか」で判断する
・動か静で言えば「静」のイメージ、神社とかの厳かな感じ
が繰り返し使われました。

つまり、これから進めていく制作では下記を意識してけばOKというブレない指標を言語化していただけました。すごく分かりやすい。

MTGで得た明確な道しるべ


台割デキバエ20%の完成

MTGで掲載内容も決まったので、ページ割り振りとざっくりとした内容を考えました。その時に完成した台割がこちら

この台割に入っている各スポットのブロックも、ここまで辿り着くまでかなりの量の案出しをみんなでしていました。

これ全部天空ネット
他のスポットも試行錯誤

スポットブロック制作もそうですが、この先デザインを作っていくときは、デザインが出来たらコミュニケーションツールに貼って、意見出し合って、またブラッシュアップしてという流れで進めていきました。
この段階では「効きそう」「静」のイメージに合うブロックを探ってました。

太陽が素敵な案!朝早くからありがとうございました。
楽しくやっていました笑


台割デキバエ40%までの道のり

いよいよデザインの方向性が決定する

デキバエ40%では全ページある程度デザインのベースが出来上がった状態を目指しました。

そこで、天空ネットページのデザインラフがいくつか出ていたので前田さんに方向性を確認してみることに。

提出した資料

すると前田さんからこんなコメントが!

1のいいね!は神様のイラスト入れるの良いね!ということなので、この時点で各スポットに宿るデザインの神様を各ページに入れる方向性になりました。
2と3のコメントから、下段3つのイメージで前田さんからデザインのGOが出た感じです…!おお!やっと先が見えてきた。
この下段のデザインが今回のガイドブックのベースとなったわけです。これを作ったのはウルトラスーパーデザイナーのたっちゃん!素晴らしい。

ここから天空ネット以外のページも同じテイストでラフデザインを作っていきました。

これ全部たっちゃん。さすがだ、ありがとう。
その他のページのラフもみんなで
地図は全員で迷走。笑


台割デキバエ40%を完成させていざMTG!

上↑に貼ったたくさんのデザイン案から、1ページ1案ずつを選んで台割デキバエ40%を前田さんに提出、その後MTGでフィードバックいただきました。

提出した台割デキバエ40%

全体の感想として前田さんからは「ええ感じやん」とお褒めの言葉が…!おお嬉しい。
フィードバックを少しだけお見せします。

地図のフィードバック(議事録抜粋)

みんなで作ってる感が出てるので、ひとりがとりまとめて、ルールとかトンマナとか決めたほうがいいかな。一瞬なにかわからない可能性があるので、図面からもう少しリアルなものを起こすとか。カタチが、これが、これが謎の絵というか、マップに見えないというか。マップと書いてあるけど、マップっぽくないから。

年表ページのフィードバック(議事録抜粋)

年表も全部白黒というか、モノクロの方が統一感が出そう。ちょっと日常とかの写真をもってきてくれてるから、年表の写真のやつもモノクロとかにしたいかな。

神様イラストのフィードバック(議事録抜粋)
※大きい画像は読み進めたところに貼ってあります

神様のタッチが急に緩いので、これもできたらパークの記号みたいな作り方でした方がいいかなーと思います。
今作ってるやつを、四角と三角で作るといいよ。上からなぞる感じで、ブロックつむかんじで。他のデザインとあって、マッチして、いいと思います。

そしてデザインだけではなく、各ページの原稿を作成するべく1日2万文字執筆スーパーライターのハルさんが想像を超える分量のリサーチをしてて、このMTGで原稿のすり合わせもしました。

ハルさん作成の実際の原稿案一部

年表の内容をまとめてくださったのもハルさんで、各ページの元となる文章も全部ハルさんです。本当にありがとうございます…!

その中で鳥肌がたったハルさんリサーチがこちら。

なんと1年前の前田さんのツイートまで丁寧に辿ってリサーチしてました。
このツイートから、今回作成したガイドブックを締めくくる文章ができています。文章を公開することになってしまいますが、こちらです。

ハルさん作成の実際の原稿案

前田さんからも「めちゃくちゃいい。」「よく調べたね!」と言っていただけました。


台割デキバエ80%までの道のり

ここでは60%を飛ばして一気に80%までの内容を書くことにします。なぜかと言いますと、あまりにも濃度が濃すぎて書ききれないからです…スミマセン。
簡単に説明しますと、デキバエ40%から各ページをブラッシュアップしていったというイメージです。
時系列じゃなくて、テーマ別で内容を抜粋してお届けします!

