今の世の「時代」という荒野では
高笑いの声がする
その陰で涙を流す人もいる
　　ダレかを傷つけることが当たり前のゲームにも似て

地に吹く風に聞いてみる
奪い合うって何なんだ
競い合うって何なんだ
誰が決める
誰が勝者と
奪い合うって何なんだ

それは性（さが）
それは陶酔
それは　はっきり言っちまえば　それは　自己愛なのだろう
鏡の前に立てば　きっと判る
鏡に映った自分　
　　どうだい　健やかに微笑んでいるかい
　　どうだい　無垢のままそこに在るかい
　　どうだい　君　独りぼっちに　なっちゃいないかい

奪い合うって何なんだ
競い合うって何なんだ
誰が決める
誰が勝者と
奪い合うって何なんだ

この不毛の荒野で生きながら
ラジオのダイヤルを回して違う周波数を捜すように　視線の向きを何とか切り替えようとする
　　　あせらず　あせらず　あきらめず
           ノイズがすこしずつ遠のくと
　　　地に咲く花が見えてくる
　　　こんな時代もどこ吹く風と　一心不乱に咲く花が

バラは競って咲いたりしない
バラはダレかを見下したりしない
バラは　トナリノバラ　いたわって咲く
そんなバラに　お日様は平等に愛を注いでいる

君よ　バラで　あれ
　　　バラで　あれ

それが朝の賛歌であれば
それが深紅の賛歌であれば
それが聞こえてきたならば
君よ