見出し画像

サーナイトだけを4ヶ月擦り続けた男目線のCL横浜直前でのサーナイトデッキ完全解説書

割引あり

こんにちは。kokiと申します。
さっそくですが、WCS2023も終了し、「黒炎の支配者」というBOXによって環境に大きな影響が生じている現状において、『サーナイトex』デッキはどのような立ち位置にいるのか、戦っていくのかをまとめました。

筆者は4月14日のスノーハザード・クレイバーストの発売から約4ヶ月、ほぼ『サーナイトex』デッキだけを擦り続けています
多くのデッキタイプとも対戦をしてきましたし、シティリーグや自主大会などでも成績は出してきました。

そんな日々『サーナイトex』デッキだけに没頭をしてきた筆者目線でCL横浜直前における『サーナイトex』デッキについて整理、解説をしました。
この4ヶ月の集大成としてご購読いただけますと幸いです。


環境整理

直前での大型大会「ラッシュCS(8月20日開催,565名参加)」の分布図が、現環境に対して最も参考になるかと思います。

出典:シャロンch

環境としては圧倒的に『ロストギラティナ』が多いですね。
全体の25%以上を占めるのは少し意外でした。

2位は『リザードンex』でした。黒炎の支配者が発売されて一番増えると想定されていたデッキタイプです。

型としては「ピジョットex+アルセウスVstar」が半数ほど、「アルセウスVstar+ビーダル」が3割ほど、「ピジョットex+アルセウスVstar+ビーダル」が2割ほどです。

個人的には「頂への雪道」を考えると「アルセウスVstar+ビーダル」型がいいのではと思っていたりですが、それはまたの機会に。

3位は『サーナイトex』(13.8%)
4位は『パオジアンex』(11.5%)
5位は『ルギアVstar』(6.4%)
という結果でした。

決勝トーナメント出場者分布
全デッキ書き起こしてみました。データで見るって大切
TOP64,なぜか合計63人しかいなかった

現環境、鍵となるのは『リザードンex』デッキです。
黒炎の支配者にて登場し、インスタントにエネルギーの展開+HP330の高耐久を実現することのできるデッキです。
悪タイプであることも重なり、JCS2023でも優勝した『ミュウVmax』や環境上位にいた『サーナイトex』をいとも簡単に倒すことができます。
黒炎の支配者発売前から話題となっており、デッキタイプとしても人気になることは想定できました。
現にラッシュCSでは分布2位、BOX発売翌日のトレカフェス(主催:BOOKOFF、400名規模)では分布1位にいたデッキです。

一方でTOP64に残った割合で言えばどうでしょう。
全体分布に対して、『ロストギラティナ』『サーナイトex』『ミュウVmax』は決勝トーナメント進出率が高いですが、一方で『リザードンex』『アルセウスギラティナ』等は進出率が低いです。
『アルセウスギラティナ』については全体の母数と割合が小さいため、今回は割愛をいたしますが、『リザードンex』についてはかなり明確な理由が存在していると考えます。

「リザードンex」の弱点

早速ですが、『リザードンex』の弱点は以下です。
①「頂への雪道」で止まる
②2進化主体のデッキのため、序盤の安定性に欠ける
③ドローエンジンが特定カードに依存している
④殴り始めの打点が低い

もちろんメリットもたくさんありますが、現環境には置いては上記の弱点をつかれてしまうことが多いです。

対『ロストギラティナ』においては①〜④全てが厳しく叩きつけられます。
①複数の「頂への雪道」
②「ロストマイン」や「おとぼけスピット」によるヒトカゲのきぜつ
③中盤〜終盤での「ツツジ」の押し付け
④「ギラティナV」を序盤に倒すことができず、ロスト加速を許してしまう

また、強みである「リザードンex」の高耐久力も、「スターレクイエム」によって一撃できぜつさせられてしまうのが、試合展開全体を不利にさせられてしまいます。

対『サーナイトex』においては②、③を押しつけられます。
また『サーナイトex』の長所でもある、1:2のサイド交換を押し付けられてしまうため、「ボスの指令」などで「サーナイトex」を獲ったとしても、復帰を許してしまえばすぐに捲られてしまいます。

また最近では『ロスト系統』のデッキや『サーナイトex』『ルギアVstar』などで多く採用が見られる「ミュウex」が天敵です。
サイドを5枚進めた際に「ミュウex」の「ゲノムハック」を許してしまうと、「バーニングダーク」をコピーされると330打点を出されてしまい、「リザードンex」を一撃で倒されてしまいます。