やっと本気になった私

ここまであまり詳しく書いていないですが、私はアートディレクターとしてこの制作に参加していました。
制作全体の進行管理やMTGの段取りなど、みなさんに支えられてやっと成り立ってたものですが、なかなかハードな役割で途中で逃げ出したかったです笑
みなさんに作っていただいたデザイン案のフィードバックもしていましたが気をつかってしまってて、本音をおさえていたところがあります。
でもこのゆったんさんのコメントでやっと私も本気になりました。ありがとうございました。


神様イラストから神様ブロックへ

各ページにある神様イラストもデキバエ40%から80%で大きな進化を遂げています!

↑はデキバエ40%時点で、前田さんから、ゆるいから四角と三角で作ってみて!とアドバイスをいただきました。

その後に作り始めた三角と四角のブロックでできた神様。可愛いけど、ポップ過ぎる+何か分かりにくい、というのがあってもう一度検証することにしました。

検証後にできた神様がこちら!かなりクオリティ上がりました。ありがとうございます!

各スポットブロックは10×10マスにはめて作ってたので、神様も同じにしなきゃ!と思い込んでましたが、ゆったんさんのナイスアドバイスで結果的に30×30マスで落ち着きました。

神様作りはわぐさんとキノコさんに行っていただきました!センス良すぎる!ありがとうございました。

ちょっと裏話ですが、いくつか案を作りながら進めてたわけですが、遊び心アップ神で実に陽気な神様を作ってて爆笑しました。

遊び心アップ神の案。ミラーボール…笑


地図デザインの劇的進化

デキバエ40%の時点で迷走してた地図。ここから出来上がりまではほぼハルさん一人にお任せきりで申し訳なかったですが、めちゃくちゃ良いのができました!

デキバエ40%時点の地図

↑の地図は他のページから浮いてたんですよね、でもハルさんからとても良い案が出てきました。

採用したハルさんの地図原案

制作が始まった当初からこれまで、ピンタレストで見つけたこの地図のイメージに向けてみんなで制作をしていたので、その枠を破っていただいたハルさんに感謝です。↓参考にしてた地図

最近改めて学びましたが、今まで作ってた案をいさぎよく捨てる(リセットする)ことも大事ですね。作りかけの案にどうしても固執してしまいがちですが、本当にそのデザインで良いのか常に問いながら進めることが大切なようです。

なぜ、このハルさんの地図がピンときたのか、しっかりと言語化して、リアルに近い地図までブラッシュアップしていきました!

ブラッシュアップ中
ほぼ完成系

制作の中ではゆったんさんから「ルールを揃えると良いと思います!」と何度もアドバイスいただきました。
この地図も最初は丸みを帯びていましたが、ゆったんさんの明確なアドバイスでルールが綺麗に統一されていきました。

ゆったんさんのアドバイス。時刻は夜中の01:43です。ありがとうございました。
地図が出来上がった時の感動のやり取り(ハルさんからのリアクションが光ってる!)


写真撮影

やっとここで写真撮影も行いました。みんな仕事の都合上、たっちゃんしか撮影に行くことが出来ませんでしたが、良い写真をたくさん撮ってきていただけました!ガイドブックに使われている写真の多くはたっちゃんが撮影したものです!ありがとうございました。


台割デキバエ100%まで一気に駆け上がる

最高のクオリティに仕上げるには、フィードバックへ耳を傾けることが大切

デキバエ80%が出来上がって、前田さんへ提出!!

提出した台割デキバエ80%

フィードバックがどう来るかドキドキして待っていましたが、そこから先がまた茨の道でした。

中途半端なものは作りたくない、最高のクオリティで完成させたい…!
そんな気持ちは全員が同じだったと思いますが、入稿まで時間のない中、しかも超寝不足な状態で、フィードバックがどんどん来る来る(もう体力の限界)

とんでもなく辛かったですが、最高のクオリティに仕上げるには、少しでも多くの方の意見やフィードバックへちゃんと耳を傾けることが本当に大切だと身に沁みて学べました。ありがとうございました。

制作で一番多く助けていただいてたゆったんさんからもがっつりフィードバックしていただきました。気づきブログへも、ゆったんさんの想いがしっかりと書かれてます。本当にありがとうございました。

さて、前田さん、ゆったんさんからフィードバックいただいた箇所を高速で修正しなければなりません。(入稿2〜3日前だったと思います 涙)

