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個人的・お気に入りピアノBGM

世間的にはお盆休みになりました。
自分も、ここ2日は久しぶりのゆっくりした1人の休日。自宅でゆったりしながら、音楽聴きながらダラダラしています。

1人で過ごす時はわりとピアノものの音楽をBGMにするのですが、今回は、わりと長くお気に入りなピアノものをちょこっと紹介してみようと思います。
ピアニストのお気に入りなピアノものとなると、読む方も、ほう、どんなのを聴いてるんだ?と、なんとなくハードル上げられてる気もしないではないですが、そんかマニアでもないので、その辺はご容赦ください(笑)。


小曽根真「Reborn」

ピアノものと言いつつ、ソロピアノでもなくいきなりピアノトリオです。
小曽根さん初めてのスタンダードナンバーに取り組んだアルバムだとか。
100%ジャズ!という感じではなく、クラシカルな要素も含めつつ、1cmくらいポップスに寄せたくらいのサウンドが自分的にはとても心地よいです。
このお盆休みの朝のBGMでかけてます。
これかけながらパンと目玉焼きにサラダを食べつつ
アイスコーヒーなんで用意した日には、確実に爽やかな朝を迎えられます。
当時開催していた展覧会「THEドラえもん展」のために書き下ろした「ドラえもんのうた」のセルフカバーがなかなかに秀逸です。


谷川賢作「Nature boy」

これも割と昔から好きなアルバム。ことあるごとに聴きかえすやつです。
谷川賢作さんもジャズやってはる方ですが、どこかクラシカルな要素もあって、割とミクスチャーな音楽が好きな自分としては、どストライクなピアノソロです。
メロディーと、どこか朴訥さを感じさせるプレイがとても好きです。
どの曲もおすすめ(そりゃあベストアルバムですからね。笑)ですが、特にいいのはM-2「こいぬのきもち」、M-13「娘の結婚」。まるでピアノが鼻歌を歌っているようです。
日記的な佇まいのする音楽は、自分の作曲(というかアプローチ)のお手本にしてるところがありますね。

Jorge Dalto「Solo Piano」

ホルヘ・ダルトは、アルゼンチン出身のジャズピアニスト。フュージョンを聞かれるかたなら知ってる方も多いかも。
ラテンジャズが結構好きで、マリオバウサの「Afro Cuban Jazz」というアルバムにどハマりした時に、そこでピアノを弾いてたのがこの方でした。「Mambo Inn」のピアノソロは耳コピするほどハマりましたねえ。
ラテンジャズの、イーブンなビートでスイングしないのに踊り出したくなるあの独特なノリは、ハマると沼ですね。
こちらはソロピアノのアルバム。ライブ盤です。作業中のBGMには適さないかもですが、音量下げたら、ソファでうたた寝しながらぼーっとするBGMになかなか合います。


Febian Reza Pane「Return to Another Horizon」

この前のfuyafuya no maのライブでもMCで少し紹介しましたが、私が最も敬愛するピアニストのおひとりです。
普段はスタジオセッションやアーティストのサポートが多いのですが、ソロワークもされていて、クラシカルベースな即興などは、キースジャレット様のようです。
パネさんのピアノは、とにかくリリカルの極み。お人柄が滲み出てくるような繊細さは、演奏のテクニックの高度さのみでは表現は成り立たないことを身をもって感じさせてもらえます。
お気に入りのアルバムはたくさんありますが、一番良く聞くのはこちら。
フォーレやラヴェル、ショパンなどの影響も見え隠れしつつ、ご自身のルーツであるインドネシアの音楽の要素も漂っていて、その深みから、何度も聴いてしまう作品集です。
僭越ながら、私の「images sans nom」というアルバムの中に収録された曲のいくつかは、パネさんの影響を受けたものが割とありまして、「Nostalgie」などは、パネさんが弾いたらどんな感じになるのかなあ、なんて妄想しながら作った曲です・・・。


Keith Jarrett「バッハ;平均律クラヴィーア曲集」

キースジャレットといえばそりゃもうケルンコンサートが真っ先に挙がるわけですが、あえてクラシックで。
キースはクラシックピアニストでもあるのですね。なんというか、バッハのメロディが不思議とポップに聞こえるのですよ。作業用のBGMとしてイチオシしたいCDです。
ちなみに自分がバッハ練習する時のお手本演奏はこのCDにしてます。


