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クラフトビールの定義について話すことにちょっと飽きてきた

あっという間に6月が終わっていくんですね。毎月言ってます。なんかもっと色々やらないといかんことがある気がするんですが、微妙に進んだり進まなかったりしております。

さて、昨日、某ナショナルビールメーカーの方々とお話しする機会があったのでそれについてメモ程度に書きたいと思います。

「クラフト」がもうカッコ笑いに

大手ビールメーカーも今は「クラフトビール」という名前で商品投入してきていて、「クラフトビールの定義ってなんやっけ?」みたいな話にたびたびなるんですが、そろそろちょっと飽きてきた話題でもあります。
「クラフト」というキーワード自体がすでに陳腐化しつつある感もしますしね。とりあえず付けとけば付加価値アップみたいな感じです。
クラフトボスとかもうちょっと笑っちゃうけど、めっちゃ買っちゃうけどw

で、昨日もそんな話になったんですね。
大手ビールメーカーがクラフトビールを一生懸命売ろうとすればするほど、「クラフトビール」というキーワードが無意味になってくるので、クラフトビールの市場シェアは何%目標か?という議論が難しくなってくる。

〇リンとしては確か3%を目標としてるわけですが、大手以外の小規模メーカー全体で1%のマーケット。大手ビールが残り2%獲得するのは難しいことではないと思います。〇リンの目指す3%と、我々の目指す3%は一緒じゃないですが。

小規模ビールメーカーのマーケットシェア

個人的な意見としては、小規模メーカーの事業者数は3倍になってるのにマーケットシェアはさして伸びてないわけで、今後も増えて5倍の1,000事業者くらいまでは増えそうなので、せめてマーケットも現状の5倍にはなってもらわないとそもそも成り立たないわけです。
なんならシェア10%を目標にしないといけないと思ってます。

でもシェア10%を目標にするとなると、我々中小企業のビールメーカーがどれだけ徒党を組んだとしてもかなり難しいと正直思います。今まで30年間でほとんど伸びなかった市場をこれからの10年で10倍にするには?

ただただ「ビール」を飲ませたい

某大手ビールメーカーの方々も、会社の方針としてクラフトビールに注力することと今までやってきた戦略とのギャップ、なんなら今まで築き上げてきた消費者の「とりあえずビール」という習慣それ自体を変えなければならないというジレンマに相当苦戦しています。
当たり前といえば当たり前だし、もともと我々小規模メーカーはその習慣へのアンチテーゼとして戦ってきたわけですから、おいおいって気がしないでもないですが、なんなら本人たちもその矛盾を飲み込んで向き合ってるわけです。

だいたいこういう話になるとお互いに相容れない雰囲気になってきます。
「クラフトビールの定義」≒「クラフトビールの権利」みたいな話になるので平行線になるんですが、
そもそもどっちも「ビール」をもっと売りたい、飲ませたい、広めたいと思っているだけなんですよね。

確かに今まで大手ビールの戦略はピルスナー一択で、消費者にビールスタイルを選択する機会を与えなかったかもしれません。
でも消費者が多様性を求めるようになってきて今まで通りじゃ売れなくなってきたから、大手ビールも必死。
そして、小規模メーカーのこっちも当然必死。
必死同士で、もっと「いろんなビール」を飲んでもらえるように協力できることがあるんじゃないかなぁと。

CM打って並べてるだけじゃ売れない

大手ビールも、ただただ「いろんなビール」のラインナップを増やしてCM打って、棚に何種類も並べたり、飲食店で売ってもらえるハードを作って供給しても、それだけじゃ売れないことに気付いてきたと思います。
ターゲットの多様性を求める消費者はマスのCMを見てないし、既存の「とりあえずビール」の習慣を変えるには、商品並べてるだけでは足らないんですね。
消費者は勝手に勉強して今まで飲んだことのなかったいろんなビールを積極的に飲むわけじゃなく、今までさんざん飲んできた「普通のビール」を当たり前に選択します。
だからこそ、我々小規模メーカーがもっと消費者に近づいていかないといけない。

大手ビールメーカーは我々小規模メーカーを潰してしまったらうまくいかないと考えてほしいですし、小規模メーカーは自力ではできないことをもっと資本のある企業と協力してやっていくことを考えるべきだと思います。
じゃないと10%どころか3%も無理だろうなぁ。

と、2時間くらい色々お話させてもらって、色々偉そうなことを言わせてもらいましたw
でも割と本心。それくらいやらないと、社会は変わらんよね。

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