このような形で、『リザードンex』といったデッキはインスタントに高耐久をつくることができるメリットがある一方で、メインギミックだけではかゆいところに手が届かない器用貧乏なデッキという印象が強いです。
「ロストシティ」や「ルチャブル」「かがやくフーディン」といったサポートカードを採用することで、各デッキへの対策を講じることもできますが、一方でパーツが増えすぎて安定性を欠いてしまうことがあります。
正直現在の立ち位置は厳しい印象にあります。

各環境デッキの強さ

前置きが長くなりましたが、CL横浜環境前の各デッキのTier表を作成しました。完全に筆者の主観です

Tier表にも色々な指標があるかと思います。(使用者数、強さなど)
今回は純粋な強さ=勝率にてTier表を作成しています。
ゆえに使用者数は加味しておらず、ある程度そのデッキに対する練度が高い人が握った際の勝率を想定しております。
そのため、『サーナイトex』や『ロスト系統』での時間切れは加味をしておりません。

また現在の環境はメタで回っています。
『サーナイトex』に対して『ゴッドパオジアン』が強く出られるため流行し、『パオジアン』に対して「頂への雪道」を複数回利用することのできる『ギラティナVstar』や『ミュウVmax』などが強く出られるなど、各環境デッキに対してメタで回っている群雄割拠の状態です。

CL横浜ではBO1という大会の特性上、どうしても運が絡んでくる大会です。
そのため、上記メタを読みながら、再現性の高い及び上記サイクル外のデッキに対しても有利をとることのできるデッキを握るのが良いです。
上記理由を加味すると、
サーナイトex ≧ ロストギラティナ > ルギアVstar = ミュウVmax
が優先度としては高い気がします。
※もちろん自分が長く握ってきて、練度が高まっているデッキを握るのが一番オススメです。信じられるのは自分の相棒だけ。

サーナイトデッキの型

こちらはある程度おさらいになりますが、「サーナイトex」をメインにしたデッキは大きく5つに分類されます。

① 通常型
② ネオラント採用型
③ おまもりフワンテ型
④ リバーサル型(ミュウツーVU)
⑤ コントロール型

① 通常型

nNngNn-3wuwmx-QQPiHg

CL2023新潟やJCS2023にて、ポケカ四天王のヤマグチヨシユキ選手が使用し、一躍話題となった型です。
「ナンジャモ」や「博士の研究」といったドローソースをしっかりと確保しながら「リファイン」やボール系統のカードも絡めて山札を薄くし、終盤は「すごいつりざお」「ともだちてちょう」でほしいカードだけを山札に戻し、理想の動きを狙うことができるデッキタイプになります。
現環境では「ミラージュステップ」を採用し、ロスト系統のデッキや「ロストシティ」に対して強く出る必要があります。
最近では「ミュウex」や「ロストスイーパー」、2枚目の「月明りの丘」といった61枚目になるカードを都度採用・不採用することが多いです。

② ネオラント採用型

pSXEyX-i9Yva9-yXUMXy

WCS2023にてTord選手の使用が注目を浴びた構築です。
ネオラントV + 森の封印石で「ボスの指令」などの強力なカードをピンポイントで複数回持ってくることのできる構築です。
盤面によって使い分けを行う必要があり、通常型に比べ扱いの難易度は高いです。

③ おまもりフワンテ型

5dfkkk-D9miDM-Fdfk1v

クレイバースト発売当時に流行っていたアーキタイプです。
インスタントに高火力を出すことができるのが魅力であり、かつサーナイトをバトル場に出さずに高火力を出すことができるため、手札を守ることにつながります。
4,5月ほど「ツールジャマー」「パニックマスク」といったメタカードの採用も減っているため、突発的に登場したら対処が難しいデッキです。
フワンテの火力は無視ができず、後続を守ることができるのが一番のメリットでしょう。
一方で「ロストマイン」は天敵です。フワンテがバトル場にいる時点でサイドの複数どりを許してしまうため、現環境ではかなり戦いづらいデッキでしょう。裏を返せば(ないとは思いますが)ロストが厳しい環境がやってきたときには、輝くタイミングがまわってくるデッキです。

④ リバーサル型(ミュウツーVU)