Brad Mehldau「After Bach」

バッハものを出してきたので、そのつながりでもう1枚。
こちらはバッハの曲+その曲からインスパイアされて創作された楽曲からなるアルバム。
なんだかジャズのようでもあるしクラシックのようでもあるし、クロスオーバーのような漂いもあり、ジャンルを明確に分け難いところがあります(そしてそういう音楽がやはり自分は好きなようです)。
こちらも作業用のBGMによく使っていて、集中したい時はこれを流しますね。


坂本龍一「Playing the Piano 12122020」

いろいろある教授のピアノものアルバムから、こちらを。
これは2020年のライブの録音盤。有名どころの曲はほぼ入ってます。
テンポは全体的にスローで、晩年の教授のピアノ演奏のスタイルですね。テンポが緩いぶん、じっくりと音楽を楽しめます。寝る前や、夜のBGMによく流しています。「美貌の青空」「シェルタリング・スカイ」などは、以前の録音より、この頃の録音の弾き方のほうが個人的には好みです。
後日出版された自伝によると、このライブは余命宣告を受けたという翌日に弾いた録音とのことで、それを知ってからこれを聴くと、ちょっとまた違った聞こえ方がしてきます。


原摩利彦「Landscape in Portrait」

教授つながりで。原さんは京都在住の音楽家。作られる音楽も自分が作るやり方に似たところがあって(けどこの深みには程遠い)、興味があって買ったCD。
さすが、いろんなインスタレーションに参加されてる方の作品だけあって、さりげないBGMでも、ばっちり存在感があります。フィールドレコーディングで使われる素材もバラエティに富んでいて面白い。
疲れて帰ってきた後に気分入れ替えたい時に聴いてます。なにも考えずに、すっと空気のように入ってくる音楽です(風景音含め)。
ちなみに恵文社一乗寺店では、原さんのこのCDに並んで、私のCDが置いてありました(ひょえー恐縮です)。


田部京子「吉松隆;プレイアデス舞曲集」

個人的には和風なラヴェルなイメージのピアノ曲集。
ギャラリーのBGMを選んでくださいと言われたら、こんな音楽を流したいなあと思ってます。
変拍子や複合拍子が心地よいので、ついついもう1回、となってしまいます。
吉松隆さんは現代音楽の作曲家ですが、わりとポップなものもたくさん作っておられて、しかもプログレがめちゃ好きなんだとか。
作る音楽と真逆の趣味を持つって、やっぱり大事だよなあ、って思う。


杉原一平「遥か晴る」

大学の先輩の友達ってことで紹介してもらったCD。
杉原さんは福井在住で、高校の教員をしながら音楽活動されてる方で、このアルバムは、ファッションブランドの「アンリアレイジ」のコレクションに用いるBGMとして作られたもの。
ラヴェルやエリックサティ、フォーレのようなフランス音楽っぽさがありつつ、どこか和なテイストもありで、この方も教授が好きなのかなあ、と勝手に想像してますが、めっちゃ好きな感じの音です。
最近は音楽活動されてるのかなあ、ライブがあれば聴いてみたい方のお一人。
読書のお供によくかけてるかな。


伊藤恵「プーランク;即興曲集」

プーランク、時間があったらじっくり取り組んでみたい作曲家の1人。
調性あるんだかないんだかけどあるんだよなー、みたいなところが好きです。
抽象音楽の合間にたまに現れる美しいメロディにグッと心を持っていかれる感じ。
プーランクの即興曲といえば「エディットピアフを讃えて」が有名ですが、そのほかは、わりとリスナーを突き放してるようなところも感じられて、なかなかいいです。
ベートーヴェンのように「さあ聴け!」みたいな音楽でないので、空気のように流れているBGMとして聴けて好きです。



お盆休みも後半。ゆったり時間にピアノのBGM、いいですよ。
心の平安を保つことって、ほんとに大事だよなーと最近特に思うようになりました。

もしよかったら、聴いてみてくださいね。


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