#39 いきもの係

学校から帰ったしょうとは、すぐに「おじいちゃん、たけしとそうまとカナヘビをとりに行くわ」と私に言った。5年生に進級し、しょうとはそうまとはじめて同じクラスになったのだ。しょうとは、いきもの係に立候補した。学級会で、「いきもの係になって、カナヘビを飼いたい」としょうとが言った。「おれもいきもの係になりたい。カナヘビはすきや!」とそうまがすぐに言った。学級でいきもの係は2名とのきまりだったので、しょうとそうまのいきもの係はすぐに決まった。

しょうとたちはいつもの草むらに行った。夕方の6時になってようやくしょうとは帰ってきた。「きょうはどうやった?」と私が言った。「いっしょにカナヘビさがしたわ。ペットボトルで罠も仕掛けてあるわ。また行くことになったわ。たのしかったわ。」おやつにパンをたべながら、しょうとは言った。

自分はカナヘビの世話ならできる。カナヘビの好きな人は男子も女子もいる。水やりや植物の世話なら自分もできると考え、栽培委員にも立候補した。

「4年のときは、先生のいうこと聞かへんだしな。みんなと一緒にやらへんだこともあったでな。5年生での新しい学級でがんばるわ」と言った。しょうとは、『学級のみんなに役立つことで、自分ができること。』を考え、自分で決めたのだ。


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