これは　2年前、まだ私が職場に復帰する前の話。

いつものように大濠公園を散歩し、ベンチに腰を下ろして行き交うボートを眺めていた。

市内屈指の散歩スポットである大濠公園。
ペットも例外なく、たくさんのわんちゃんが尻尾を振りながら歩いている。

座って10分くらいだったかな。

右から1人と1匹
左から1人と2匹
歩いてきた。

ベンチに座った状態だと、散歩道は背後にあるので誰が歩いているかは視界に捉えられず、音だけで判断するしかない。

すれ違うかと思いきや
「こんにちは〜〜、かわいいですね〜」と真後ろで話し始めた。
男女っぽい。
声のトーンが落ち着いている。
お互い35くらいか？
と、私は耳だけを傾けてボーーっとしていたのだが、右から来た男性の方が
「何ちゃんなんですか〜？^^」
と聞いたところ、
「マグロとアサリです〜^^」
と女性が返答していた。

マグロ！？
アサリ！？
気になる！！！！！！！
しかし真後ろ！！！！！！

結果的に振り向けずどんな子だったのかわからず仕舞いだったのだが、
実家の隣で飼われていたわんちゃんを思い出した。
名前は「うさぎ」。
犬なのにうさぎと名付けられていた。
近所付き合いが良かったから、小学生の頃よく散歩に連れて行っていた。
学校から帰ってくると小屋から眠そうに出てきて尻尾を振って出迎えてくれた。
この前母に聞いたら既に数年前に亡くなっていたらしい。

なんで”ウサギ”という名前にしたのかはわからないままだけど、
向こうでピョンピョン跳ねてたらいいな、尻尾を振りながら。