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言語のThis and that / 語族と言語間距離

言葉のあれこれ



語族

 地球上には何個の言語があると思いますか。考えてみましょう。1つの国に1つの言語はあるはずだと推論すると国連に現在加盟している国は193か国。

 では、193語くらいでしょうか。正解は、学者によって意見が分かれるのですが、約6900種類あると言われています。せいぜい10個言えるか言えないかの私たちには想像できない数ですね。

 そして、そのさまざまな言語を「語族」というおおまかなグループに振り分けることができます。語族とは、起源が同じ言語の集まりのことです。そこからまた語派>語群または諸語と分かれていきます。

 例えば、私たちが学んでいる英語は古代インドから派生して中東や欧州に広まった「インド・ヨーロッパ語族」に属します。「インド・ヨーロッパ語族」には、ロシア語やヒンディー語、ペルシャ語などもあります。そして、英語は「インド・ヨーロッパ語族」の中の「ゲルマン語派」に分かれ、その中でも「西ゲルマン語群」というグループにまで分類できます。

 では、私たちの母語である日本語は何語族でしょうか。実は、日本語は主要な10個の語族との関係が明確になっていないのです。このように起源が辿れない言語のことを「孤立語」と言ったりします。日本語を学習するのが難しいと世界的に言われる理由は、このように他の言語とあまり関連がないからなのです。

言語間距離

 言語間距離という言葉を知っているでしょうか。簡単にいうと、言語同士がどれだけ似ているか、異なっているかということです。これは言語の習得の参考になります。似ていれば、近い、つまり習得しやすいのです。日本人が英語を難しいと感じるのは、この言語間距離が遠いからなのです。


 Defense Language Institute Foreign Language Centerでは、外国語を英語の母語話者から見た難易度によって4つに分類しています。それがこの表です。カテゴリー1から4につれてどんどん習得が難しくなっていきます。


 カテゴリー1には、スペイン語が入っていますね。英語とスペイン語はとても近い言語ということです。これは、単語から見てもわかります。例えば、「花」は英語で「flower」、スペイン語では、「floer」、ちなみにフランス語では「fleur」です。


みんななんとなく似てるのがわかりますね。母語の知識が生かせるのです。(専門用語では、言語転移)。1つ語学を習得すれば、次の言語習得が楽になるのはそういうわけなのです。そして、このスペイン語の取得には575~600時間かかるそうです。


 では、日本語はどうでしょうか。なんと2200時間もかかるのです。考えてみれば、わかることですが、英語と日本語は、文字、文法、発音のどれをとっても違いますよね。


 英語が母語の人が日本語を覚えるとなれば、ひらがな、カタカナ、漢字の3つも覚えないといけないわけですからそれなりの時間はかかるのが想像できます。日本人が英語を習得するのもだいたいそれぐらいの時間だと仮定して、中高大でだいたい1100時間勉強するので残りの半分は自分でやらないといけないのです。


 途方もないと思いましたか。しかし、ちょっと考えてみてください。私たちは日本語を何時間で使えるようになったのでしょうか。0→5歳で話せるとしたら約1万7520時間になります。それと比べると大した時間ではないと思いませんか。言語間の距離が遠いからといって諦めてはいけません。言語習得の一番のポイントはやる気です。


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