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HPC(プライマリーコース)に応募してから合格するまでの3ステップ


【読者の想定】

  • HPCのプライマリーコースに応募を検討している方。

  • HPCのプライマリーコース気になるけど、どんなポストがあるのかイメージつかない方。

  • HPCのプライマリーコース応募のために書類を準備しているけど書き方がわからない方。



HPCってなんぞ?

正確には広島平和構築人材育成センター(HPC)が外務省からの委託を受けて実施している「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」っていう事業です。その中でキャリア10年前後の方を対象にした研修事業の”ミッドキャリアコース”というものもあるのですが、私が経験したのは”プライマリーコース”というものです。業界でよくHPCって言われているので本ブログではそのままHPCを使います。
ほんで、HPC(プライマリーコース)を簡単に説明すると5週間の国内研修と1年間の海外研修(UNVとして各国際機関で働く)を通じて人材育成をする事業のことです。

もう少しだけ説明させていただくと、UNVとはUnited Nations Volunteersの略です。形としてはUNVと契約を結んだ私が国際機関に派遣されて働くことになりますが、まぁーそういう契約形態があるんだと考えてもらえればいいかなぁと思います。Volunteerと言っても給与みたいなものはもらえるので独り身かつ激家賃高い国でなければ毎月貯金できるくらいの待遇です。詳しくは別のNoteに記載しようと思います。

私の場合はこの事業を通じてWFPのDar es Salaam Country Office(タンザニア)の小規模農家支援ユニット Programme Policy Officerとしては働いておりました。

HPCは以下のページで毎年8月-9月初旬に募集がかかるので気になる人はチェックしてみてください。

HPCを通さなくてもUNVは常時複数ポジション募集しているので、気になるポジションがあれば応募してみてくださいませ。
*右上のUVPというところで初期登録すれば募集かかっているポジションが見れるようになります。

2024年1月時点の募集ポジション例

HPCでのUNV経験がその後どう活きたか

結論から言うと大きく3つあると思います。一つ目はJPOに合格し引き続きWFPからオファーをもらえたこと。業界にいる方からすると「あるある」のキャリアパスになりますが、大学院卒業後から落ち続けてきたので個人的にはUNVとしてWFPの経験は大きかったなと思います。二つ目は国際機関で働いていける自信がちょっとついたこと。いままで英語を使った仕事の経験はあるものの常時英語、日本人がマイナーな環境でのお仕事は個人的に初めての経験でした。多くの新たな課題が見つかったものの、最後のほうは忙しくも楽しく仕事をできていたこと。また、自分が担当しているプロジェクトでは自分の主張を通してマネジメントできていたことは自信につながりました。3つ目は現場経験。同世代のWFPで働くスタッフと比べるとWFPで働く前は学生時代のケニアでの経験しかなく、JICAでは東京本部勤務+コロナであったことから裨益者や現場からは距離がある状況が続いてました。タンザニアではだいたい月1回1週間くらい裨益者がいる現場に赴き仕事をすることができました。実際に現場に行くとうまくいかないことも多く「むずかしぃなぁ~」って頭悩ませてましたが個人的にこの距離感での仕事が個人的には楽しく働けるなと認識できたのは今後の自身のキャリアを考えるうえで大きい気がしてます。
もちろん、細かいことを言えばWFPの小規模農家支援プロジェクト、上司のリーダーシップ、メンタルケア方法等たくさんの学びがあった1年半でした。(HPCでの1年間終了後自分は契約を半年延長しました。)

HPCに応募してから合格するまでの3ステップ

HPC自体の宣伝はこの辺にしておき、実際に応募してみたいと考えている方に向けて個人的にどのように応募しオファーをもらったのか共有させていただきます。大きく分けるとステップとしては3つ。①自身のキャリア計画におけるHPCの位置づけを考える②応募書類を揃える③面接に備える となります。ステップ②③についてはJPOとさほど変わらないものの応募する段階でポジションが想定できない(合格後に各ポジションとのマッチングを行うため)のが大きな違いです。以下各ステップを主にJPOと比較しながら説明してみたいと思います。

ステップ1 自身のキャリア計画におけるHPCの位置づけを考える

まずはここ、前述したとおり、HPCは人材育成事業になるので個人的には「この人はHPCでの経験を通じて将来いい感じの人道/開発プロフェッショナルになってくれそうやなぁ」と思ってもらえれば受かると思います。
考え方的には「将来○○な感じのキャリア描いているけどそのためには現場/国連/その他HPCが提供できる価値が足りないんよ」と書類でアピールできりょうになっておくといいかなぁと思ってます。
私の例で言えば、当時はレジリエンス分野の専門家になりたい(To-Be)と思ってました。ほんで、HPCを通じることで思い描くキャリアに足りない①現場経験②国連等での業務経験③レジリエンス領域での仕事経験等を得られるのでは。ということを応募書類に記載してました。

ステップ2 応募書類を揃える

HPCの機会を自分のキャリアプランに一回落とし込んだら実際の書類作成に取り組みましょう。HPCに応募に必要なのは以下の通りです。
①申し込み書
②Career Plan Essay
③語学証明書
④誓約書
この中で語学証明書はとりあえず自身で頑張るとして、工夫の余地があるのは①申し込み書と②Career Plan Essay (以下、エッセイとします。)でしょう。それぞれについて説明していきます。

