今回リリースしたアルバム「Réminiscence」のジャケットの裏側を見ると、写真のようなマークが記載されています。少し見慣れない表示かもしれません。こちらは著作権に関する表示で、Creative Commons(クリエイティブ・コモンズ　以下CCと略)と呼ばれるものです。
　今回の作品は、いわゆるJASRACなどの管理委託会社に著作権管理を委託しておらず、自身で著作権を管理できるようなしくみの中で頒布しています。
　詳しい仕組みはこちらをご覧いただくとして、一般的に使われている著作権は、作者が完全に所有（All rights reserved）する枠組みの中で運用され、縛りがどうしても強くなっています。それはそれで、作者の権利を守るために必要な仕組みではありますが、聴く方や、２次利用をしたい人にとっては、制約の強いものでもあります。
　そこで、その枠組みを少し拡張して、どの部分について自由に使って良いか、作者の許諾がいるのか、などを比較的自由に決めることができる（Some rights reserved）のがCCです。インターネットの普及に伴って考案された、新たな著作権の枠組みです。
　CCライセンスを使うことで、作者は著作権を保持したままで、作品を見て自由に流通させることができるほか、受け手側は、ライセンスの条件範囲内で、再配布やリミックスなどをすることができます。
　著作権にもグラデーションをつけて、配布する側が、権利の範囲を自由に調節できるというしくみです。

　ちなみに今回のCDでは、非営利目的である条件で、適切なクレジットを表示することで、2次利用が可能であることと、変更があった場合はその旨を表示する義務を付与しているほか、営利目的の場合は、著作権者の許諾が必要であるという条件を付与しています。
　この条件に当てはまれば、特に使用料などは生じません。広い裾野で比較的自由に自分の作品を広めたいということもあり、このような形を取ることにしました。

　また、カフェなどのお店で利用していただく場合は、営利目的に該当することもあって、通常であれば著作権管理委託会社に使用料を支払う必要が生じますが、私の作品は著作権管理を委託していないので、私の裁量で決めることができます。
　今回のCDを出した目的のひとつは、自分自身の音楽を広く多くの方に聴いていただいて、気に入っていただける方を増やしたい、ということでもあるので、なるべく公共の場で聴くことのできる機会を増やしたいと考えています。
　そこで、カフェや店舗でBGMとして音楽をかけていただくことは、条件をつけたうえで、使用料無しで使っていただくことをOKとしています。
　条件といってもそんなにハードルは高いものではなく、直接CDを購入していただいたものを流すことと、店舗等でCDをディスプレイまたは紹介していただければ、バンバン使っていただいて結構ですので、是非是非よろしくお願いします！