「BABYLON」

BABYLON デイミアン・チャゼル監督

LALALANDやWHISPLASHの監督のデイミアン監督の最新作を観てきました。
驚異の三時間越えと名だたるキャスト達と人間の欲望と下品さを詰め込んでおり、期待半分不安半分を抱えていましたが、僕は大好きな映画でした。

勿論不適切な描写はあります。薬の過剰摂取や糞や尿や性行為がバンバン出て、苦手な人は苦手だと思いますが、自分は人よりはそのような描写は沢山の作品で慣れてしまい、逆に興奮しました。

また、今回のテーマは何かと考えると、映画の過去と変わる時代だと感じました。
トーキ映画だったころ、美しくカッコいい俳優が演技をすれば、映画は完成していました。しかし、音声の映画が入り、俳優の声が聞こえるようになり、今の映画は完成しました。しかし、その声が良くないことで落ちぶれていく俳優もいます。その一人が今回のブラッド・ピットでした。
あんなにカッコいいのに、声が酷く観客から大笑いの存在になり、新作映画も何度もこけて、批評家からも捨てられます。

元々離婚歴も何度もあり、自身のことは自身が理解し、運が良く成り上がってきた人物の最期は悲しいと感じる自分ですが、このキャラは何かカッコ良く、変わらなくて何が悪いんだ。終わる時は自分が決めるという決心が見え、自分もこんな人間になりたいなと感じました。

他にも、セックスシンボルの最期と移民の男の人の最後のシーンが映画という素晴らしさを綺麗に表現しており、僕は下品さよりも、下品の中にある映画という一大産業を表現していると感じました。

三時間は一瞬で過ぎ、映画館を後にしました。
下馬評では、「コカインを吸ったLALALAND」と言われていましたが、全く違います。これは、「映画が作り上げた黄金時代の変遷」である。

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