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激闘の記憶1・鈴木千裕(すずき・ちひろ/クロスポイント吉祥寺) 「KID、五味以来の衝撃」“クレイジーダイヤモンド”前史。 (2020年1月公開。KNOCK OUT 無法島64㎏GPインタビュー&試合動画)

*2月11日、大田区総合体育館で開催された「テレ・マーカーpresents KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1
無法島64㎏GRAND PRIX」の試合前インタビューと、試合動画を公開します。激闘の興奮を再び!!

鈴木千裕(すずき・ちひろ/クロスポイント吉祥寺)

「KID、五味以来の衝撃」をもたらす
“クレイジーダイヤモンド”前史。
「立ち技に転向して1年、やっとここまで来ました」


文・撮影 茂田浩司

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プロフィール

「クレイジーダイヤモンド」

鈴木千裕(すずき・ちひろ)

1999年5月14日、東京都あきる野市出身。20歳。RIZIN FFアマチュアMMA2016 カンカCUP・フライ級優勝。パンクラス・ネオブラッドトーナメント2018フライ級(57キロ)優勝。2019年6月にシュートボクシングで立ち技デビュー。同年8月「REBELS.62」でキックデビュー。現在までキック3戦3勝3KO。兄はREBELS BLACK(ヒジなし)60kg王者の鈴木宙樹(ひろき)。愛称は「倒し屋兄弟」。 (*データは2020年1月時点)



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ハーフゆえの差別や中傷など、すべて乗り越えて、身につけた圧倒的な破壊力を持つ一撃必殺の拳。「クレイジーダイヤモンド」が輝きを放つ!!


 鈴木千裕はいつも「逆境」で戦ってきた。

 昨年、立ち技デビューすると持ち前の強打で格上の対戦相手を次々とKOし、格闘技通で知られる「無法島」作者、森恒二氏を驚嘆させた。
「パワフルで、対戦相手を暴風雨に巻き込むようにして倒す。山本KID選手や五味隆典選手以来の衝撃です」

*森先生が強い衝撃を受けたREBELS.62でのキックルールデビュー、洋介戦と、大番狂わせを起こしたKNOCKOUT×REBELS、橋本悟戦。



 見る人の度肝を抜く強打は、ペルー人の父と日本人の母を持つハーフで、手足が長く、腰の位置が高く、骨や拳が硬いという、生まれ持った資質から生み出される。兄・宙樹(ひろき)と共にパンチの硬さと伸びには定評があり、「倒し屋兄弟」の愛称通り、目下KOを量産中だ。
 だが「天性の強打」という武器は与えられた反面、彫りの深い顔立ちや手足の長さが幼少期からからかいの対象に。鈴木はこう振り返る。

「『ハーフあるある』ですけど、めっちゃ言われたのが『祖国に帰れ!』です(苦笑)。あと『なんで日本語喋れるの?』とか。ペルーへの差別もありましたね。『触るな、ペルーが移る!』なんて言われたり」

 からかわれたり、馬鹿にするような物言いをされたら、絶対に黙ってはいなかった。
「小学校の時は荒ぶってて、何か言われると『うるせえ!』って絶対に言い返して、小1から小6までよく喧嘩しました。6年生の時に最後の大喧嘩をしたんです。相手はクラスで一番体の大きな子で、マウントを取ったり取られたりで殴り合いして。僕のパンチが相手の目に入って大きく腫れてしまって、あとで『空手をやってるのにそんなことでいいの?』と親や先生に怒られて。それで反省して、それ以来、どんなにからかわれたり馬鹿にされたりしても、喧嘩は一切してないです」

 鈴木は3歳から伝統派空手を始め、中学で総合格闘技に転向。17歳でプロデビューすると、19歳でパンクラス・ネオブラッド・トーナメント優勝を果たした。だが、フライ級(57キロ)では最大12キロもの減量が必要で、毎回減量のきつさに悩まされていた。

 限界を感じていた時、山口会長が声を掛けた。
「階級を上げて、キックボクシングをやるか?」


 山口会長はこう述懐する。
「その選手に合う居場所を見つけてあげることが大事で、千裕はパンチがあるのに寝技でつけられて負けるのを見てきたので、打撃を活かせるキックの方が輝くのではないか、と考えたんです」
 鈴木は即決だった。
「やります」
 鈴木の脳裏に浮かんだのは、兄・宙樹の姿だった。

「お兄ちゃんはみんなが見ていないところで助けてくれるんです。一番キツい時に『千裕は絶対にチャンピオンになれるから』って励ましてくれました。普段はアホですけど(笑)大事なところでは守ってくれて、お兄ちゃんとしても、選手としても尊敬しています。僕もキックでベルトを獲って、兄弟そろって一緒にベルトを巻いてリングの上で写真を撮る、って決めてます」

 2月11日(火・祝)、大田区総合体育館で開催される「テレ・マーカーPresents KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1」が近づいてきた。
 無法島64㎏GRAND PRIXの1回戦の相手は、トーナメント抽選会で鈴木が指名した与座優貴(橋本道場)。
「20代対決で、無敗同士で、昔から意識してる与座選手とどうしても戦いたかったんです。ずっとベルトを獲ることを意識していたんですけど、今は与座選手との1回戦に全部集中してます。
 動画は100回以上見て、与座選手の蹴りは速いですけど自分のパンチの方が速いんで。今の自分の考えでは1RでKOできると思います。準決勝は西岡(蓮太)選手、決勝戦は古村(匡平)選手が来ると思ってて。全員、20代の選手を自分が倒して、ベルトを獲って、新しい世代、新しいKNOCKOUTを自分が引っ張っていく。そういうストーリーだと思ってます」

 立ち技転向1年で華やかな舞台に立つまでに這い上がってきたが、本人は「まだまだです」という。

「これから自分の階級の選手は全員ぶっ倒していくんで、まだ今の自分は『100』だとも思ってないです。今回のトーナメントで対戦相手を全員倒して優勝した時、自信に変わるんだと思います。ぜひ、2月11日、大田区総合体育館に来て『無法島64kgGP』で鈴木千裕が新しい時代を作る瞬間を見に来てください!」

(了)

<無法島GPでの鈴木千裕>

 1回戦の与座優貴戦を大接戦の末に判定で勝利するも、続く準決勝で西岡蓮太に敗れて「無敗で無法島GP王者」の野望達成はならず。だが、すぐさま練習を再開し、4月に再起戦も決まっていたが大会が中止。再開後はさらにパワーアップし、輝きを増した「クレイジーダイヤモンド」が見られるはずだ。



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