・全ページのタイトル周りのあしらいを統一
・各ページのカーニングやフォントサイズが揃っているか再確認(結果的に揃ってなかった)
・全ページの写真の色味が統一されていない
・四角と三角で全ページを統一している中、丸みのあるあしらいが混ざっている

↑これらはゆったんさんからのフィードバックで気づきました。
分担作業していたことが原因で全ページに統一性を持たせることは難しい、と気づいた瞬間でした。そして、統一されていないことに気づかなかった自分も情けなくなりましたが、チームで作る素晴らしさを感じている中で、その反面難しい部分があるということを学びました。

あとは制作している側は驚くほど客観視が出来ないということも、この時身をもって感じ始めていました。
私はこの制作でみんなへのフィードバックしつつ、前田さんとゆったんさんからはフィードバックをもらうという両方を体験していたためか、それに気づきました。

そしてなんと、ゆったんさんから客観視しながらブラッシュアップしてく方法の一つを教えてもらいました!

それは、作ったらどんどんみんなにシェアすること。ちょっと修正したらコミュニケーションツールに貼る、また修正したら貼る。それを繰り返すのです。
アートボード上でデザインと睨めっこしているだけでは客観視できないですが、シェアした瞬間、なぜか不思議なことに突然客観視力できるようになるんです。それは勝てるデザインにも書いてあります。

ブログ記事を書いていて、執筆中は気づかなかったのに公開してSNSでシェアすると悪いところに気づく。
これらはつまり「手放している」から気づけることなんです。

勝てるデザイン 前田高志著

あとはシェアすることで、みんなからの意見やフィードバックがその都度もらえるので、これはかなり良い方法だな!と思いました。

この日の夜は長かったです…!(この次の日も、そのまた次の日も長かったですが笑)
ゆったんさんにも修正作業をかなり助けていただけて本当に救われました!

最後のページが一番最後まで出来上がらず、明け方の4時過ぎまでみんなで作り続けてました。ちなみにこのページへは、ひちゃこさんに描いていただいた素敵なイラストを使わさせていただきました!

夜通しで作り続けた最後のページ


台割デキバエ100%がついに出来上がる!

ここから修正→前田さんへ提出→修正→前田さんへ提出を何度か繰り返し、やっと入稿データ作成に辿り着きました!

入稿当日も鬼のような修正

浜田さんからも暖かいお言葉…!見ていただけてるんだな〜と嬉しくなりました。

入稿データ作成が終わればやっとデキバエ100%…!入稿データ作成&チェックはミスがないようにみんなで確認しながら行いました。その時使ってたチェック項目がこちら。

・「デザイン」のレイヤーにデザインを配置しましたか?
・アートボード右下と左下のページ数は入力しましたか?
・ファイル名にページ数を入れましたか?
・カラーはCMYKになっていますか?
・黒 K 100 / 赤 C30 M100 Y100 K0 になっていますか?
・スポットと神様ブロックは合体されていますか?
・線幅(太さ)は0.2pt以上ありますか?
・文字はアウトライン化されていますか?
・紙の端にかかるデザインの場合、塗り足しは3mmありますか?
・画像はCMYKモードになっていますか?
・画像の解像度を350pixel/inchにしましたか?

そしてやっと入稿データ作成が終わりました!デキバエ100%!!

この時のみんなの表情は疲れているようなホッとしているような、でも今までにないような素敵な笑顔デス。
ツイートにも書きましたが、みんなで作るって本当に楽しい!こんなに寝不足になったのは初めてですが、今までにないくらいの達成感を味わうことができました!


印刷について少しお話し

さて、入稿は終わりましたが、まだ本当の終わりではありません。
入稿→色校正→修正→再入稿
が残っています。

ここまで印刷について全く触れてこなかったですが、印刷業者探しも本当に時間がかかって大変でした。
今回の「御朱印帳」のコンセプトに合う、ありがたみを感じる効きそうなガイドブックには印刷仕様や用紙もしっかり検討しなければなりません。(これも今回学んだことです)

印刷についてもみんなとかなり相談しましたし、それに加えて予算・納期の条件に合うものから選ばないといけないため、
・理想の装丁と表紙加工をリスト化
 ↓
・業者へ見積もり依頼
 ↓
・費用が高すぎて再度装丁と加工を検討
 ↓
・業者へ見積もり依頼
を何度か繰り返して辿り着いた「糸ミシン中綴じ+表紙箔押し」でした。

なのでガイドブックが届いた方でこのようなツイートしていただけてるのは本当に嬉しかったです!(他にもツイートしていただいた方ありがとうございました!)