SXyXSp-FvG1hY-UXySyy

こちらもCL2023新潟にて脚光を浴びたデッキタイプです。
バディキャッチで器用にサポートを引き寄せながら、ミュウツーV-UNIONの「サイコプロージョン」「ファイナルバーン」やエルレイドによって、相手の盤面を崩しに行くのが強みのデッキです。
最近ではミュウexの登場によって、ミュウツーV-UNIONが裏目に出てしまうこともありますが、意識外にこのデッキが登場すると非常に相手のしづらいタイプです。

⑤ コントロール型

YcGJcD-U5a0nO-xaa8c8

通常型のラインに加え、「頂への雪道」と「ジャッジマン」を追加採用した構築です。『サーナイトex』の戦い方に加え、「頂への雪道」で相手を止めながら「ジャッジマン」「ナンジャモ」で相手の手札に干渉をしつつ、自分は「リファイン」「アルカナシャイン」で手札を伸ばしていく構築になります。
自分の動きを止めてしまう「頂への雪道」は、「ふしぎなしっぽ」でタッチできる「ロストスイーパー」やボール系統で持ってこられる「バケッチャ」で割る動きが狙えます。
『サーナイトex』が苦手とする『ゴッドパオジアン』や、その他『リザードンex』『サーナイトex』に対しても強く出られます。

各タイプの優先度

① 通常型
② ネオラント採用型
③ おまもりフワンテ型
④ リバーサル型(ミュウツーVU)
⑤ コントロール型

上記各タイプの強さを比較をすると、
② ≧ ① > ⑤ > ④ > ③
になるかと思います。

ただ、扱い難易度の高さと安定具合を考慮すると、CL横浜でオススメをしたい順序は、① > ② = ⑤ > ④ > ③ となります。

②のネオラント採用型は非常に強力であり、通常型にも優位に動くことができますが、ネオラントVスタートという大事故に加え、頂への雪道がよりヘビーになってしまう要素から、優先順位は通常型に劣るかと思います。

③のおまもりフワンテ型は、先述の通りロストマインが大きな壁です。
より高HPのポケモンが増えてくる環境になってくれば、もしくはワザの効果から守るような特性等(「なみのヴェール」の効果版)がでてくれば、また輝くかもしれません。

④のリバーサル型は初見殺しのデッキタイプです。「頂への雪道」を押し付けながら、高耐久+高火力の「ミュウツーV-UNION」で巻き返しを図るデッキですが、アーキタイプが出回ってしまっている今、このデッキの強みは一つ削られてしまっています。またせっかく立てた「ミュウツーV-UNION」が、「リザードンex」にお手軽に獲られてしまうのも向かい風の一つです。

⑤のコントロール型も強力ですが、現環境では「月明りの丘」を優先的にプレイしたく、「頂への雪道」をプレイしたターンに「月明りの丘」をプレイできないという矛盾に悩まされてしまいます。

一方で①の通常型は、非常に多くのプレイヤーから意識をされているデッキタイプです。メタもされやすい立ち位置にいるため、意表をつきたい人は②や⑤を握ってみるのもおすすめです。

「月明かりの丘」の登場

ジムバトルの参加当選確率と民度をぶっ壊したカード。
発表当時は3枚目のスタジアムとして1枚入るかどうかくらいの評価でしたが、『ロストギラティナ』のシェア急増によって一気に評価を高めました。

このカード1枚でできることは5つ。1枚5役というとってもお得なカード

①超エネルギーのトラッシュ加速
②盤面からダメカンを取り除くことができる
③「アルカナシャイン」サーナイトの可能打点を高められる
④「頂への雪道」を破ることができる
⑤相手のスタジアムを誘発できる

①超エネルギーのトラッシュ加速
こちらはおまけ程度ですが、『サーナイトex』というデッキではワザ使用や火力がエネルギー枚数に依存するというデッキ特性上、従来ではエネルギーがどうしても1枚足りないというシチュエーションが多く存在していました。そのため、このカードの登場によってエネルギー枚数を間に合わせることができるようになったのは、割と助かっています。

②盤面からダメカンを取り除くことができる
このカードの価値を一番高めているポイントです。
これまでの『ロスト系統』対面では、「ヤミラミ」の「ロストマイン」で「キルリア」を倒されながら残りの40点を他のポケモンに乗せられ、もう一度「ロストマイン」にてさらに12個のダメカンをばら撒かれることによって合計サイド3枚どりを許してしまうというのが王道の負けパターンになってしまっていました。
しかしこのカードの登場によって、キルリアを取られてしまっても40点のダメカンを1つに減らせたり、「ムーンライトリバース」と組み合わせることで完全に取り除くことができたりするようになります。

