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【愛のない婚姻】



元夫とはありえない経緯で夫婦となった。
母子手帳をもらいに行った時に区役所で
【未婚の母】と記されるのが悲しくて虚しかった。
幼いころ両親が離婚。
父が母に手をあげたり大声で怒鳴ったりするのを見ていた。

幸せな家庭に誰よりも憧れていた私は、
結婚にも夢をもっていた。

まさかこんな形で婚姻届けを提出して人妻になるなんて
思ってもみない、望んでもなかった。
それでも好きになる努力もしたし歩み寄ろうともした。
だけど・・・無理だった。

生理的に受け付けない、声を聞くのもイライラ、
同じ空間で過ごすのも嫌だった。
考え方がまず合わない。
育ってきた環境も違う。価値観、センス、
何もかもが違った。
居心地が悪かった。
妊娠中から「離婚してください」
「人生返してください」と
いつも言っていた・・・

お酒癖/お金遣いが悪い、時間にルーズ、
プライドの塊、暴言、
不誠実・・・
「母親失格」「経営者ぶって偉そうにしやがって」
「ほんまアホやなお前」「考え方が生温いねん」
浴びせられた数えきれない程の言葉の暴力と横柄な態度。

家事育児に協力なんて皆無。
そのくせ、やたらスキンシップを求めてきて
拒否をするとキレ出す。
好きでもない人に触れられることが
どれだけ苦痛か・・・
想像がつくでしょうか?

同じように感じている方もきっと多いでしょう。
同意と愛のない強要は、立派な暴力です。
体と心、全部が元夫を拒否した。

そんな私の苦しみや葛藤とは裏腹に、
すくすく命は育ち、
9年前の夏、長女がこの世に誕生した。

母になってからは、
妻としてではなく母として懸命に命を育んだ。
小学生の頃の文集に夢を書く欄があって、そこに私は
【お母さんになること】と書いた。夢が叶った。 
だけど ・・・喜びや幸福以上の不安、恐れ、疑い、
不信感が生まれ
妻としては0点。
愛されることも愛することも放棄した。
愛なんてない・・・
元夫はよく「愛してるよ」と言っていた。
本気で嫌で、ほんとに嬉しくなかった。
鳥肌が立った。
心の中で(アンタが愛を語らないで・・・)と
毒を吐いていた。





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