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「いつだって怪我できるし」2024年3月13日の日記

・前日の日記

・ほぼ予定通りの時刻にチャンギ空港に到着する。相変わらずアレルギーっぽいさらさらの鼻水が止まらない。まずはどこかにポケットティッシュが売っていないか探し回ったが、ポケットどころか箱ティッシュさえ、どこにも置いていない。セブンにさえ無かった。まあシンガポールにティッシュがないのは概ね予想通りだったので、機内でくすねた激固ティッシュ数枚とハンカチでしのいだ。

・やはり機内食の量が多かったために、お腹は空かない。往路でロンガン入りのお茶を飲んだお店で、やはりロンガン入りの「ローズシロップ」を飲んだ。バラらしい香りはほとんど感じられない代わり、なんだかエビのような、甲殻類の出汁でも入っているような味がした。飲めはするけど、いくら飲んでも頭の上から「?」マークが消えなかった。

ロンガン入りローズシロップ

・エビ出汁シロップを飲みながら日記の下書きを書くなどしていたら、なんだかんだ搭乗時間が近づいてきた。ゲートへ移動。手荷物の中身はスキポールの検査場を通ったときと何ら変わっていないのにもかかわらず、今度は難なく検査を通過できた。

・ゲートを通るときに「これは大丈夫(必要)ですか?」と税関の申告書を示されたので、反射で「大丈夫です」と断ってしまった。すぐに「いやいや大丈夫なわけあるか」と思い直して紙を受け取りに戻った。

・搭乗。自席について、いつの間にか寝てしまっていた。飲み物のワゴンの音で起きた。せっかくだからとタイガービールを頼んで飲んでみたが、何という薄さ。世の人はこれをありがたがって飲んでいるとは信じがたい薄さ。まあ飲めるときに一度飲んでおけば、また飲むか飲まないか決められるから良しとしよう。

信じがたい薄さのタイガービール

・シンガポール時間で12:30を過ぎたころに昼食が配膳される。選択肢はビーフシチューかつくね弁当で、後者にした。再びそば(箸なし)が載っているが、なにやらやけに緑色をしている。緑色の正体はわからなかったが、麺がにちゃにちゃしていて食べづらかった。つくねの味はまあ、まずまずだったが、1個ぽっち入っていた長ネギの切れ端がおいしかった。デザートの某アイスはやたら固くて、歯型を必死でつけながら食べた。なぜかこの時の機内食だけ写真を撮り忘れている。

・17時過ぎに成田空港に着いた。日本だ!私の国籍のある国、私の母語の国!もう免許証も保険証も住民票も私を守ることができる。落とし物もスリもそんなには警戒しなくていい!もういつだって怪我できるし体調も崩せる!入国もできた、預け荷物も問題なく受け取れた。日本に帰ってこられたことが嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。私は本当に早く帰りたくて仕方がなくて、ベルギーやオランダを出るときも後ろ髪をひかれるような思いを全く感じていなかったのだ。

・しかしスカイアクセス線の乗り方の分からなさには閉口した。全部日本語で書いてあるはずなのに全然わからなくて3分くらい切符売り場で右往左往していた。結局ただPASMOで改札通ればいいだけだったんだけど、なんか有料特急っぽさがある。

・改札に入る前にお手洗いに行くと、使い方が日本語、英語、中国語、韓国語で書かれている。電車に乗っても、駅名や乗換情報が大抵4つの言語で表示される。フランデレンではまず、なかったことだ。大体オランダ語でしか書いてくれない。案内も広告も全部わかるという大きな安心感を覚えるとともに、日本は多言語の国なのだなと実感した。

車内に書いてあること全部わかる
(読めても結局何言ってるかわからないこともあるけど)

・新幹線に乗る前に、上野で立ち食い蕎麦屋に寄り、ちくわ天そばを10分もしないうちに食べ終わった。自分の居場所、私のホーム。何もおそれず堂々と振舞える。とても心地が良かった。

ちくわ天そば

・頑張ったので新幹線の車内でサクラビールも飲んだ。本当に頑張った、頑張ったよ私。自分の国の現状には絶望しているけど、それでも私の居場所はここだった。日本であり東京であり関東だ。立ち食いそばに日高屋、牛丼屋、ファミレス、ドトールにベローチェ、コンビニ。無糖の緑茶、ほうじ茶、玄米茶、烏龍茶、紅茶、麦茶、ブレンド茶、ジャスミンティー、ルイボスティー。日本ってめちゃくちゃお茶の種類があって、ペットボトル飲料のなかでも一番安くて、しかもほぼ無糖なのがすごい。

新幹線で飲むサクラビール

・無事に那須塩原駅に着いて、母の迎えの車に乗り込む。私のヨーロッパ遠征の全日程が終了した。明日も早速予定があったので、軽く荷物を整理して、さっさと布団に入った。自分の布団で眠れるのが嬉しくて仕方がなかった。

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