ちなみに、糸ミシン中綴じ以外にもこのような案がありました。

候補に上がっていた装丁

印刷業者探しやこれらの装丁を提案してくださったのはサブリーダーのキノコさんです!とても良いチョイスでした。ありがとうございました!

話を戻して、そう、色校正の日がやってきました。
色校正ではNASUにお邪魔させてもらいました。現地に来れなかった人も色校正の確認中はZOOMで繋ぎました。
前田さんからは「ええ感じやん」と言っていただきホッとしながらも、細かいところの調整が何箇所か必要だったのでそれは持ち帰って無事、最終の入稿が完了しました。


ついにガイドブックが手元へ!

ガイドブックの開封はみんなで行いました。想像以上の仕上がりで本当に嬉しいです!


総括

ここまでお読みいただきありがとうございました。
総括では制作全体を通して学んだこと、参加して良かったと思えた点をお伝えしたいと思います!

失敗を恐れないで、どんどんチャレンジできた

会社での仕事や実際に受ける案件となると、無意識に失敗を恐れてしまうと思うんです。
でもこのプロジェクトは、何かにチャレンジしたいと思って集まったメンバーですし、仕事みたいに誰かからか評価されることもなく、そしてNASUのみなさんが暖かくサポートしてくださってたので、失敗を恐れずどんどん動くことが出来ました。
アートディレクターとして参加していると、何かを決断しなきゃいけない場面は何回か訪れます。でも間違ってても怖くない、間違ってたらそれだけ学びも増えるわけで、とても良い環境でチャレンジ出来たと思います。

NASUの方々のサポートも厚く、特にゆったんさんには全体の進行方法からデザインの面までかなりサポートしていただけました。学びがとても多かったです!ありがとうございました。

そして、私の判断力が崩れているときはサブリーダーのキノコさんからアドバイスがすぐに飛んできました!キノコさんの周りの人に対する気遣いや姿勢は素晴らしく、また全体の進行に勢いをつけてくださったりと本当に感謝です。ありがとうございました。
またキノコさんがMTGに参加した途端、その場の雰囲気がめちゃくちゃ明るくなるんです!それにも毎回救われてました。
「サブリーダー」という存在が重要であること、プロジェクト進行では欠かせない存在だということを学ぶことが出来ました。

チームで作る素晴らしさを実感できた

制作スタートの段階では、みんな初対面で会話が続かない…そんな雰囲気でした。
でも制作が終わる頃にはとても良いチームになりました!みんなが同じ方向を向いて制作をすることで、チームに一体感が生まれてきたのは本当に良い体験でした。

チームって凄いんです。みんなそれぞれ得意なことがあって、それが制作を進めていく中でどんどん引き出されてくる瞬間を目の当たりにしました。
今回のガイドブックは一人では絶対出来上がらないものだと思います。みんなの力が集まって、コンセプトも文章もデザインも印刷も本当に良いものが出来ました。

もちろん制作の中ではそれぞれが得意なことだけをやっていたのではなく、みんながチャレンジしたいことが出来るように「これやりたい人いますか?」と必ず聞くように意識していました。
今回のチームはみんな熱量が高かったので、それぞれ積極的に色んなことにチャレンジできたと思います。

また同じようなプロジェクトがあれば参加したいか

もしあれば、次はデザイナーとして参加したいです!
ただ結構時間が取られるので、仕事をしながらの参加は可能ですが、ちゃんとプライベートのスケジュールを調整してから参加した方が集中できそうです(今回はそこをミスった 泣)

たくさんのデザイナーさんと繋がってコミュニケーションを取ることは自分にとってプラスでしかないですし、それに加えて前田さんやNASUの方々から直接フィードバックをもらえる点はやっぱり大きな学びですし、プロジェクトの醍醐味でもあります。

NASUの皆さん並びに一緒に制作したメンバーの皆さん、今回は貴重な経験を本当にありがとうございました。


〜制作メンバーSNS紹介〜

超ムードメーカーのサブリーダー&デザイナー キノコさん
Twitter

最強企画立案者&デザイナー わぐさん
Twitter
・ガイドブック制作のnote↓

ウルトラスーパーデザイナー たっちゃん
Twitter

1日2万文字執筆スーパーライター&デザイナー ハルさん
Twitter
・ガイドブック制作のnote↓


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