またこちらの攻撃タイミングでも、次の相手の番に取られなくするようなHP調整をすることもできます。

例:
・「サーナイトex」に2エネ加速 + 1枚手貼り
→従来ではHP270になり「ロストインパクト」圏内に。
「スターレクイエム」と合わせて2回連続「サーナイトex」が取られてしまう盤面に。
月明かりの丘で回復
→ HPが300になるため「ロストインパクト」では倒されない

・「アルカナシャイン」の「サーナイト」に2エネ加速+1枚手貼り
→従来ではHP100になってしまい、「おとぼけスピット」「ロストマイン」圏内に。
月明かりの丘で回復
→ HPが130になるため「おとぼけスピット」「ロストマイン」では倒されない

・「アルカナシャイン」の「サーナイト」に2エネ加速+「リバーサルエネルギー」1枚手貼り + 「アルカナシャイン」で1エネ加速
→240打点で「ギラティナV」を倒しながら、月明かりの丘で回復することによってHPが130になるため「おとぼけスピット」「ロストマイン」では倒されない

③「アルカナシャイン」サーナイトの可能打点を高められる
これまで「リバーサルエネルギー」「アルカナシャイン」に頼らず、インスタントに出すことのできる「ブレインウェーブ」の打点は、「サイコエンブレイス」の加速のみで240打点、1枚手貼りで270打点が限界値でした。
このカードの登場によって、さらに「サイコエンブレイス」で貼ることのできるHPの余裕を2枚分つくりだすことができるため、「サイコエンブレイス」の加速のみで300打点、1枚手貼りで330打点を出すことができるようになりました。当然必要な超エネルギーの枚数は上がるため、簡単にこの打点が出せるようになったわけではないです。
しかし「リバーサルエネルギー」に頼ることなくこの打点を出すことができるようになったことが優秀で、序盤に「リバーサルエネルギー」をトラッシュせざるを得ない場面に遭遇しても、このカードによって必要場面でもなんとかなることが多くなりました。

④「頂への雪道」を破ることができる
こちらはスタジアムとしての役割ですね。
後述をしますが「崩れたスタジアム」は、できれば「頂への雪道」を割るカードとしては使用したくありません。

⑤相手のスタジアムを誘発できる
「頂への雪道」を剥がすだけではなく、相手が手札に抱えている「頂への雪道」を誘発することができます。

「崩れたスタジアム」が場にある場合は、相手にとっては無理に剥がす必要のない場面です。
むしろ『サーナイトex』側にとってベンチを広げることができず、置いたままにしたほうが相手目線メリットがあります。

「ボウルタウン」が場にある場合も同様です。
置いたままにされると『サーナイトex』側はベンチが埋まっていることも多く「ボウルタウン」の恩恵が受けられないケースもあり、相手側は「ヤミラミ」「ウッウ」といったアタッカーを展開できます。
展開できなかったとしても、無理に剥がす必要もありません。

上記のように従来のスタジアムであれば無理に「頂への雪道」によって剥がすメリットがなく、「ツツジ」などと絡めたいタイミングでプレイするために抱えておくというプランがとられやすくなってしまいます。

一方でこの「月明かりの丘」というスタジアムが置かれている状況はどうでしょうか。『サーナイトex』側に大きなメリットを与え続け、一刻も早く剥がしたいスタジアムになります。
1ターンでも長く「月明かりの丘」の存在を許すことができず、手札にある「頂への雪道」を温存させることなくさっさとプレイしなくてはならない盤面をつくることができるため、『サーナイトex』側は「頂への雪道」を破る機会を早くつくることができます。

==

無料部分をお読みいただき、ありがとうございました!
ここまでを無料部分、以降を有料とさせてください!
有料部分では、以下の内容を記述しております。

・現環境で使用するデッキリスト
・採用カードについての解説
・不採用カードの理由
・各カードレアリティの意味
・プレイング方針
・各環境デッキに対しての戦い方

こちらのツイートをRTしていただくことで、お得にお読みいただけるので、ぜひよろしくお願いします!


現環境で使用しているデッキリスト

以下ここ1か月ほど私が実際に使用しているデッキです。
レアリティもそのままにしています。

ここから先は

18,943字 / 46画像

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?