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手あての効果 ーツボを押すと分泌される脳内麻薬の話 

新潟医療福祉大学 鍼灸健康学科長 粕谷大智教授が、こちらの番組でお話しされていました。

今まで、科学的に証明されていなかったツボ、や
指圧が身体に与える影響について、わかりやすく説明されていたように思います。

ツボを刺激すると、皮膚に存在する痛みなどを認知する受容器『ポリモーダル受容器』が脳を刺激する信号を出し、
刺激を受けた脳は痛みから体を守ろうと修復信号を出します。
その結果、疲労軽減や鎮痛効果などをもたらすということです。


もう少しわかりやすくしてみると…

ツボって何

科学的に説明すると、感覚神経がたくさん集まっている場所です。

例えば、
1センチ四方の中に、たくさん感覚受容器がある方が
より多くの刺激を感じ取ることができます。

もちろん、体中に感覚受容器はあるのですが
場所によってその密度は違います。
密集している部分だからこそ、効率よく刺激することができる。

そこが東洋医学の「ツボ」と一致していて
ちょっと押しただけで「痛い!」と感じたりするのです。


ツボを刺激すると

脳内麻薬が分泌される

ツボの刺激が脳に伝わり
痛みから身体を守るための修復信号を出します。

それが神経伝達物質の一種、脳内麻薬「オピオイド」です。

オピオイドが分泌されると
自分自身を守ろう
苦痛を和らげようとする鎮痛作用をもたらし、
幸福感や爽快感が得られます。


体温があがる

番組内の実験では、手にあるツボ「合谷」に鍼を刺して横になっているところを、サーモグラフィで見ていました。
本当に温かくなるのですね。

よく、「マッサージされると身体がポカポカする」とか
「首肩周りの施術をすると顔色が良くなる」など
受けている方の感覚や、見た目の変化として表れることがありますが、このような実験をしていただけて、より分かりやすく、効果をとらえることができました。

マッサージのあとはポカポカして眠くなる、というのも
血流が良くなるだけでなく、脳内麻薬が分泌されるから、ということも科学的に証明されているということですね。

ツボへの刺激以外で脳内麻薬を分泌する方法

脳内麻薬で得られる快楽は
ランナーズハイなどと言われるように、運動をすることでも得られます。

また、好きな音楽を聴いてウキウキと足取りが軽くなったり
おいしいものを食べてしあわせ~と思ったり
ふわふわなものをなでなでして気持ちい~となる時にも分泌されています。

ツボを押す以外にも、
身近なところで「脳からの指令で疲れを癒す」ことができますので
ぜひ「あーしあわせだ」「楽しいなー」と感じる時間を作ってみてください。

おまけ

そんなことする元気もないよ、みたいな人が近くにいたら
他人にもできる、簡単な方法があります。
以前書いた記事ですがよろしければ。

幸せホルモン ドーパミンのお話です。

ちなみに、足の裏にあるツボは両足にひとつずつです。
え、いっぱいあるんじゃないの?
よく見る、足の裏をカラフルに埋め尽くすあの図は何?と思われると思いますが
あれはリフレクソロジーの話であって、東洋医学のツボとはまた別のものです。

いろいろありますね。
自分なりの「心地よい」を見つけて、ほっと緩む時間を作りましょうね。

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