①申し込み書
実際に上記のHPCのホームページから申し込み書をダウンロードすればわかることですが、ほぼP11です。*P11についての説明はおれもよくできないのでこちら参照。まぁーざっくり言うと超ロングCV(職務履歴書?)です。
過去のノートにも説明しましたが、よほど関係ない経験や謎資格でない限りここではかけるだけの経験と成果を記載したほうが良いと思います。若干難しいのはJPOと違いポジションを想定して作ることができないため、ざっくり「人道・開発援助領域」に関係ありそうなのはいっぱい書きましょう。
個人的によく受ける質問は「新卒で経理部にいたんですけど書かないほうがいいすか?」とか「最初は事務仕事ばっかで書けることがあまりないでやんす」ですが、結論から言うとHPC応募の際には記載したほうがいい気がします。前者の場合は経理→Finance 全般への理解があることはそのままFinance Officerとして役立ちますしProgramme Officerにもプロジェクトの予算管理は求められるので、まったく関係ないことはないです。ほんで後者に関してはもう少し解像度をあげてどのようなことをやっていたのか記載してもいいかなと思います。この際、かっこよく書いちゃいましょう。例えば、チームの航空券やホテルの手配であればLogistics/Mission Managementと言えるでしょうし、クライアントやドナーとの会議設定や提出物のやりとりではFocul point of/forみたいな感じですかね(かっこいい気がする)。

②Career Plan Essay
HPC独特の応募書類と言えばこのエッセイでしょう。分量にすると500 Words以下、枚数では12ポイントでA4一枚ちょっとの量となります。この部分で「自己アピールをしつつ、自分の将来のキャリア線上になぜHPCが必要なのか」を記載する書類だと私は理解しています。もう少し細分化したいと思います。
まず、簡単な方から説明すると前述したステップ1で考えたHPCが自身のキャリアになぜ必要なのかを過去、現在そして10年後程度のキャリアを軸に説明することが必要となると思います。
次に自己アピールの部分ですが、ここは「いままでこのような経験をしてきた」「○○とう成果を出してきた」に加えて「将来は○○として活躍してきいきたい」「そのような成果を出していきたい」という要素を上記キャリアプランに組込むということです。

私の場合、構造で説明すると以下となります。前述した自己アピールの部分は"2.「なぜそのような考えに至ったか」"及び"3.「将来のキャリア詳細(5年後・10年後に分けて)」"の部分に散りばめられるといいかなぁと思います。
1.「将来のキャリア」全体の12.5%
2.「なぜそのような考えに至ったか」全体の25%
3.「将来のキャリア詳細(5年後・10年後に分けて)」全体の25%
4.「HPCの経験が上記将来のキャリアにとってなぜ重要なのか」全体の25%
5.「締めの要約」全体の12.5%

提出する前に一度音読して大丈夫そうであれば所定の提出方法で提出後
、カフェに行きコーヒーを飲み、サウナに入りましょう(サウナがある国に住んでいれば)。

ステップ3 面接に備える

書類通過の一報が届いたら次は面接となります。制約上内容の詳細を書くことはできないのですが、言語は英語、複数人の面接官がいることになります。ただ、何を聞かれるかわからないこともありません。
次の事項については準備しておくといいと思います。
①Tell me about your selfに準備する。
JPOのNoteでも記載しましたが、国際機関の面接では頻出中の頻出質問だと思います。HPCの面接では特定のポジションを想定できるわけではないため、いままでの自分の経験、専門性や資格を存分にアピールできるよう、準備しましょう。
②CBI頻出質問に準備する。
繰り返しですが、HPCではあらかじめポジションが想定されているわけではないため、テクニカルな質問よりは資質、性格、ソフトスキルを計るものが多いことが想定されます。そのため、以下のサイト等を参考にしながら準備することをおすすめします。

【国連広報センターが出している資料】

https://www.unic.or.jp/files/UN_Competency_Based_Interviews_ENGLISH_with_exercises_Japan_October_2013.pdf

【転職プラットフォーム会社が出している情報】
https://www.indeed.com/career-advice/interviewing/competency-based-interview


さて、面接が終了したらどんなことが聞かれたかだけメモしておいて、コーヒー片手にNetflixを堪能しましょう!!

いつ現職に退職の意思を伝えるか

合格するまでとは若干テイストが違うものの、個人的に悩ましかったのがいつ退職の意思を伝えるかとなります。まぁー国際機関で働いれば少なくともinternational staffはこういうことが常になるので特段問題ないんですが多くの方はHPCを機に現職のPermanent Contract等特段契約期間が決まってない職を辞める人も多いのではないでしょうか。
まずは、HPCの場合どのようなタイムラインで動くか説明します。
9月1週目:応募書類締め切り
10月初旬:面接
10月末ー11月初旬:Referee への推薦依頼
11月中くらい:HPCからの合格通知
1月中旬くらい:国内研修開始
2月末-3月中:海外研修(UNVとして現地へ渡航)

ということで上記タイムラインを踏まえて私の経験を共有すると、10月末くらいには上司にHPCから連絡が来るかもしれないこと、もし合格したら2月中に退職したい旨を相談しました。
無事合格オファーをもらったので1月中旬まで佳境を迎えていた仕事を猛烈に片づけ国内研修期間は有給を全力消化したのちに2月中旬に正式退職となりました。

私の上司とチームはいい人が多かったので理解を示してくれました。中には海外研修期間を休職扱いとしてくれる人もいたようです。一方でめんどくさい上司やチームにいることもあるでしょう。が、話してしまえばあとは先に進むだけなのでファイトです!
ちなみに私は毎回この転職/転ポジションの話や推薦をお願いすることが苦手ですね~。

応募書類一式(有料)

長々と説明してきましたが、前述の説明を踏まえたうえで実際に自分が応募した時に使用した応募書類のうち①申し込み書②Career Plan Essay掲載しておきたいと思います。前回同様ここ以降は有料とさせてくださいませ。
*個人情報にかかる部分や上司の氏名等は削除しております。

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